オートミール|穀類

オートミールとは、オーツ麦(えん麦)を食べやすく加工した全粒穀物のことです。聞いたことはあるけど、食べたことはない・・・という方も多いのではないでしょうか。

オートミールはお湯や牛乳で煮ることでお粥状になり、欧州や米国などの海外では朝食としてなじみのある食べ物です。オートミールは外皮を残したまま加工されるので、皮の部分に含まれる栄養を丸ごと摂ることができる、栄養価の高い食べ物です。今回はオートミールの魅力についてご紹介します。

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オートミールの栄養と効能

オートミールはダイエット食や健康食品としてとして注目を浴びるようになってきています。日本食で言うと玄米のようなイメージなのですが、1食あたりの量(※)で比較してみると、オートミールは玄米よりもタンパク質・食物繊維・鉄・カルシウム・ビオチンが多く含まれており、カロリーは低いです。糖質は玄米の約半分というところは魅力的ですね。ご飯の代わりに置き換えても良さそうです。(※玄米めし120g、オートミール40gの場合)

【オートミール(1食40gあたり)】の栄養

食物繊維

40gあたりの食物繊維が3.8gと豊富なのですが、そのうち約3分の1が水溶性食物繊維です。水溶性食物繊維は糖質の吸収をゆるやかにし、血糖の急激な上昇を抑える働きがあります。急激に血糖値が上がると、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが多く分泌され、脂肪合成の働きを高め、脂肪がつきやすくなってしまいます。オートミールは糖質と一緒に水溶性食物繊維を摂ることができるので、これもダイエットにうれしいポイントのひとつです。

鉄分

は、全身に酸素を運ぶヘモグロビンの材料として不可欠な栄養素です。貧血を予防したり、疲労の回復を助けたりする働きがあります。女性は生理や妊娠があるため男性より推奨量が多く、意識して摂りたい栄養素です。不足しがちな栄養素を主食と一緒に摂ることができるのは魅力的ですね。

カルシウム

ご存知の通り、健康な骨や歯をキープするために必要不可欠な栄養素。その他にも正常な神経伝達や筋肉を動かす際にも必要です。日本人は不足しがちな栄養素でもあるので、牛乳や、ヨーグルトなどの乳製品をプラスすることで手軽にとり入れることができます。

ビオチン

ビオチンはエネルギー代謝に関わるビタミンB群の一種です。皮膚などの健康を保ちます。

オートミールの取り入れ方

オートミールはお湯や牛乳でふやかして食べます。煮込んでお粥にしたものをポッジと言います。ブラウンシュガーやドライフルーツを加えて甘くして食べますが、塩味で食べる方法もあります。煮込むとドロッとした食感になりますが、種類によってはお湯や牛乳でふやかせるものや、レンジで調理できるものもあり、サラッとした食感を楽しめるものもあります。

メーカーにより、食感や味も異なりますので、お好みの種類や食べ方を探してみてくださいね。

オートミールそのままで抵抗がある方は、「ミューズリー」がおすすめです。ミューズリーとは、オートミールの原料であるオーツ麦を中心とした穀物のほか、ドライフルーツやナッツを加えたもので、牛乳やヨーグルトをかけていただくことが多いです。日本人の持つシリアルのイメージと近く、抵抗なく食べられる方も多いでしょう。

ほかに、「グラノーラ」や「フルーツグラノーラ」もオーツ麦が使われており、栄養価は高いのですが、砂糖やはちみつがたっぷり使われているので注意が必要です。オートミールはスーパーや輸入食品店で手軽に手に入れることができます。栄養たっぷりのオートミールをぜひ楽しんでみてください。

 

【参考・参照】
文部科学省 食品成分データベース<https://fooddb.mext.go.jp/>(最終閲覧日:2020/12/8)

【執筆者】
コントラクトフードサービス大手(株)グリーンハウスに入社、社員食堂のメニュー提案や栄養指導業務を経て、2009年「あすけん」に参加。アドバイス作成やサービス開発に携わる傍ら、年間150件以上の栄養指導やプロアスリート選手の食事サポート、セミナーなどを実施。現在はフリーランスに転向し、幅広く活躍。

衞藤敬子

管理栄養士
衞藤敬子

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