これって秋バテ?秋の不調を乗り切る食事と生活習慣のポイント
夏が過ぎ、朝晩の涼しさを感じるようになるころ、食欲不振や疲れやすさなどの不調を感じていませんか?過ごしやすくなる季節ではありますが、もしかするとその不調は「秋バテ」かもしれません。秋バテは食事や生活習慣の工夫で対策ができます。秋を元気に乗り越え、寒い冬を迎える前に体調を整えておきましょう。
秋バテとは
秋バテとは、季節の変わり目である秋にさまざまな不調を引き起こすことを指します。思い当たる原因がないのに、なんとなくカラダの調子が整わない…という方は「秋バテ」しているかもしれません。
秋バテの症状の例は以下が知られています。
・食欲不振
・疲れやすい
・カラダがだるい
・寝つきが悪い
・朝起きられない
・めまい、立ちくらみ
・胃腸の不調
・肩こり
・頭痛
これらの症状は、寒暖差により自律神経が乱れることが原因と考えられています。また夏の疲れが残っていることや、台風による気圧の変化なども理由といわれています。
秋バテ対策のポイント5つ
秋バテの対策には、自律神経を整え、不調を起こしにくい食事や生活習慣が大切です。ポイントを5つ紹介しますので、季節の変わり目は意識してみましょう。
冷たい飲み物は避けて常温~温かい飲み物をとる
冷たい飲み物のとりすぎは胃腸を冷やし、不調を招く原因になりかねません。食欲が低下すると必要な栄養素が不足し、悪循環におちいることも考えられます。
朝晩は涼しくても、日中に暑さを感じることもあるため、つい冷たい飲み物をとってしまうかもしれません。ですが冷たすぎる飲み物はなるべく避け、常温、または温かい飲み物を心がけましょう。
1日3食バランスよく食べる
1日3食バランスよくとることで、カラダの回復に必要な栄養素を補給できます。エネルギー不足の状態では、疲労感や集中力の低下がみられることもあり、不調を感じやすくなる原因にもなります。
とくに朝食は1日の活動のエネルギー源となるため、欠かさずとりましょう。
また不足すると倦怠感や疲労感の原因となる、鉄やビタミンB1を含む食べ物を意識して取り入れるのもおすすめです。
【鉄を含む食べ物】
レバー・卵・牛もも肉・いわし・カツオ・あさり・納豆・豆腐・小松菜・ほうれん草・干しいちじく・ドライレーズン…など
【ビタミンB1を含む食べ物】
豚肉・うなぎ・玄米・納豆・豆腐・蕎麦…など
湯船に浸かってリラックスする
忙しいとシャワーで済ませる方も多いかもしれませんが、疲労感や倦怠感が気になるときは、温かい湯船にゆっくり浸かりリラックスしましょう。
ぬるま湯はリラックスに関わる副交感神経を優位にし、カラダの緊張をほぐしてくれるといわれています。40℃以下のぬるめの温度で、ゆっくり浸かってみましょう。
寝つきへの効果も期待されているため、安眠したい方にもおすすめです。
早寝早起きを心がける
自律神経のバランスを整えるためには、早寝早起きを心がけて体内時計を整えることが大切です。
体内時計が乱れることで、眠気や倦怠感などの不調を引き起こすことが知られているため、秋バテ対策ではとくに気をつける必要があります。
体内時計を整えるためには、とくに起床時に日光を浴びることが大切といわれています。
遅寝の習慣がついてしまっている方は、早寝早起きできるように毎日のルーティーンを見直してみて、できるところから改善しましょう。
適度な運動を行う
適度な運動により、快眠への効果やストレス解消効果が期待されています。涼しくなりカラダを動かしやすくなる時期でもあるため、軽い運動からはじめてみませんか?
早足のウォーキングや軽いランニング、また通勤や買い物の際に遠回りして10分程余分に歩く、などの方法でよいでしょう。
不調を感じているときは無理しすぎず、できる範囲からはじめてみてくださいね。
秋バテにならないためには、早い内から気をつけて対策することが大切です。規則正しい生活を心がけて、寒い冬に備えて体調を整えておきましょう。
【参考・参照】
文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
一般社団法人 奈良県医師会 「秋バテ」ってどんな病気?対策は?<https://nara.med.or.jp/for_residents/5793/>(最終閲覧日:2022/8/30)
【執筆者】
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。
管理栄養士
広田 千尋