頼りすぎてない?エナジードリンクを飲むときに気を付けること
コンビニやドラッグストアで良く見かけるようになったエナジードリンクですが、一度は飲んだことがある方も多いのではないでしょうか。ここ数年で売り上げが伸びている飲料で、特に男性や若年層に人気があるようです。疲れているとき、リフレッシュしたいとき、気合いを入れたいとき…など、エナジードリンクを飲む場面は様々なようです。今回はエナジードリンクの栄養、飲むときの注意点や、おすすめのリフレッシュ法について、あすけん栄養士が解説します。
エナジードリンクとは?
エナジードリンクとは、法律などでの明確な定義・基準はなく、カフェインやアミノ酸、ビタミンなどの成分が入った炭酸飲料を称すことが多いとされています。(※1) 清涼飲料水ですので、栄養ドリンクなどと違い、「疲労回復」「滋養強壮」などの効果効能を表示することはできません。商品名として「エナジードリンク」「エナジー飲料」などと表示されています。
エナジードリンクの一般的な成分と効果
カフェイン
カフェインには適量摂ることで眠気を覚ます効果があることなどが知られています。
エナジードリンクは製品によってカフェイン濃度が異なりますが、コーヒーよりカフェインが多いものがあるため注意が必要です。
アミノ酸
主流のエネジードリンクにはアミノ酸の一種であるアルギニンが配合されているものが多いようです。アルギニンは成長ホルモンの分泌促進、免疫機能の向上、脂肪代謝の促進など、生体内で種々の機能に関与しています。
ビタミン
ビタミンB群が配合されているものが多く、製品によりビタミンBの種類や量に違いがあるようです。ビタミンB群はエネルギー代謝に関わるビタミンで、種類により糖質、タンパク質、脂質などの代謝に必要となります。
糖質
人工甘味料が使われているものもありますが、多くはブドウ糖が添加されています。ブドウ糖は吸収が速くエネルギー源になりやすく、また脳の唯一のエネルギー源として利用されます。ただし、下の注意点の通り、摂りすぎにはくれぐれも注意が必要です。
飲むときに気を付けたいこと
カフェインの過剰摂取
カフェインを過剰に摂取した場合には、中枢神経系の刺激によるめまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気等の健康被害をもたらすことがあるとされています。農林水産省(※2)や、厚生労働省(※3)のホームページでは、カフェインを添加した清涼飲料水を飲みすぎないよう注意喚起されています。
エナジードリンクなどは、子供、妊婦、授乳中の方、カフェインに敏感な方などは飲用を控えることや、他にもカフェインの入った食べ物や飲み物などを併せてとらないようにしたり、1日に何本も飲んだりしないように注意しましょう。
⇒一日にどのくらいまでOK?自分にあったカフェインの適量をチェック!
糖質の摂りすぎ
エナジードリンクに含まれる炭水化物の量は100mlあたり11~14g前後で、1本あたりにするとティースプーン4杯程の砂糖を摂ることになります。
ダイエットに不向きなのはもちろん、糖の摂りすぎにより血糖値が急激に上昇し、その後急激に下がることで眠気、集中力の低下、いらいらなどが起こりやすくなることが知られています。エナジードリンクで一時的にパワーをもらっても、その後のパフォーマンスに響いてしまうかもしれません。
エナジードリンクに頼らないリフレッシュ方法
エナジードリンクは「飲むだけ」という手軽さはありますが、できれば頼らなくても大丈夫な習慣を身につけたいものです。
1日3食バランスよく食べることはもちろん、疲労回復に良いと言われるクエン酸やビタミンB1の摂取も心掛けましょう。
また、日ごろから十分な休息をとり疲れをためないように気を付けることや、軽い運動やストレッチを行うことでリフレッシュ効果が期待できるため、カラダを動かすことを習慣にしてみましょう。
エナジードリンクに頼らないといけないほど疲れているのは、カラダが休息を求めているサインでもあります。忙しい毎日でも、自分のカラダの声に耳を傾け、カラダを労わってあげてくださいね。
【参考・参照】
(※1)一般社団法人全国清涼飲料連合会 清涼飲料水Q&A<http://www.j-sda.or.jp/sp/qa_view.php?id=129&cat=3>(最終閲覧日:2019/09/24)
(※2)農林水産省 カフェインの摂取について<http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html>(最終閲覧日:2019/09/24)
(※3)食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~<https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html>(最終閲覧日:2019/09/24)
【執筆者】
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当
管理栄養士
広田 千尋