ポイントは野菜・果物・主菜!「食事バランスガイド」で健康的にダイエット

体重が減れば、どんなダイエット法でもいいと思っていませんか?でも、食べ方や栄養が偏ったダイエットはNG。正しく健康的に痩せるには、摂取エネルギーと栄養バランスの両方が整う食事が不可欠です。
発表された「食事バランスガイド」を追跡調査した論文(※1)によると、正しい食事法に基づいたダイエットが重大な病気の予防にもつながることが分かってきました。そこで、一石二鳥で健康的なダイエット法について栄養士が解説します。
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健やかなボディづくりは正しい食事から!

「食事バランスガイド」(※2)をご存知でしょうか?

  • 主食(ごはん・パン・麺類)
  • 副菜(野菜・きのこ・芋など)
  • 主菜(肉・魚・大豆など)
  • 牛乳・乳製品
  • 果物

これらを一日にどれだけ食べるとバランスがよいかを示す指針で、厚生労働省と農林水産省が策定したものです。この指針に15年間追跡調査した日本の中高年者約8万人の食事を当てはめて点数化したところ、驚きの結果が得られました。

研究内容としては、主食・副菜・主菜・牛乳・乳製品・果物・総エネルギー・菓子・嗜好飲料由来エネルギーの摂取量を各10点とし、70点満点として算出。
その結果、高得点だった群は、最も点数の低い群に比べて、脳卒中や心臓病といった循環器系の病気のリスクが23%減少し、がんなどを含めた死亡の割合も15%減少していることがわかったのです。中でも、副菜と果物をしっかりととっている群で、疾病リスクの低下が顕著に認められています。

栄養士が伝授!食事バランスガイドに基づいたダイエットとは

食事バランスガイドでは、1日の食事をコマに見立て、お菓子アルコールなどの嗜好品をコマを回すヒモとして考えます。
食事と間食のバランスがとれていると、コマがよく回るというわけです。ちょっと難しそうな気もしますが、4つのポイントを意識することで健康的なダイエットができます。

1.食事を記録して食べたものを見直す(レコーディングダイエット)

なんとなく食事や間食をとっていると、食べ過ぎや食事の偏りに気づきにくくなってしまいます。ですが、毎日食べたものを記録することで、お菓子やお酒などのとり過ぎや、こってりしたメニューばかり選んでしまうといった自分の「食べグセ」が発見できます。
食べた食事を振り返り、同じ調理法や素材のものを食べ続けないことがバランスをよくする秘訣です。
栄養士が解説!レコーディングダイエット法

2.一汁三菜を目指す

ご飯・汁もの・肉や魚を使ったメインの料理・野菜や海藻を使った小鉢2品の定食スタイルが健康的な一汁三菜のイメージ。パスタや丼ものといった一品ものを選ぶより、ぐっとバランスがよくなります。パスタなどの単品メニューを選ぶときには、サラダやスープなどの副菜を組み合わせるとバランスがよくなります。

3.野菜を肉類の2~3倍とるようにする

病気のリスクが低下した人に共通していたのは、野菜を十分にとっていること。肉や魚に対し、野菜を2~3倍食べるように意識すると外食時も簡単にバランスが整います。
焼き肉だったら、肉に野菜を巻いて食べ、焼き野菜やサラダもオーダーするといったイメージで実践してみましょう。野菜を多く食べると、自然とカロリーも抑えられ、便秘解消に効果的な食物繊維もとることができます。
知って得する!野菜の色が持つ健康パワー

4.アルコール・お菓子などの嗜好品は適量を守る

アルコールやお菓子は1日200kcalまでが適正ですが、ダイエット中なら150kcalまでに抑えるようにしましょう。
栄養士が伝授!お菓子との上手な付き合い方

 

研究結果を知ると、「自分の普段の食事は、どれくらい食事バランスガイドのコマを満たせているんだろう?」と気になりますよね。あすけんに食事や体重を記録すると、自分の食事が食事バランスガイドのそれぞれをどれくらい満たせているかや、食事バランスに基づいた栄養士のアドバイスを見ることができます

ゆっくり痩せたい人や、がんばって早めに結果を出したい人など、さまざまなニーズに合わせたダイエットプランを作ることもできますよ。あすけんで手軽に健康的なダイエットをしてみませんか?

 

【参考】
(※1) 国立がん研究センター 食事バランスガイド遵守と死亡との関連について
〈http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3788.html〉(最終閲覧日:2017/8/3)
(※2) 厚生労働省 e-ヘルスネット 食事バランスガイド(実践・応用編)
〈https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-008.html〉(最終閲覧日:2017/8/3)

【執筆者】
コントラクトフードサービス大手(株)グリーンハウスに入社、社員食堂のメニュー提案や栄養指導業務を経て、2009年「あすけん」に参加。アドバイス作成やサービス開発に携わる傍ら、年間150件以上の栄養指導やプロアスリート選手の食事サポート、セミナーなどを実施。現在はフリーランスに転向し、幅広く活躍。

衞藤敬子

管理栄養士
衞藤敬子

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