銀杏|種実類
イチョウの木の実である銀杏。秋になるとイチョウの落ち葉に紛れた銀杏を拾っている光景は風物詩とも言えます。茶碗蒸しの具材として入っていたり、お酒のつまみとして食べられることが多く、一粒あるだけでも季節を感じることのできる食材です。
銀杏は、デンプンが主な成分でタンパク質や脂質は少なく、ビタミンC・ビタミンEが多く、カリウムやマグネシウム・銅などのミネラル類も含まれています。ポリフェノールの一種であるフラボノイドや苦味成分のギンコライドといった成分も含まれ、活性酸素除去や血流を良くするとされます。銀杏の栄養成分と効果、美味しい食べ方をご紹介します。
銀杏の栄養成分と効果
ビタミンC
人間の体内では作ることができないため、食物から摂る必要のあるビタミンで、活性酸素を除去する抗酸化作用があります。コラーゲンの生成にも関わるためお肌を美しく保つためには毎日摂り続けたい栄養素です。水に溶けやすく熱にも弱いビタミンCですが、銀杏に含まれるビタミンCは茹でた後でも生の時の含有量と変わりません。(※1)
カリウム
ナトリウムを排出してくれるカリウムは、塩分を摂りすぎた時にしっかり摂ると体内のバランスを整えてくれます。筋肉の収縮やホルモンの分泌にも関わっているので、塩分が多くなりがちな食生活の中では意識して摂りたい栄養素です。カリウムは芋類・野菜や果物に多く含まれ、調理で煮汁に溶け出しやすいミネラルです。汁ごといただくスープや味噌汁などに野菜や芋を入れて食べると良いでしょう。銀杏には1粒3gに17mg含まれています。(※1)
マグネシウム
マグネシウムは主要なミネラルの一つで、骨や筋肉の細胞の中に存在しています。エネルギーを作り出したり、体温の調節や神経伝達、筋肉を動かすことやホルモン分泌にも関わっています。マグネシウムはストレスを受けたり、アルコールやカフェインが入った飲み物を飲んだ時にも消費されるため、マグネシウムを含む精製していない穀類、野菜や種子などを十分摂ると良いでしょう。
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銅
鉄の吸収や貯蔵を助けているほか、酸素を運ぶヘモグロビンを作るのにも欠かせないミネラルです。通常はレバーや魚介類などに多く含まれていますが、銀杏には5粒15gに0.03mg含まれています。(※1)
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フラボノイド
銀杏に含まれるフラボノイドはポリフェノールの一種で、血管の拡張作用や活性酸素除去作用があると言われています。
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ギンコライド
特有の香りや苦味成分で、イチョウの葉にも含まれています。血栓を防ぎ血流をよくするとされているため、動脈硬化や肩こり、冷え性などの改善に効果があるとされます。アレルギーや喘息の改善、老人性痴呆症の治療薬としても利用されている成分です。(※2)
銀杏の美味しい食べ方
殻付きのものと殻をむいてあるものが市販されています。殻付きのものは大きくて色が白く、振ってコロコロと音がしないものが良いでしょう。殻を割って取り出してから炒って塩をまぶして食べたり、串揚げにするのも美味しいです。
中華料理では他の具材とともに炒め物にしたりしていただきます。茶碗蒸しやおこわ、炊き込みご飯の具としていただくと、季節を感じさせる演出ができる食材です。
電子レンジで簡単おつまみ
殻付きの銀杏の殻を割り、殻がついたままの状態で封筒などに入れて電子レンジで1分〜1分半加熱します。小皿に粗塩を薄く敷くように入れた所に熱々の銀杏を乗せれば美味しいおつまみの出来上がりです。お好みで塩をつけながらいただきます。
独特の弾力のある歯ごたえがクセになる銀杏ですが、食べ過ぎにはご注意を。銀杏にはメチルピリドキシン(アルカロイド)という中毒成分が含まれているので、昔から言い伝えでも自分の年齢以上は食べてはいけない、と言われているように食べ過ぎると吐き気や嘔吐などの症状が出ることがあります。特に幼児は解毒能力が低いので、心配な場合は食べさせない方が良いでしょう。
きれいなヒスイ色をした銀杏をいただきながら、秋を感じてみるのはいかがでしょうか。
▼カロリー計算▼
⇒ぎんなん(串)のカロリー・栄養素はこちら
【参考・参照】
(※1) 文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)〈https://fooddb.mext.go.jp〉(最終閲覧日2023/11/15)
(※2) 中嶋洋子監修 改訂新版いちばん詳しくて、わかりやすい!栄養の教科書 (新星出版社) 2015年