冬瓜|野菜
冬瓜(とうがん)は、「冬の瓜」と書きますが、6月頃~9月頃の夏が旬の野菜です。夏頃に収穫され、冬頃まで保存ができることからその名が付いたと言われています。水分量が多く、古くからカラダを冷ます作用があるとされていることから、夏に食べたい野菜の一つです。
栄養成分と効果
カリウム
カリウムには、ナトリウムによる血圧上昇を抑制したり、細胞の浸透圧を調整することで体内の水分のバランスを調整する働きや、ナトリウムと相互に作用して筋肉の動きを正常に保つ働きがあります。
ビタミンC
美肌に欠かせないコラーゲンの生成を促す働きや活性酸素を除去する抗酸化作用があります。さらに、ストレスを感じた際に抵抗してくれる抗ストレスホルモンの生成にも欠かせない栄養素です。
食物繊維
食物繊維には「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類があり、理想のバランスは、2:1とされています。冬瓜には、不溶性・水溶性食物繊維がバランスよく含まれているため、便秘改善に効果が期待できます。
⇒水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の違いとは
葉酸
「造血のビタミン」とも言われ、ビタミンB12とともに正常な赤血球をつくるために働き、貧血予防に役立ちます。また、遺伝物質のDNA・RNAを構成する核酸やタンパク質の合成に関わっていて、細胞分裂が活発な赤ちゃんには特に重要なビタミンです。
⇒女性に必須の栄養素「葉酸」のカシコイ摂り方
モリブデン
体内で代謝をスムーズに行うための補酵素として、糖質・脂質の代謝や尿酸の生成をサポートしています。また、カラダの中で鉄を使いやすくしてくれるので、貧血の予防が期待できます。
おすすめの食べ方
水分たっぷりで、さっぱりとした味の冬瓜。ずっしりと重みがあり、皮全体に白い粉を吹いているものが食べ頃です。カットされているものは、果肉は白くみずみずしく、種がしっかり詰まっているものを選びましょう。
■サラダや浅漬けに
冬瓜に含まれるビタミンCや葉酸は、熱に弱く、水に溶けやすい性質があるため、生で食べるのがおすすめです。皮をむいて、種とわたをとり、スライスした冬瓜に塩と昆布で味付けして、しばらく置けば浅漬けの出来上がりです。種とわたの部分は、スプーンでくり抜くと簡単にとり除くことができます。
■スープに入れて
カリウムも同じく、調理で栄養素が煮汁に溶け出しやすい性質があります。効率よく摂るには、冬瓜をスープに入れて煮汁ごといただきましょう。適当な大きさに切った鶏肉・じゃがいも・にんじん・玉ねぎと一緒に煮れば、冬瓜と鶏肉の野菜スープの出来上がりです。トマトや少量の塩・ローリエで味付けすれば、食材そのものの味が楽しめます。冬瓜の皮は、ピーラーで薄く剥くことで煮崩れしにくくなります。
むくみ予防や美肌効果とうれしい作用が期待できる冬瓜。食べ過ぎは、カラダを冷やすと言われているので、冷え性の方は摂り過ぎに気をつけましょう。
▼カロリー計算▼
⇒冬瓜のカロリー・栄養素はこちら
仕事に没頭しすぎたことで体調を崩したことをきっかけに、健康的なカラダが仕事の質を良くするという思いを胸に約6年勤めた会社を退社し、栄養士の資格を取得。
その後、JICA青年海外協力隊として2年間、中米グアテマラで現地の栄養教育を経験。
現在は、病院で食事・栄養管理に関わる仕事と子育てをしながら、あすけん栄養士としてコラムの執筆やオンライン栄養カウンセリングを担当。
栄養士
保延 弘美