高いほど痩せやすい?食事誘発性熱産生(DIT)とは
食べ物を食べると、カラダがポカポカと温かくなるのを感じませんか?これは食事誘発性熱産生(DIT:Diet Induced Thermogenesis)と呼ばれる消費エネルギーによるものです。DITが高くなると消費エネルギーが増え、ダイエットにも良い成果を生み出しやすくなります。
食事誘発性熱産生(DIT)とは?
ダイエット中に大切なことは、食べ物を摂った時のエネルギーと活動して消費するエネルギーとのバランスです。消費エネルギーには大きく分けて「基礎代謝量」・「活動時代謝量」・「食事誘発性熱産生」の3つがあります。(※1)
- 基礎代謝量:寝ている間も消費され、呼吸や内臓など生命を維持するために必要なエネルギー代謝。
- 活動時代謝量:仕事や家事、歩くなどの日常生活の活動とスポーツで消費するエネルギー。
- 食事誘発性熱産生:食後、食べたものを消化・吸収・運搬するときに消費するエネルギー。
食べ物をゆっくり噛んで消化すると、内臓の活動が活発になり、エネルギーが使われて熱が発生します。
食事誘発性熱産生(DIT)とダイエットの関係
1日のエネルギー消費量の割合は、基礎代謝量:活動時代謝量:食事誘発性熱産生=6:3:1とされています。(※1)
食事誘発性熱産生は食材の栄養素や食事の仕方、食事時間によって、エネルギー消費量が異なります。食事誘発性産生を高めると、エネルギーの消費量が増え、脂肪燃焼効率が上がり、太りにくくなります。
食事誘発性熱産生(DIT)を高める方法
よく噛んで食べる
良く噛んで食べると、交感神経が刺激されて消費エネルギーが増えます。流動食よりも固形物をしっかり噛んで食べることで食事誘発性熱産生(DIT)が高まります。1口30回を目指しましょう。
⇒ダイエット・小顔効果に繋がる!噛んで食べることのメリット
温かいものを食べる
温かいものはカラダが温まって代謝が上がり、脂肪の燃焼が促進されます。体温が低いほど基礎代謝が低く、食べた物のエネルギー代謝が劣り、脂肪を溜めこみやすい体質になります。
体温とダイエットは密接な関係があり、体温が1℃上がると基礎代謝は10%近くアップします。温かい食べ物を選んで、カラダを温めるようにすることで、食事誘発性熱産生アップに繋がります。
タンパク質の摂取量を増やす
食事誘導性熱産生(DIT)による消費エネルギーは栄養素によって異なり、タンパク質のみ摂取した時は30%、糖質のみの時は5~10%、脂質のみの時は5%のカロリーが消費されます。普段の食事はそれらの栄養素が混ざった状態なので約10%ほどが消費されます。(※2)つまり、タンパク質を摂ることが消費エネルギー増に必須。ダイエット中は摂取カロリーを控えがちですが、その際は、低カロリーで高タンパク質の食材を選ぶように心がけましょう。
誤ったダイエットは、食事制限により筋肉量が減り、基礎代謝が低下しやすくなります。ダイエット中は、筋肉を構成するタンパク質をしっかりととり入れたバランスの良い食事にし、普段よりカラダを多く動かすことが大切です。
食べる時間帯に注意
夜遅くの食事は胃腸に負担をかけるだけでなく、食事誘導熱産生(DIT)が低下することがわかっています。ある研究では、朝型と夜型の食生活を比較した場合、夜型の食事誘導熱産生(DIT)が低くなりました。夜遅い食事が続くと肥満につながる可能性があるといわれています。(※3)仕事などの都合でどうしても夕食が遅くなる時には上手に間食をとり入れ、夕食には温かくて消化の良いものを食べるようにしましょう。
⇒食事が遅くなった時のカラダにやさしい夜食
食べ物に含まれる栄養素の選び方と、食事の仕方を変えるだけで消費カロリー量のアップに繋がります。食べる時間、食べ方にも意識してメリハリあるボディーを手に入れましょう。
【参考文献】
(※1)田中 茂穂 「総論 エネルギー消費量とその測定方法」 静脈経腸栄養 Vol.24 (2009) No.5 P 5-11
(※2)厚生労働省 e-ヘルスネット 食事誘発性熱産生
〈https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-030.html〉(最終閲覧日:2017/10/16)
(※3)関野 由香 「食事時刻の変化が若年女子の食事誘発性熱産生に及ぼす影響」 日本栄養・食糧学会誌 Vol. 63 (2010) No. 3 P 101-106
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