オーツミルク|その他

オーツ麦を原料として作られるオーツミルクは、牛乳の代替えとして用いられることがあるほか、さまざまな栄養素を摂れるとして注目を集めています。今回は、オーツミルクの栄養と期待される効果について解説します。

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オーツミルクとは?

オーツミルクとはオーツ麦を原料として作られる植物性の飲料です。原料となるオーツ麦は、オートミールやグラノーラなどとして食べられる穀類で、食物繊維カルシウムなどを補給できます。

オーツミルクもオーツ麦のように栄養豊富なイメージがあるかもしれません。ですが実は、オーツミルクにはオーツ麦がもつ栄養素とあわせて、さまざまな栄養素が添加されていることが多いのです。製品により添加されている栄養素の種類や量が違い、中には添加されていない製品もあるなど、さまざまです。

どのような栄養素が含まれ、添加されているのか、続いて解説します。

オーツミルクの栄養と期待される効果

オーツミルクは日本食品標準成分表に栄養成分値の記載がなく、オーツミルク自体の平均的な栄養成分値はわかっていません

あすけん調べでは、オーツミルク(糖類無添加)100gあたりのエネルギーは33kcal、タンパク質1.7g、脂質0.6g、炭水化物5.9gです。

牛乳は100gあたり61kcal、タンパク質は3.3g、脂質3.8g、炭水化物4.8gなので、牛乳よりタンパク質は少ないですが、エネルギーや脂質のカットに役立ちます。

オーツミルクに含まれる栄養素は、以下に紹介する栄養素が添加されている場合が多いのですが、製品によっては含まれていない場合があります。含まれているかどうかは、原材料名や栄養成分値を確認しましょう。

カルシウム

カルシウムは骨の健康づくりに欠かせない栄養素です。不足することで骨粗鬆症の原因となることが知られています。

オーツ麦100gあたりのカルシウムは47mgほどのため、牛乳(100gあたりカルシウム110mg)に比べると少ない量です。オーツミルクを牛乳の代わりに取り入れたい方は、カルシウムが添加されているものを選ぶとよいでしょう。

ビタミンD

ビタミンDカルシウムの吸収を助ける働きがあり、カルシウムと同様に骨の健康には欠かせません。

ビタミンDはきのこ類や鮭などに含まれますが、オーツミルクに添加されていることで、カルシウムと同時に摂取することができ、効率的といえます。

ビタミンB12

ビタミンB12は不足すると貧血や神経障害の原因となる栄養素です。

ビタミンB12は主に動物性食品に含まれるため、菜食主義の方は不足する恐れがあります。菜食主義の方がオーツミルクを取り入れる場合、ビタミンB12が添加されたオーツミルクを選ぶようにすると、不足の心配を減らせます。

食物繊維

食物繊維は腸内環境を整え、便秘の予防に欠かせません。また食後の血糖値の急激な上昇を抑えたり、血中コレステロール値を下げたりするなどの健康づくりにも役立ちます。

食物繊維は野菜、果物、穀類などから補給したいものではありますが、このような飲料で手軽に補給できるのはうれしいですね。

オーツミルクの取り入れ方

オーツミルクを牛乳の代替えとして取り入れる場合、カルシウムが不足してしまう恐れがあります。カルシウムが添加されているものを選ぶか、ほかの食品でカルシウムを十分に補給できるよう工夫しましょう。

オーツミルクはクセが少ないので、そのまま飲むのはもちろん、コーヒーや紅茶に入れてもよいでしょう。糖類を添加していないものでも、オーツ麦そのもののやさしい甘さを味わえますよ。

ほかにも料理や製菓にも活用でき、牛乳と同じようにさまざまなアレンジが可能です。

牛乳に比べるとヘルシーで、さまざまな栄養素も補給できるオーツミルク。健康づくりに役立つだけでなく、飲んでみるとやさしい味わいに驚くはず。ぜひ一度手に取ってみてくださいね。

 

【参考・参照】
文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)

【執筆者】
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。

広田 千尋

管理栄養士
広田 千尋

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