鶏肉|肉
鶏肉は低脂肪・高タンパクであり、アミノ酸バランスが優れている食材。皮膚の健康を維持するビタミンA、抗酸化作用の高いビタミンEも含まれています。部位によってカロリーが異なるので、特徴を知って、普段の食事にとり入れていきましょう。
鶏肉の栄養成分と効果
必須アミノ酸
鶏肉は、体内で合成できない必須アミノ酸をバランスよく含む食品で、アミノ酸スコア100の良質なタンパク質源。筋力アップやダイエット中の人にもよく食べられています。
どの部位もアミノ酸スコア100ですが、カロリーが気になるなら、低脂肪のささみ肉やむね肉を選ぶと安心です。また、鶏肉のおいしさは、うまみ成分のグルタミン酸(アミノ酸のひとつ)やイノシン酸が多く含まれているおかげです。
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鉄
鶏レバーに豊富な鉄分。牛肉・豚肉・鶏肉の中では、豚レバーに次いで多く含まれています。
鉄は血液中のヘモグロビンの材料となり、酸素を全身に運ぶ働きをします。
体内の鉄のうち約70%は赤血球のヘモグロビンに、残りの約30%は筋肉中のミオグロビンや肝臓・骨髄に貯蔵されています。不足すると、倦怠感・頭痛・動悸・食欲不振などの鉄欠乏性貧血を引きおこす原因になります。
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ビタミンA(β-カロテン)
皮膚や粘膜・目の健康を維持して、乾燥肌や風邪の予防・免疫力アップに大切なビタミンです。また、抗酸化作用が高いため、活性酸素の発生を抑えて、アンチエイジングや美肌作りにも効果があります。
ビタミンB群
鶏肉には主に、ビタミンB1・B2が豊富。ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝、ビタミンB2は糖質・脂質・タンパク質の代謝を促進します。お米やパン・麺類など糖質を多く摂る人に不足しがちな栄養素です。
部位ごとの特徴
もも肉
ビタミンB2やうまみ成分であるグルタミン酸が多く含まれています。
ビタミンB2は糖質や脂質・タンパク質がエネルギーに変わるときに必要なビタミンで、特に脂肪のエネルギー代謝を助けて、脂肪燃焼をサポートします。さらに、皮膚や髪の毛・爪などの細胞の再生も助けるので、しみ・シワなど肌トラブルの改善にも効果的。
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むね肉
もも肉と比べて低カロリー・低脂肪なため、ダイエット中の人におすすめの部位。
疲労回復や運動能力がアップすると言われているアミノ酸のイミダペプチドが含まれています。低脂肪のため加熱のし過ぎによりパサつきやすいのですが、調理の際に一工夫するととてもおいしくいただくことができます。
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ささみ
脂肪が少なく、肉類の中でもタンパク質の量がトップクラス。ダイエット中の方やアスリートなど、引き締まった筋肉をつけたい人が好んで食べています。柔らかくしっとり感がありますが、加熱しすぎるとパサつきやすいので、茹でたり蒸したりなど調理法を工夫しましょう。
▼カロリー計算▼
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手羽先
肌の健康に必要なビタミンA・コラーゲン・エラスチンを豊富に含んでいます。
ビタミンAは皮膚や粘膜の健康を維持し、コラーゲンとエラスチンは肌の潤いや弾力を保つ働きがあります。しみやシワなど肌トラブルの改善・髪の毛や爪の健康維持に役立ちます。
レバー
鉄・銅などのミネラルを豊富に含み、貧血の予防に役立ちます。また、肉類の中でビタミンAの含有量が最も多い部位でもあります。貧血気味・免疫力低下・肌がカサカサしていると感じるときには、レバーをとり入れてみては?ただし、ビタミンAには許容量もあるので、適量をとり入れましょう。
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鶏肉のおいしい食べ方
皮や肉まわりの脂肪分を除くと、よりヘルシーになります。むね肉やささみは脂肪分が少ないため、加熱調理に時間をかけるとパサつく原因に。下処理をした後は、電子レンジを利用して短時間で調理する、またはお鍋で余熱調理にすると、ふっくらジューシーな鶏料理が楽しめます。
おすすめレシピ
■鶏ささみとレタスの中華風サラダ
ささみは低脂肪・高タンパクなので、脂質を抑えている人におすすめ。消化が良く、胃腸にやさしいので、夜食にも適しています。ごま油と亜麻仁油には抗酸化作用の高いポリフェノールのひとつ「リグナン」が含まれています。
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■鶏レバーのバジルいため
鶏レバーは、肉類の中で最もビタミンAを多く含んでいます。また、鉄分も豊富なので、貧血気味の人におすすめの一品。レバーの独特の臭いが苦手な場合、流水で洗った後、熱湯でゆでると臭みが抑えられます。
低脂肪・高タンパクの鶏肉はダイエットや美容・健康への意識が高い方だけでなく、アスリートにもうれしい食材です。部位によって、含まれる栄養も異なるので、体調や目的に合わせて、選んでみてください。
【参考文献】
文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)〈https://fooddb.mext.go.jp〉(最終閲覧日2022/7/11)