下剤が効かない人は要注意!スーパー便秘を防ぐには

日本人の3人に1人が悩んでいて、今や国民病のひとつとなっている便秘。なかでも若い世代にも発症する「スーパー便秘」という重症型のタイプの便秘が問題になっています。この便秘の症状と、原因・対策について解説します。pixta_16911296_S

思い当たったら要注意!スーパー便秘の症状7パターン

いつもの便秘と思っていても、より深刻なスーパー便秘に陥っていることがあります。以下の症状に当てはまったら原因や対策について考える必要があります。

1.強くいきまないと排便できない
2.便を出し切れず、残便感がある
3.1日に何度もトイレに行く
4.トイレに座っている時間が長い
5.手で肛門付近を押して排便する
6.便が硬い
7.下剤が効きにくい
栄養士が解説!症状別で違う5つの便秘対策

スーパー便秘になる原因5つ

便が肛門付近に到達すると、自分の意思とは関係なく肛門を締めている内肛門括約筋が緩み、便意を感じます。このとき、意識的に肛門を締めたり緩めたりできる外肛門括約筋を締めることで便意を我慢することができます。つまり、ふたつの括約筋の働きが便意のコントロールにつながっているというわけです。
ところが、以下の5つなどが原因で内肛門括約筋がうまく緩まなくなると、便秘が引き起こされます

1.便意を我慢する
2.便意がないのに無理に出そうとする
3.不自然ないきみで肛門を締める癖がついている
4.浣腸をしてでも排便する
5.痔を我慢して排便する

さらに、これらが原因となる便秘が長期化した場合、大腸のぜん動や緊張が低下して便の通過時間が長くなり、便意を感じにくいスーパー便秘になる可能性があります。さらに、直腸に便が溜まっている状態が続くと、腸内に憩室(けいしつ)というポケットのようなものができ、そこに便が溜まってしまうことも。

スムーズなお通じを迎えるポイントとは

便意を逃さず正しい姿勢をとる

和式トイレでとるような体勢が理想です。直腸と肛門をまっすぐにすることで、便の排泄がスムーズに。洋式のトイレで排便する際は、かかとを上げて体を前傾姿勢にし、上半身と下半身の角度が45度程度になるような姿勢をとるようにしましょう。便意のないときに無理に排便しようとせず、便意を感じたタイミングを逃さないようにするのがポイントです。

食物繊維を十分に摂る

便秘の改善には、食物繊維を十分に摂取することが大切です。海藻類・こんにゃくなどに豊富に含まれる水溶性食物繊維には、便の水分量を増やし、便を柔らかくする働きがあります。
根菜類・豆類きのこ類に多く含まれる不溶性食物繊維は、便のかさを増やす作用がありますが、摂り過ぎると便秘が悪化することもあるので注意が必要です。水溶性:不溶性=1:2くらいの割合で摂るようにしましょう。

大腸の動きを高める習慣をつける

食べ物が胃に入った刺激で大腸のぜん動が起こり、便を直腸に送り出そうする胃・結腸反射という働きを高めるのも効果的です。簡単な方法は、起床時の空腹の状態でコップ1杯の水を飲むようにすること。大腸のぜん動が活発になり、排便を促してくれます。この胃・結腸反射は朝食後に強く起こります。朝食をきちんと食べることも、スムーズなお通じの鍵となります。
食べないのは損!朝食を食べるべき理由6つ

 

長引く便秘で医師のもとを訪れる患者さんの中には、大腸がんなどが潜んでいることもあるそうです。悩んだときは自己判断せず、専門医を受診してみることも大切です。

 

【参考】
日本消化器病学会 「消化器病診療」医学書院(2014年12ページ)

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