植物油はどう使い分ける?期待される効果や特徴、使い分け方について

植物油にはさまざまな種類があり、中には「健康によい」などと聞くものもあり、どれを使ってよいか迷ってしまいますよね。植物油は原料による違いがさまざまあるので、期待される効果や特徴を知り、使い分け方のコツを知っておきましょう。今回は植物油について、あすけん栄養士が解説します。

Cooking Oil

植物油の種類や期待される効果、使い分け方について

植物油は原料により、特徴や期待される効果もさまざまです。ここでは、よく使われる植物油をはじめ、「健康によい」などといわれる植物油まで、いくつかご紹介します。

アマニ油

【原料】アマ(亜麻)の種子
【風味】独特な風味と苦み
【主な脂肪酸】α-リノレン酸
【期待される効果】中性脂肪値の低下、心疾患のリスク減少
【特徴と使い方の例】オメガ3系脂肪酸であるα-リノレン酸を含むのが特徴です。酸化しやすいため生食に向いており、ドレッシングや和え物、料理の仕上げなどに使えます。市販のドレッシング製品は初めて使う方でも取り入れやすいでしょう。

えごま油

【原料】えごまの種子
【風味】独特な風味と苦み
【主な脂肪酸】α-リノレン酸
【期待される効果】中性脂肪値の低下、心疾患のリスク減少
【使い方の例】アマニ油と同じく、オメガ3系脂肪酸であるα-リノレン酸を含むのが特徴です。酸化しやすいため、生食に向いています。ドレッシングや和え物に使うほか、みそ汁に少量入れるなどの使い方もできます。

オリーブ油

【原料】オリーブの果実
【風味】フレッシュな風味
【主な脂肪酸】オレイン酸
【期待される効果】悪玉コレステロール値の低下
【特徴と使い方の例】植物油の中でオレイン酸の含有量がトップです。加熱調理から生食まで、オリーブ油特有のさわやかな風味を味わえる料理に使えます。

コーン油

【原料】とうもろこしの胚芽
【風味】とうもろこしの香ばしい香り
【主な脂肪酸】リノール酸
【期待される効果】悪玉コレステロールの吸収を抑える
【特徴と使い方の例】コーン油には植物ステロールが含まれます。植物ステロールは悪玉コレステロールの吸収を抑える働きがあることが知られています。コーンのこうばしい香りを活かす料理に向き、またカラッと揚がるので揚げ物にもぴったりです。

ごま油

【原料】ごまの種子
【風味】香ばしい香りとコク
【主な脂肪酸】リノール酸
【期待される効果】悪玉コレステロール値の低下
【特徴と使い方の例】ごま油にはセサミンが含まれ、悪玉コレステロール値を減らす作用が期待されています。脂肪酸の中で一番多いのはリノール酸ですが、オレイン酸も多く含みます。中華料理だけでなく、和食にも幅広く使え、ごまの香ばしい香りを活かし減塩にも役立ちます。

こめ油

【原料】米ぬか
【風味】さらっとした味わい
【主な脂肪酸】オレイン酸
【期待される効果】悪玉コレステロール値の低下
【特徴使い方の例】含まれる脂肪酸はオレイン酸が最も多くなっています。さらっとした軽さがあるので、揚げ物に向いています。ほかの植物油に比べるとオレイン酸が多いため酸化されにくく、加熱に強い油です。

なたね油(キャノーラ油)

【原料】菜種の種子
【風味】無臭であっさり
【主な脂肪酸】オレイン酸
【期待される効果】悪玉コレステロール値の低下
【特徴と使い方の例】オレイン酸の含有量は、この中ではオリーブ油に続いて2番目に多い量です。代表的な植物油でさまざまな料理に使え、安価なので日常使いの油として使いやすいでしょう。

大豆油

【原料】大豆
【風味】独特のうまみとコク
【主な脂肪酸】リノール酸
【期待される効果】悪玉コレステロールの吸収を抑える
【特徴と使い方の例】大豆油には植物ステロールが含まれます。大豆油はほかの油と調合してサラダ油として用いられることが多い油です。単独の大豆油は家庭用には一般的ではありませんが、独特のうまみとコクを味わえます。

各植物油の脂肪酸の比較

植物油に主に含まれるのは、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸などの不飽和脂肪酸です。脂肪酸の種類により、特徴や期待される効果が異なります。脂肪酸の特徴、含有量の比較をみてみましょう。

オレイン酸

スライド1

オレイン酸は一価不飽和脂肪酸で、オリーブ油にとくに多く含まる脂肪酸です。オレイン酸は、善玉コレステロールは減らさず、悪玉コレステロール値を下げる働きがあるといわれています。

リノール酸に比べると酸化しにくく、取り入れやすい点もメリットです。

リノール酸

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リノール酸はオメガ6系脂肪酸(多価不飽和脂肪酸)です。体内で合成されないため、食べ物から摂る必要があります。

悪玉コレステロール値が上昇する原因である飽和脂肪酸の代わりに、オメガ6系脂肪酸を摂取すると、悪玉コレステロール値が低下することがわかっています。

ただし、リノール酸はオレイン酸に比べると酸化しやすいため、過剰摂取により健康への影響が懸念されています。とりすぎるとエネルギーも過剰になりやすいため、適量とることが大切です。

α-リノレン酸

スライド3

α-リノレン酸は、オメガ6系脂肪酸(多価不飽和脂肪酸)です。α-リノレン酸は一部体内でDHAやEPA(青魚に主に含まれる脂肪酸)に変換される性質があります。

α-リノレン酸は善玉コレステロールを若干増やし、中性脂肪値を低下させる作用があるほか、心疾患のリスクを下げる作用があることもわかっています。

グラフからわかるように、α-リノレン酸は一般的に使われることの多い植物油にはさほど含まれず、アマニ油やえごま油といった一部の油にとくに多く含まれています。

将来、魚資源の不足などの恐れからα-リノレン酸の摂取が重要視されており、アマニ油やえごま油などの油に注目が集まっています。

油を取り入れる際の注意点

「カラダによい」からといって、油を必要以上にとってしまうと脂質の摂りすぎになってしまいます。油は種類によるカロリーの違いはほとんどなく、大さじ1杯(12g)あたり106~108kcalほどです。

たとえば「なんにでもかけて食べる」という取り入れ方をすると、脂質を摂りすぎてしまい、カロリーオーバーしてしまいます。プラスしてとるのではなく、あくまで今使っている油を置き換える形で取り入れるとよいでしょう。

 

どれもスーパーで手軽に手に入るので、一度見比べてみるのもよいですね。毎日の料理に欠かせない油の特徴や使い分け方を知って、自分に合ったものを取り入れてみましょう。

 

【参考・参照】
文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)
農林水産省 植物の恵みで元気に! 植物油<https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1111/spe2_01.html>(最終閲覧日:2021/12/16)

【執筆者】
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。

広田 千尋

管理栄養士
広田 千尋

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