はっさく|果物
果汁が少な目で、実がプリプリとしている「はっさく」。はっさく(八朔)とは、旧暦8月1日を意味しますが、実際そのころの果実はまだ出荷できる大きさではなく、食べるには早いようです。実際は12月中旬から収穫され、追熟のため貯蔵庫に入れておくと、私達が普段食べている適度な甘さとほのかな苦みが特徴のはっさくになり、スーパーなどには1月ごろから出回り始めます。今回は、はっさくの栄養とその効果、おいしい食べ方についてあすけん栄養士がご紹介します。
栄養成分と効果
ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンをつくるために必要な栄養素です。他にも皮膚や粘膜の健康維持を助け、抗酸化作用があります。また、ビタミンCが不足すると、倦怠感や疲労感を感じやすくなります。私たちは体内でビタミンCを作ることができないため、食べ物などから摂る必要があります。国民健康・栄養調査によると、ビタミンCの1日の平均摂取量は、国が勧める量に6.5㎎ほど足りていません。はっさくを25g食べると不足分を補うことができるので、食後や間食に食べるといいですね。
アスパラギン酸
アスパラガスから発見された成分のアスパラギン酸は、アミノ酸の一種です。体内の窒素代謝やエネルギー代謝・クエン酸回路に関わっており、スタミナ増強や、疲労回復の効果が期待されます。
はっさくのおいしい食べ方
はっさくの皮は硬く、手ではむきにくいです。ヘタの逆の方を包丁などで切り込みを入れるとむきやすくなります。最近は、はっさくなどの皮が硬い柑橘類を簡単に上手にむくための皮むき器が市販されているので、使ってみるのもおすすめです。
はっさくサラダ
お好きな野菜(キャベツやレタス、水菜)のサラダに皮をむいたはっさくを入れるだけで、少し苦みのあるさっぱりとしたサラダになります。そこに蒸し鶏や生ハム、ホタテなどを入れてもおいしいです。また、酢、オリーブオイルなどの油、塩などとはっさくの果汁で手作りドレッシングもおすすめです。はっさくに含まれるビタミンCは熱に弱く、水にも流れ出てしまうため、サラダにすると効率よくビタミンCを摂ることができます。
はっさくジャム
はっさくの皮と薄皮をむいた実を使います。皮は細切りにし、1~2回茹でてください。茹でた皮・ほぐした実と砂糖・水を弱火でじっくり煮詰めます。ビタミンCは熱に弱いですが、はっさくの皮にはビタミンPが含まれており、ビタミンCを安定させる効果があります。そのまま皮を食べるのは苦いですが、ジャムにすることでおいしく食べることができます。
そのまま食べてもおいしいはっさく。少し苦いと感じる方は砂糖やはちみつなどに浸けると食べやすくなります。お菓子作りなどに使うと苦みのある大人の味になり美味しいです。スーパーに1月~4月くらいの期間しか出回らない果物ですので、見かけたらぜひ食べてみてはいかがでしょうか。
▼カロリー計算▼
⇒はっさくのカロリー・栄養価はこちら
<参考・参照>
食品成分データベース〈https://fooddb.mext.go.jp/〉
令和元年国民健康・栄養調査〈https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/r1-houkoku_00002.html〉(最終閲覧日2024/03/13)
【執筆者】
大学で栄養学を学び栄養士の資格を取得。在学中は、経産婦の体型意識を調査し、健康的な体型と理想的な体型の差を研究した。3人の子どもを産み、自身の体型や食事が子どもに与える影響から、食事の重要性を再確認し、食を通じて多くの人の健康やダイエットのサポートしたいと考え、現在はあすけんコラム執筆の他、栄養価計算やメニューデータの整備などを行う。
栄養士
井﨑 夏紀