目のビタミン【ビタミンA】
ビタミンAには「レチノール」「レチナール」「レチノイン酸」の3つの成分がありますが、人間の体内に存在するビタミンAのほとんどが「レチノール」です。そのため一般的には、ビタミンA=レチノールとされています。目の健康や、皮膚・粘膜の健康に欠かせない栄養素です。
ビタミンAの働き4つ
ビタミンAは、初めからビタミンAの形になっている「レチノール」と、体内でビタミンAに変えられる「β-カロテン」があります。ヒトに対するビタミンAの働きは主に次の4つです。
1.視力の維持
「目のビタミン」と呼ばれ、視覚・視力に関係します。不足すると暗闇での目の順応低下がみられます。
2.乾燥肌の予防
皮膚や粘膜を健康に保つために働きます。不足が続くとお肌がかさついて弱くなるため、気になったときはビタミンAの補給を忘れずに。
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3.皮膚・粘膜の正常を保つ
様々な細菌やウイルスの侵入からカラダを守っている粘膜や皮膚の働きをサポートします。
4.老化予防
体内でビタミンAに変えられる「β-カロテン」には抗酸化作用があり、老化の原因となる活性酸素を除去します。
ビタミンAの摂取推奨量
ビタミンAの推奨量は下記になります。
男性:18歳~29歳 850μg/日、30歳~64歳 900μg/日
女性:18歳~29歳 650μg/日、30歳~64歳 700μg/日です。
過剰摂取が続いた場合
過剰症としては、頭痛・吐き気・脱毛・肝臓肥大・神経過敏などがあります。脂溶性ビタミンであるビタミンAは体内に蓄積されますので、サプリメントでの服用には注意が必要です。
不足が続いた場合
欠乏症としては、夜盲症(とり目)・角膜軟化症などがあります。
また、妊娠中にビタミンAを補給したい場合は、レチノールよりもβ-カロテンから摂取することをおすすめします。β-カロテンは主に緑黄色野菜に含まれていて、体内で必要に応じてビタミンAに変わるため、たくさん摂取してもビタミンAの過剰摂取にはつながらず安心です。
ビタミンAが多く含まれる食材・食事
レチノールはレバーや魚など動物性食品に、β-カロテンは緑黄色野菜・果物などの植物性食品に多く含まれています。
ビタミンAが多く含まれる食材は以下の通りです。
鶏レバー(1食分50g) | 7000μg |
豚レバー(1食分50g) | 6500μg |
うなぎの蒲焼 | 1500μg |
にんじん(約1/2本50g) | 360μg |
ほうれん草(1束300g) | 1100μg |
かぼちゃ(1/4個250g) | 830μg |
すいか(3cmブロック5個160g) | 110μg |
卵黄(Mサイズ1個20g) | 140μg |
※特に記載のないものは、食品100gあたりの含有量を表示しています。
その他にも、穴子・モロヘイヤ・ニラ・トマト・あおのり・みかん・バター・マーガリンなどにも含まれています。
ビタミンA摂取のポイント
ビタミンAは脂溶性ビタミンなので、油と一緒に摂ると吸収率がアップします。緑黄色野菜は油で炒めたり、和え物にするときは、油分の多い胡麻やピーナッツを和えるのがおすすめ。普段油を気にする方でも、にんじんサラダ は少量のオリーブオイルを使ったドレッシングで食べると効率よくビタミンAを摂取できますよ。
おすすめレシピ
にんじんに含まれるビタミンAは、脳の働きにも良いオメガ3脂肪酸を多く含むくるみと合わせることで吸収率アップ!また、レーズンのトッピングで不足しがちな鉄分を補いながら、味のアクセントととして楽しめます。
⇒記憶力は油の種類にあり!脳に必要な3つの脂質
【参考・参照】
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)〈https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html〉(最終閲覧日:2020/5/14)
文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)〈https://fooddb.mext.go.jp〉(最終閲覧日2022/5/10)