話題の「オーバーナイトオーツ」の魅力とおすすめの食べ方
ダイエットや栄養補給にぴったりのオートミールを手軽に取り入れられるとして、最近話題になっている「オーバーナイトオーツ」。ヘルシーで簡単な朝ご飯として取り入れる方が増えているようです。今回はオーバーナイトオーツの魅力やおすすめの食べ方について解説します。
オーバーナイトオーツとは?
オーバーナイトオーツとは、夜の間にオートミールと牛乳・豆乳などを合わせて、一晩おいたものです。朝にはオートミールがお粥状にふやけており、そのまますぐに食べられます。一緒にドライフルーツを漬け込んだり、バナナなどの果物を添えたりすれば、1品でさまざまな栄養素を補給できる手軽な朝ご飯になります。
一晩おいておくだけという手軽さと、色々なアレンジがしやすいことも人気の理由のようです。
オートミールは栄養たっぷりなのにヘルシー
オーバーナイトオーツの魅力は、何といっても栄養豊富なのにヘルシーなところ。ダイエット中の方だけでなく、食事の偏りが気になる方の手軽な朝ご飯としてもおすすめです。
主食の中でも栄養豊富なオートミール
オートミールはオーツ麦(えん麦)を加工したもので、麦の外皮を残したまま加工されています。通常は精製されてしまう、栄養たっぷりの外皮の部分まで丸ごと食べられるので、オートミールはほかの主食に比べると栄養が豊富です。
とくに食物繊維と鉄の量は注目すべきところです。
1食(40g)あたりの食物繊維は3.8gと、白ご飯(小盛120g)の約2倍の量です。とくに20~50代の女性は食物繊維が不足気味。(※1,2) 食物繊維不足は便秘の一因になるだけでなく、ダイエットにも影響 します。
また鉄の量は1食(40g)では1.6㎎含まれます。鉄は白ご飯にはさほど含まれていないため、1食あたりで比較するとその差は約13倍にもなります。成人女性(月経あり)の鉄の推奨量は10.5~11.0㎎ですが、実際は6~7㎎程度 しか摂れていないのが現状です。(※1,2)
鉄が不足することで貧血だけでなく、集中力の低下、頭痛、食欲不振、疲労感といった症状が起きる原因となることも知られています。
このように不足しがちな栄養素を、主食として手軽に補給できるのがオーバーナイトオーツの魅力です。
腹持ちがよく、ヘルシーでタンパク質補給にも
オートミールはお腹の中で膨むため、腹持ちがよいと感じる方が多いようです。ダイエット中の空腹はつらいものですが、空腹を感じにくいのは魅力的ですね。
また1食(40g)あたりのカロリーは140kcalと、おにぎり1個分よりも少ないカロリーです。牛乳やフルーツと合わせるためカロリーは増えますが、どちらも毎日とりたい食べ物でもあるので、さほど気にしなくてよいでしょう。
さらにタンパク質も1食(40g)で5.5g補えます。白ご飯よりもタンパク質が多いため、トレーニング中の方でタンパク質をしっかり補いたい方にもおすすめできます。
オーバーナイトオーツのおすすめの食べ方
オーバーナイトオーツは、オートミールに対して牛乳などの水分を4~5倍量入れて作ります。メーカーによってや、好みもあるため、自分好みの割合を見つけてみましょう。
漬け込む飲料やトッピングを工夫したり、甘みを足したりすることでさまざまなアレンジを楽しめます。
ドライフルーツを使う場合は、前の晩から一緒に漬け込んでおきましょう。オートミール自体には甘みがないため、はちみつなどを少々プラスすると食べやすくなりますよ。
オートミールは味にクセがあると感じる方も多いようですが、メーカーによってさまざまです。ぜひ自分好みのオートミールとアレンジを見つけて、オーバーナイトオーツを楽しんでみてくださいね。
【参考・参照】
(※1)令和元年 国民健康・栄養調査結果
(※2)厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)
文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
【執筆者】
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。
管理栄養士
広田 千尋