PFCバランスって結局、何をどれだけ食べればいいの?

健康的なカラダつくりには、食事のバランスが大切です。でも、何をどれだけ食べればよいかわからないと思うことはありませんか?そこで今回は、「PFCバランス」を使って、バランスよく食べる食事のポイントをご紹介します。

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PFCバランスとは

PFCバランスとは、1日に食べた食事のカロリーに対して、カロリー(エネルギー)を生み出す栄養素であるProtein(たんぱく質)、Fat(脂質)、Carbohydrate(炭水化物)が、それぞれ総カロリーに対して何パーセントを占めるか表したものです。これには、栄養不足にならないため、生活習慣病などの病気を防ぐために理想的なバランスがあり、たんぱく質が13~20%、脂質が20~30%、炭水化物65%とされています。(※1)

PFCバランスは計算が必要なの?

たんぱく質、脂質、炭水化物にはカロリーがあり、それぞれ1g当たり、4kcal、9kcal、4kcalとなりますが、日常生活で毎回PFCバランスを計算するのは大変です。そこでまずは、お皿を見たときに、主菜(たんぱく質・脂質)、主食(炭水化物)が、それぞれ理想的なPFCバランスの割合(量)におおよそなっているかを意識してみましょう。

PFCバランスは食事の「質」も大切

PFCバランスを整えることは大切ですが、さらに気をつけたいのは、たんぱく質、脂質、炭水化物の「質」です。つまり、バランスばかり気にしても、脂身の多いお肉、糖質と脂質が多い甘いお菓子ばかりの食事を続けていると、生活習慣病やその重症化につながる可能性があるといわれているからです。そこで、気をつけたい食事のポイントは次の3つです。

自分に合ったたんぱく質の量を摂る

適切なたんぱく質の量は人によって違います。1日に必要なたんぱく質の目安は、「1g×標準体重」とされています。例えば、標準体重(※)が56.3kgなら、1日に56.3gのたんぱく質の摂取が目安になります。1食では20g弱なので、例えば朝食メニューであれば、ゆで1個5.7g+ウインナー1本12.1g+牛乳1杯6.6gで、目安のたんぱく質量をとることができます。

(※)標準体重の計算方法は、身長が160cmの場合、1.6(m)×1.6(m)×22=56.3(kg)となります。

脂質は「不飽和脂肪酸」を積極的に摂る

肉やお菓子、乳製品には飽和脂肪酸が含まれます。摂り過ぎは生活習慣病の原因にもなるとされています。そこで、飽和脂肪酸を控えて低脂肪の乳製品を選ぶ、もしくは不飽和脂肪酸が含まれる魚さばさんまいわし・あじなど)を積極的に食事にとり入れてみましょう。

菓子パンやアルコールでの糖質(炭水化物)摂取を控える

食事や間食で菓子パンを食べるという方は多いのではないでしょうか。一般的に、菓子パンには糖質が多く含まれます。食パンやバゲットなどシンプルなパンを選ぶのが理想的です。
また、アルコールを主食代わりにするという方はいませんか?お酒を主食にすると、飲み過ぎや肝臓に負担がかかる心配があります。お酒は、主食(炭水化物)がある食事と一緒に楽しむのがカラダにとってよいでしょう。
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PFCは、バランスだけ整えばよいかと言えばそうではなく、食事の質も気をつけるというポイントがあります。「PFCバランス」を意識して、バランスよく食べ、健康的なカラダつくりを目指しましょう。

 

【参考・参照】
厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020年版「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書 〈https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf〉(最終閲覧日:2023/4/26)
(※1) 18歳~50歳未満の男女の場合

【執筆者】
仕事に没頭しすぎたことで体調を崩したことをきっかけに、健康的なカラダが仕事の質を良くするという思いを胸に約6年勤めた会社を退社し、栄養士の資格を取得。その後、JICA青年海外協力隊として2年間、中米グアテマラで現地の栄養教育を経験。現在は、病院で食事・栄養管理に関わる仕事と子育てをしながら、あすけん栄養士としてコラムの執筆やオンライン栄養カウンセリングを担当。

保延 弘美

栄養士
保延 弘美

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