すだち|果物
松茸の土瓶蒸しや焼き魚に添えて素材のおいしさを引き出してくれる「すだち」。香りが良く、酸味が強いのが特徴です。すだちはかぼすとよく似てますが、すだちは徳島県の特産品で大きさが30~40gと小ぶりで、かぼすは大分県の特産品で大きさが100~150gと大きめです。そこで、すだちの栄養とその効果、おいしい食べ方についてあすけん栄養士がご紹介します。
すだちの栄養成分と効果
ビタミンC
すだちにはレモンと同程度のビタミンCが含まれています。
美肌作りには欠かせないコラーゲンの合成を助ける働きがあります。さらに、ストレスを感じた時に抵抗する抗ストレスホルモンの合成を助けたり、免疫力を高める働きもあるので、毎日欠かさずにとり入れたい栄養素の一つです。
⇒ストレスを感じやすい方に!ビタミンCを効率良く摂るコツ
クエン酸
柑橘類に含まれる有機酸で、酸味の成分になります。この酸味が、食欲を増進させる効果があります。
また、食事からとり入れた炭水化物・タンパク質・脂質などの栄養素が代謝される時にエネルギーが作り出される過程をクエン酸回路といいますが、この過程でクエン酸が必要となります。 人が活動する上で欠かせないエネルギーを効率良く産生するためにも、クエン酸をしっかりととり入れることが大切です。
⇒食欲がない時に!料理でできる食欲アップ術
リモネン
オレンジやレモンなどの柑橘類の皮に含まれている香り成分です。リモネンの甘酸っぱい香りにはリラックス効果や食欲を増進させる効果があるといわれています。
スダチチン
スダチチンとはすだちの果皮に含まれるポリフェノールの一種です。
徳島県立工業技術センターの研究によると、マウスの実験で高脂肪食のマウスにスダチチンを与えると糖質・脂質代謝が改善されることがわかりました。(※)すだちは果汁を使うことがメインですが、果皮の活用にも期待したいですね。
すだちのおいしい食べ方
すだちを購入する時は、果皮が濃い緑色をしていて持った時に重みのあるものを選ぶようにしましょう。保存する時は、ラップでくるんだり、ポリ袋に入れるなどして乾燥させないように気をつけましょう。
松茸の土瓶蒸しや焼き魚にすだちのしぼり汁をかけて食べるのは有名ですが、他にもうどんやそうめんなどの麺類にすだちの輪切りをのせて食べるとさっぱりと食べられます。また、すだちの果汁に砂糖またははちみつ、炭酸水を混ぜてさわやかなドリンクにしてもおすすめです。
おすすめレシピ
■エリンギの網焼き
高価な松茸を普段の食事にとり入れるのは難しいですが、エリンギなら手軽に食べられますね。
簡単でシンプルな料理ですが、エリンギの食感とすだちの風味を感じられる一品です。
すだちは露地栽培のものは8月下旬から10月頃に旬を迎え、ハウス栽培のものは春から夏にかけて収穫されています。
色々な食材と一緒にすだちの風味を楽しんでみてくださいね。
▼カロリー計算▼
⇒すだち(果汁)のカロリー・栄養素はこちら
【参考・参照】
(※)徳島県立工業技術センター スダチ果皮ポリフェノール(スダチチン)の抗糖尿病作用
〈http://www.itc.pref.tokushima.jp/06_result/result_25/h25_02nii.pdf〉(最終閲覧日:2017/8/11)
特定保健指導を中心に年間600人の個別面談や集団面談を実施し
その後、スポーツ栄養指導やセミナー講師、女性美容・健康雑誌へ
現在はあすけん栄養士としてコラム執筆やオンラインカウンセリン
管理栄養士
森延 陽子