脂質オーバーな食生活に!野菜が救世主になる理由とは

「脂っこいメニューやファストフードが好き」「洋食やお菓子をよく食べる」「主食を控えめにしておかずをたくさん食べている」…という方は、脂質オーバーな食生活になっているかもしれません。「自分は大丈夫」と思っていても、脂質を摂りすぎている人は「約3人に1人(※)」という結果もあり、気付かないうちに脂質オーバーになっていることも。

そんな方におすすめしたいのが、野菜たっぷりの食生活です。わかっていてもなかなか実践できない…というあなたに向けて、知れば知るほど野菜を食べたくなる理由や、手軽なとり入れ方を解説します。

※:厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」より、脂質のエネルギー比が30%を超えている方の割合(20歳以上)が、男性約35.0%、女性約44.4%
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あなたは脂質が多め?食生活チェック

「自分は大丈夫」と思っていても、実は摂りすぎているかもしれない脂質。例えば、ラーメン+餃子などのこってりメニューは、1食で脂質が約50gにもなり、1日分のほとんどを摂ってしまう計算です。

下記の項目がたくさん当てはまる方は、特に注意が必要です。いくつ当てはまるか、まずはチェックしてみましょう。

【脂質摂りすぎチェックリスト】

項目 内容
主食 □朝食はパンをよく食べる
□ラーメン、チャーハン、カレーライスなどの料理をよく食べる
□主食は控えめでおかず(肉・魚・卵)をたっぷり食べる
おかず □魚より肉をよく食べる
□ソーセージ・ベーコンなどの加工肉をよく食べる
□揚げ物、炒め物などのこってりした料理をよく食べる
嗜好品・その他 □和菓子よりチョコレート、クッキーなどの洋菓子をよく食べる
□牛乳コップ1杯またはヨーグルトカップ1杯以上を毎日食べる
メニュー選び □和食より洋食や中華が好き
□外食、惣菜、弁当をよく利用する
□ハンバーガーや牛丼などファストフード店をよく利用する
健康状態 □肥満、または肥満気味である
□悪玉コレステロール値や中性脂肪値が高めである

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脂質オーバーな食生活に野菜がおすすめの理由

脂質を摂りすぎている傾向のある方は、脂質を減らしていくのはもちろん、野菜をたっぷり食べることが大切です。

「野菜たっぷりが大切」とわかっていてもなかなかできないという方は、まずは野菜が大切な理由をぜひ知ってみてください。

理由①食物繊維をたっぷり摂れる

野菜をとりたい理由でもっとも注目したいのは、食物繊維を摂れる点です。特に「肉が中心」という食生活の方は、食物繊維の摂取量が大きく不足していることも。

食物繊維は体内で消化されづらいため、脂質の吸収を妨げる働きがあります。脂質オーバーな食生活の方や、悪玉コレステロール値や中性脂肪値が気になる方の、強い味方となってくれます。

理由②おかずの量を減らせる

野菜をたっぷりとり入れることで、脂質が多くなりがちなメインおかずの量を減らせる点も魅力です。

・カサのある野菜を食べることで、メインおかずが少なくても満足感が出る
・野菜をよく噛んで食べるので、満腹を感じやすくなる

例えば、脂質の多い和牛のバラ肉は100gあたり472kcal、脂質50gに対し、野菜は300gたっぷり食べても80kcal、脂質1g程度と、とってもヘルシーです。

理由③食べすぎリカバリーに役立つ

普段は摂りすぎに気をつけていても、ときには脂質の多いメニューを楽しむ場面もあるのではないでしょうか。そんなとき、次の食事や翌日の食事を野菜たっぷりの食事にすると摂取カロリーを抑えることにつながり、摂りすぎた分を「リカバリー」するのに役立ちます。

食事は毎日・毎食のようにバランスのよいものを心掛けるというよりは、数日~1週間単位でバランスをとるようにすると、無理なく健康的な食生活を実践できます。

脂質オーバーな食生活向けの野菜のとり入れ方

脂質摂りすぎの調整に役立つ野菜は、とり入れ方がポイントになります。下記の中から、実践しやすいものに取り組んでみましょう。

・たっぷり食べられる温野菜にする
・なるべく油を使わない調理法にする(スープ・蒸し物・レンジ調理など)
・ドレッシングはノンオイルにする
・肉や魚のおかずのかさましに野菜、きのこを使う

また手軽に野菜を増やすには、外食や惣菜で野菜の多いメニューを選ぶなどの工夫や、冷凍野菜やカット野菜の活用、作り置きなどを行ってみましょう。

下記のコラムをあわせてチェックしてみてください。
野菜を手軽に増やすコツ5選!野菜を増やして食事バランスを整えよう

 

旬の野菜や、カット野菜・冷凍野菜・もやし豆苗・きのこは、比較的安価に手に入るため、野菜をたっぷりとり入れたいときにおすすめです。また安価に手に入りやすい切り干し大根ひじきなどの乾物も上手に活用してみましょう。

 

【参考・参照】
厚生労働省 令和元年 国民健康・栄養調査<https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/r1-houkoku_00002.html>(最終閲覧日:2025/1/10)
カロリー計算:食事管理アプリ『あすけん』調べ

【執筆者】
管理栄養士。病院、保健センター、保育園で幅広い年代の栄養サポートに携わる。現在はフリーランス管理栄養士として、ライターやレシピ制作を中心に活動中。あすけんではコラム執筆などを担当している。HP:https://hirotachihiro.com/

広田 千尋

管理栄養士
広田 千尋

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