台湾の定番朝ご飯「シェントウジャン」って?カロリーや作り方を解説!

シェントウジャン(鹹豆漿)とは、台湾の定番朝ご飯といわれている料理です。豆乳をお酢の力で固めたもので、ふわとろ食感を楽しめます。東京にシェントウジャンの専門店ができたり、「シェントウジャンの素」が販売されたりするなど、いま日本でも注目されています。

シェントウジャンは食欲がない朝にもさっぱりと食べられ、しかも簡単に作れるので時間がないときでも大丈夫。さらに、夜遅くに小腹が空いたときの夜食にもおすすめです。女性にうれしい栄養が摂れ、ダイエットにも取り入れたいメニューです。

今回はシェントウジャンの気になるカロリーや栄養、簡単な作り方もご紹介します。

シェントウジャントップ画

シェントウジャンのカロリーや栄養は?

シェントウジャンの栄養成分値

豆乳1パック(200ml)でトッピングなしのシェントウジャンを作ったときの栄養成分値は以下の通りです。

エネルギー 98kcal
タンパク質 7.6g
脂質 4.0g
炭水化物 6.8g
食塩相当量 1.4g
2.5㎎
カリウム 400㎎

シェントウジャンに含まれる栄養を解説

◆鉄
は不足すると鉄欠乏性貧血の原因となり、集中力の低下や、頭痛、食欲の低下、疲労や免疫力の低下などといった症状もみられます。(※1)(※2)

特に20~40歳代の女性は摂取量が不足しているので、積極的に補いたい栄養素です。(※3)成人女性(月経あり)の鉄の必要量の約4分の1の量を、シェントウジャンでとることができますよ。(※4)

◆カリウム
カリウムは摂りすぎたナトリウム(主に食塩)の排出を助けてくれる働きがあります。(※5)ナトリウムは摂りすぎるとむくみの原因となるため、むくみが気になる方は摂りたい栄養素です。

カリウムは豆乳だけでなく、豆腐納豆などの大豆製品や、野菜、果物などに含まれます。

◆イソフラボン
イソフラボンは女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きをします。骨粗しょう症の予防や改善に効果があると期待されていたり(※6)、更年期障害のホットフラッシュ(顔のほてり・のぼせ・発汗)の頻度を減らすことがわかっていたり(※7)と、さまざまな効果が知られています。

またイソフラボンには抗酸化作用もあり、老化を引き起こす活性酸素も取り除いてくれます。(※8)

イソフラボンは、サプリメントなどの濃縮物から摂った場合、発がん性などの有害性があることも知られているため(※9)、豆乳のような自然な食品から摂りたいものです。

シェントウジャンはダイエット向き?

シェントウジャンはダイエット中の朝ご飯だけでなく、夜食としてもおすすめできます。

ダイエットにおすすめの理由のひとつ目は、朝ご飯を食べることでカラダのエネルギー消費のスイッチを入れてくれるからです。また朝ご飯を食べていない人は、食べている人に比べ、5倍も太りやすいということもわかっています。(※10)

ダイエット中の方で朝ご飯を食べる習慣がない方は、まずはシェントウジャンのような食べやすいものから始めてみましょう。朝ご飯に慣れてきたら、シェントウジャンだけでは糖質が不足してしまうので、パンやおにぎりなども一緒に食べるのをおすすめします。

ダイエットにおすすめの理由のふたつ目は、なんといってもカロリーがおさえられているところ。

例えば夜食を食べたくなったとき、お菓子や麺類などついつい食べてしまうと、あっという間にカロリーオーバーしてしまいます。そんなときはシェントウジャンを夜食にすると、1食100kcal程度におさえられます。

豆乳さえあればすぐに作れますし、消化にもやさしいのもうれしいポイントです。

シェントウジャンの作り方

シェントウジャン文中画像

基本の作り方

<材料>1人分(175kcal)
・無調整豆乳…200ml
・酢…小さじ2
・薄口しょうゆ…小さじ1
・塩…少々

トッピング
・油揚げ…1/2枚
・桜えび…スプーン1杯
・ザーサイ…スプーン1杯
・青ネギ…少々
・ラー油…お好みで少々

<作り方>
①ザーサイは刻み、青ネギは小口切りにする。
②油揚げは半分にカットして、フライパンかトースターで焼き色をつける。
②器に酢、薄口しょうゆ、塩を入れておく
③豆乳を鍋に入れて温める。沸騰しないように気を付け、周りがふつふつしてきたら火を止める。
④あたためた豆乳を②にそそぐ。かき混ぜずにそのまま2分置く。

シェントウジャン作り方

⑤豆乳が固まったらトッピングを飾る。

<コツ>
豆乳は電子レンジで加熱してもOK。温めが足りないとうまく固まりませんが、沸騰すると豆乳が分離してしまうため気を付けてください。

簡単に作れて栄養もとれるシェントウジャン。忙しい朝にも食べやすい朝ご飯です。一度作ってみて、ふわとろ食感を味わってみませんか?

 

【参考・参照】
(※1)「統合医療」情報発信サイト 鉄<https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/07.html>(最終閲覧日:2020/06/15)
(※2)厚生労働省 eヘルスネット 鉄<https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-022.html>(最終閲覧日:2020/06/15)
(※3)厚生労働省 令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要<https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf>(最終閲覧日:2020/01/06)
(※4)厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020年版<https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html>(最終閲覧日:2020/06/15)
(※5)厚生労働省 eヘルスネット カリウム<https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html>(最終閲覧日:2020/06/15)
(※6)厚生労働省 eヘルスネット 骨粗鬆症<https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-043.html>(最終閲覧日:2020/06/15)
(※7)産婦人科診療ガイドライン ―婦人科外来編2017<https://minds.jcqhc.or.jp/docs/minds/Gynecological-practice/Gynecological-practice.pdf>(最終閲覧日:2020/06/15)
(※8)厚生労働省 eヘルスネット 抗酸化物質<https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-009.html>(最終閲覧日:2020/06/15)
(※9)「健康食品」の安全性・有効性情報<https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail3633.html>(最終閲覧日:2020/06/15)
(※10)Ma, Yunsheng, et al. “Association between eating patterns and obesity in a free-living US adult population.” American journal of epidemiology 158.1 (2003): 85-92.
文部科学省 食品成分データベース <https://fooddb.mext.go.jp/>(最終閲覧日:2020/06/15)

【執筆者】
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。

広田 千尋

管理栄養士
広田 千尋

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