食事バランスガイドとは?活用するための3ステップを解説

バランスのよい食事が大切であることはわかっていても、実際にどうしたらよいかわからずに困っている方も多いのではないでしょうか。そんなときに活用したいのが「食事バランスガイド」です。「難しそう」と思うかもしれませんが、3つのステップを知って、ぜひ活用してみましょう。今回は食事バランスガイドの活用法について、あすけん栄養士が解説します。

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食事バランスガイドとは?

食事バランスガイドは、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいか、コマの形とイラストでわかりやすく示したものです。食事のバランスを整えるためのツールで、健康な方の健康づくりを目的として作られています。

バランスよく食べることで「コマがうまく回転する」と表現されています。

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出典:農林水産省ホームページ

食事バランスガイドの料理区分は「主食」「副菜」「主菜」「乳製品」「果物」の5つに分かれています。料理区分は「SV(つ)」という単位で示されており、SVを数えることで、バランスがとれているかどうかを知ることができます。

「1つでも過不足があるとコマが傾いてしまう」というイメージを持つと、わかりやすいのではないでしょうか。

料理区分の基準と数え方

5つの料理区分は、SVの数え方がそれぞれ違います。料理例や目安の量とともに見てみましょう。

主食

ご飯、パン、麺などの主食は、1日の中でも割合が大きいため、コマの1番上に記載されています。

1SVは、主材料に由来する炭水化物が約40gとなっています。

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出典:農林水産省ホームページ

1日に必要なカロリーが2200kcalの場合、5~7SV分=ご飯中盛4杯分とることが理想です。

副菜

副菜は、野菜、芋類、豆類(大豆を除く)、きのこ、海藻を使った料理です。

1SVは、主材料の重量が70gとされています。70gは、およそ小鉢1皿分にあたります。

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出典:農林水産省ホームページ

1日に5~6SVが理想的な量で、1食あたり副菜2皿分が目安です。

主菜

主菜は肉、魚、卵、大豆製品などのおかずです。

1SVは、主材料に由来するたんぱく質が約6gとされています。

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出典:農林水産省ホームページ

1日に必要なカロリーが2200kcalの場合、理想は3~5SVです。毎食1~1.5SVを目安にとると、バランスを整えやすいでしょう。

牛乳・乳製品

牛乳や乳製品は、カルシウムの補給源となるため、毎日食べたいものとしてコマの中に組み込まれています。

1SVは、主材料に由来するカルシウムが約100mgとされています。

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出典:農林水産省ホームページ

基本的には1日2SVが目安です。しかし、成長期の子供は十分なカルシウム摂取が必要なため、2~3SV、また活動量が多い場合は2~4SVと多めの量が適当とされています。

果物

ビタミンやミネラルを補給する目的で、果物も毎日とることが勧められています。

1SVは、主材料の重量が約100gとされています。

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出典:農林水産省ホームページ

1日に必要なカロリーが2200kcalの場合、2SV(約200g)が目安です。食べすぎると糖質やカロリーの摂りすぎになるため、よく果物を食べる方は、量を意識してみましょう。

嗜好品・水分・運動

コマには嗜好品・水分・運動についても示されています。

・嗜好品…コマを回すためのヒモ。「楽しく適度に」1日200kcal程度が目安
・水分…コマの軸。水やお茶を中心とした十分な水分補給が大切
・運動…運動によりコマが回転する。運動の大切さを示している

この3つもあわせて意識することで、健康づくりに役立つとされています。

食事バランスガイドの活用法

実際に食事バランスガイドを活用するための3ステップを紹介します。

①適切なSVを知る

まずは1日に必要なSVを知りましょう。年齢、身体活動レベルによって異なるため、下記のチャートを見て、自分に必要な量をチェックしてみてください。

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出典:農林水産省ホームページ

例えば30歳の女性で活動量が「ふつう以上」の場合は「2200kcal±200kcal」にあてはまります。

②毎食どのくらい食べればよいかを知る

次に、どのくらい食べるとバランスがよいか、必要なSVをもとに、料理例を参考にしながら自分の適量を知りましょう。

「2200kcal±200kcal」の場合は、以下の例を参考にしてみてください。

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出典:農林水産省ホームページ

③バランスが整っているかどうかチェックする

実際に食べたものを振り返り、バランスが整っているかどうかチェックしましょう。1週間ほど続けてチェックしてみると、自分の食事の傾向がわかってきます。

「とりすぎているものを減らす」「足りないものを増やす」という風にしていくと、食事のバランスを整えやすくなりますよ。

食事バランスガイドを活用して自身の食習慣を振り返ると、ダイエットや健康づくりをスムーズに進めてくれます。または食事を記録するだけでバランスをチェックしてくれる、食事管理アプリを活用するのもよいですね。ぜひできるところから取り組んでみましょう。

 

【参考・参照】
農林水産省 「食事バランスガイド」について<https://www.maff.go.jp/j/balance_guide/index.html>(最終閲覧日:2023/4/27)

【執筆者】
管理栄養士。病院、保健センター、保育園で幅広い年代の栄養サポートに携わる。現在はフリーランス管理栄養士として、ライターやレシピ制作を中心に活動中。あすけんではコラム執筆などを担当している。HP:https://hirotachihiro.com/

広田 千尋

管理栄養士
広田 千尋

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