夏バテ対策に!意識してとりたい栄養素と食事ポイント

暑くなってくると、喉越しの良い麺類やアイス、炭酸飲料などの甘くて冷たいものを口にしがちに。夏バテをしないためには、暑くなる前から正しい食生活を心がけてカラダづくりをすることが大切です。今年こそ夏バテしないカラダで夏を乗り切りましょう。

便秘

夏バテ予防の食事のポイント

アイスや炭酸飲料など冷たいものや、のど越しの良い麺類ばかり食べることは危険。糖分の摂りすぎは常に血糖値が高い状態にあるため、空腹感が満たされ続け、食欲がわかなくなってきます。すると、徐々に胃腸の働きが悪くなり、栄養素の消化吸収ができず食欲不振へつながり、この悪循環が夏バテに。

夏バテを予防するためには、香辛料や酸味などの食材を利用して食事の質を高め、少量の食事でも夏バテ防止に役立つ栄養素を補うことがポイントです。

夏バテを予防する食事の工夫4つ

1.酸味を利用する

酸味には食欲増進や疲労回復の働きがあります。酸味の成分であるクエン酸は疲労回復をサポートします。糖質をエネルギーに変えるビタミンB1と一緒に摂ると効果的です。夏は食欲が低下しやすいので、酸味を利かせて食欲をアップするといいでしょう。
《おすすめ食材》
かんきつ類・梅干し・酢

2.香味野菜を利用する

香味野菜の香りや辛味などで食欲増進をしましょう。冷房で冷えすぎると代謝が下がり、だるさにつながりますが、みょうが生姜は血行良くしてカラダを温め、胃腸の働きを良くしてくれます。

また、にんにくやらっきょうに含まれる硫化アリルはビタミンB1の吸収を高めてくれます。夏バテ対策にはビタミンB1は不可欠なので、豚肉料理などを食べるときには、吸収率がアップする香味野菜をとり入れましょう。
《おすすめ食材》
にんにく・生姜・みょうが・ねぎ

3.香辛料を利用する

香辛料は唾液や胃液の分泌を促進して食欲を増進する働きがあります。これらの消化酵素が分泌されることで、食事からの栄養素を吸収しやすくなります。
《おすすめ食材》
唐辛子・カレー粉

4.夏野菜を利用する

夏野菜は水分・ビタミンC・ビタミンB群などカラダが必要とする栄養素を多く含んでいます。食欲がないときこそ、夏野菜を上手にとり入れて夏バテしないカラダを作っていきましょう。特にオクラモロヘイヤなどのネバネバした野菜は、弱った胃の粘膜を保護して消化吸収を助ける働きがあります。
《おすすめ食材》
トマトなすきゅうりピーマン・オクラ・モロヘイヤ・かぼちゃ

夏バテを予防する栄養素3つ

1.ビタミンB1

夏バテ予防には、毎日の疲労をカラダに溜めないことが大切。ビタミンB1は、エネルギーを生みだす時に必要なビタミンで、疲労回復のビタミンと呼ばれています。

例えば麺類ならば、そうめんのみではなく、冷奴豚しゃぶなどプラスしてみましょう。ご飯も玄米を混ぜて炊くと、ビタミンB1を補うことができます。
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《多く含む食品》
豚肉・大豆カツオ・玄米・うなぎ

2.ビタミンC

夏の暑さは睡眠不足にもつながりストレスが溜まりやすくなります。ストレスが溜まると自律神経が崩れ、胃腸の働きが低下し、ビタミンCの消費量が増えます。ビタミンCは抵抗力を高めてくれるので、消費量が多い夏にビタミンCを積極的に摂ると夏バテ予防に役立ちます。
《多く含む食品》
ゴーヤ・トマト・枝豆・かんきつ類

3.ビタミンP

ビタミンPは、ポリフェノールの1種のビタミン様物質。かんきつ類に含まれるヘスペリジン、そばに含まれるルチン、レタスブロッコリーに含まれるケルセチンなどの総称です。

血圧上昇の抑制、血中中性脂肪の分解などの働きのほかにも、夏に消費が増えるビタミンCを安定化して持続させる働きがあります。ビタミンCを効率よく利用するためにも、一緒にとり入れたい栄養素です。

 

その他として、こまめに水分補修することもポイント。夏は汗とともにカラダに必要なミネラル類も失います。一度に冷たい飲み物を飲むと胃腸の働きが悪くなるので、のどが渇く前に100ccほどを飲むようにしてみましょう。

夏バテ予防には、暑さに打ち勝つ体力を保つことが重要です。毎日の食事で必要な栄養を補い、夏バテしないカラダ作りを心がけましょう。
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コントラクトフードサービス大手(株)グリーンハウスに入社、社員食堂のメニュー提案や栄養指導業務を経て、2009年「あすけん」に参加。アドバイス作成やサービス開発に携わる傍ら、年間150件以上の栄養指導やプロアスリート選手の食事サポート、セミナーなどを実施。現在はフリーランスに転向し、幅広く活躍。

衞藤敬子

管理栄養士
衞藤敬子

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