にんじん|野菜類
鮮やかなオレンジ色が特徴の「にんじん」。日本に流通しているにんじんは、大きく分けて西洋にんじんと東洋にんじんの2種類があり、私たちがよく食べているのは西洋にんじんです。東洋にんじんはおせちなどで使われる赤みが強いのが特徴の「京にんじん」と呼ばれるものです。
にんじんはよく食べられている野菜の1つで、緑黄色野菜でもあります。実際にはどのような栄養と効果があるのか、またおいしい食べ方についてあすけん栄養士がご紹介します。
にんじんの栄養成分と効果
ここでは、日本食品標準成分表に記載されている、「にんじん(皮なし/生)」の栄養成分を見てみましょう。
ビタミンA(カロテン)
にんじんの鮮やかなオレンジ色は、カロテンという色素に由来しています。このカロテンが、体の中で必要な分だけビタミンAに変わり、目の健康や皮膚や粘膜の健康を助けます。さらに、カロテン自体に強い抗酸化作用があるのも嬉しいポイントです。
にんじんは、野菜類の中でカロテン(ビタミンA)の含有量がトップクラスです。にんじんを100g~150g食べると1日のビタミンAの推奨量を満たすことができます。
ほかにも、食物繊維、カリウム、ビタミンE、葉酸といった栄養素も含まれています。
にんじんの皮には栄養が多い?
「野菜の皮には栄養が多く含まれる」などとよく言われますが、実際はどうなのでしょうか。日本食品標準成分表に記載されている、にんじんの皮の栄養成分を比較してみましょう。(※1)
にんじん(100g当たり) | 皮なし | 皮のみ |
ビタミンA(㎍) | 630 | 720 |
食物繊維(g) | 2.8 | 3.8 |
カリウム(mg) | 300 | 630 |
ビタミンE(mg) | 0.5 | 0.5 |
葉酸(㎍) | 23 | 46 |
※ビタミンAはレチノール活性当量の値を参照
多少の栄養成分の違いがあるように見えますが、このデータからは、どちらか一方に「栄養が多い」とは言えず、両方に同様の栄養が含まれていることがわかります。また、詳細の説明には、にんじんの個体差が大きく、皮と実の違いははっきりしなかったと記載されています。
このことから、含まれる栄養素に大きな差があるわけではないので、皮つきでも皮なしでも、料理に合わせてお好みの食べ方でおいしく食べていただくのがよいのではないでしょうか。でも、栄養が含まれる皮を捨ててしまうのはもったいない、とも感じますね。
にんじんのおいしい食べ方
酢にんじん
細切りしたにんじんに、塩をかけておき水分を抜きます。しっかりと水分を切った後、酢を入れ味がなじんだら完成です。酢がきついなと感じる方は砂糖やはちみつを入れたり、りんご酢などを使うと食べやすくなります。また、そのまま食べるだけでなく、サラダのドレッシング代わりや、サンドイッチなどの具材にすることもできます。冷蔵庫で保存でき、常備菜としてもおすすめです。
にんじんしりしり
細切りしたにんじんと卵を炒めた沖縄の郷土料理で、油と炒めることで、カロテンの吸収率がよくなります。手軽に作ることができるため、お弁当や副菜の1品にしたり、また、ツナやハムなどを入れたりするのもおすすめです。
にんじんは、さまざまな料理に合い、彩りも鮮やかになります。細かく切ったり、すりおろしたりして料理に入れると、にんじんが苦手な人でも食べやすくなるのではないでしょうか。ぜひ、いろいろなにんじん料理を作ってみてくださいね。
▼カロリー計算▼
⇒にんじんのカロリー・栄養素はこちら
【参考・参照】
日本食品標準成分表(八訂) 増補2023年(最終閲覧日:2025/07/20)
※1 にんじんの栄養価は、「にんじん 皮なし(生)」、「にんじん 根・皮(生)」の成分値を比較しました。
※本記事は、2015年7月1日に公開された記事を再編集しました。(2025年7月20日)