あんず|果物
アプリコットとしても知られるあんず。生でも食べられますが、酸味が強いのでジャムやドライフルーツ、お菓子の香りづけなどでも使われます。むくみ予防をサポートするカリウムや便秘改善に役立つ食物繊維などカラダにうれしい栄養素がたくさん。そこで、あんずの栄養成分と効果、おいしい食べ方についてご紹介します。
栄養成分と効果
カリウム
体内の水分バランスを調整する、ナトリウムの尿中への排泄を促す、筋肉の動きを正常に保つ働きがあります。カリウムは水に溶けやすいですが、あんずは生で食べられるので、カリウムを無駄なく摂ることができます。
ビタミンA(β-カロテン)
皮膚や粘膜を健康に保つ、視力の維持、老化の原因となる活性酸素を除去する働きがあるとされています。ビタミンAは熱に強いので、あんずを加工したジャムなどからもしっかり摂ることができます。
β-クリプトキサンチン
カロテノイドの一種β-クリプトキサンチンは、抗酸化作用が強く活性酸素からカラダを守る働きがあるため、動脈硬化の予防・老化防止・がんの発生にも効果があると言われています。(※1)
ビタミンE
「若返りのビタミン」と言われるビタミンEには、強い抗酸化作用があり、アンチエイジング効果が期待できます。
クエン酸
あんずの酸味成分クエン酸には、疲労回復や血流を改善する効果があると言われています。また、酸味による食欲増進効果も期待できます。
あんずのおいしい食べ方
皮に張りがあり、ふっくらと丸く、全体が濃いだいだい色で、しっかりと香りが感じられるものを選びましょう。
あんずの旬は、6月下旬から7月中旬です。生のあんずは日持ちがしないので、なるべく早く食べるか、袋に入れて冷蔵庫に保存しましょう。日持ちさせたい場合は、ピュレやコンポートにしたり、ドライフルーツを選ぶと良いですね。
■むくみ解消~パンのトッピングとして~
刻んだあんずを、クリームチーズを塗った玄米やライ麦のパンにトッピングしてみましょう。あんずは、むくみ予防に役立つカリウムが豊富に含まれます。さらに、チーズにはタンパク質が、玄米やライ麦のパンには不足が続くとむくみの原因となるビタミンB1が豊富に含まれます。これらを一緒に摂れば、むくみ解消が期待できます。
⇒栄養士がアドバイス!むくみ対策におすすめの食材
■美肌サポート~ドレッシングとして~
あんずをピュレ状にしたものに、レモン汁・塩・こしょう・オリーブオイルをお好みで加えます。砂糖を使用していない市販のジャムを活用してもよいでしょう。
あんずには、皮膚を健康に保つ働きのあるビタミンAとアンチエイジング効果が期待できるビタミンEが多く含まれます。これに、コラーゲンの生成に必要なビタミンCを豊富に含むレモンをプラスすることで、ビタミンA・C・Eの作用が高まり美肌効果が期待できます。
⇒美肌にも効果あり!海外で話題のパワーサラダのとり入れ方
あんずの種はイタリアのリキュール・アマレットとして親しまれ、種の更に中にある仁(じん)は杏仁豆腐の香りづけとして使われています。仁は、薬用の咳止めとして用いられることがありますが、過剰摂取には注意が必要なので必ず医師の指導のもとに使用しましょう。(※2)
▼カロリー計算▼
⇒あんずのカロリー・栄養素はこちら
【参考・参照】
(※1)厚生労働省 eヘルスネット
〈https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-007.html〉(最終閲覧日2018/6/20)
(※2) 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報
〈http://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail678.html〉(最終閲覧日:2018/6/20)
仕事に没頭しすぎたことで体調を崩したことをきっかけに、健康的なカラダが仕事の質を良くするという思いを胸に約6年勤めた会社を退社し、栄養士の資格を取得。
その後、JICA青年海外協力隊として2年間、中米グアテマラで現地の栄養教育を経験。
現在は、病院で食事・栄養管理に関わる仕事と子育てをしながら、あすけん栄養士としてコラムの執筆やオンライン栄養カウンセリングを担当。
栄養士
保延 弘美