妊娠中はカフェインNG?1日の目安の量とおすすめの飲み物を紹介!
妊娠中、カフェインは控えた方がよいと聞きますが、全くとらない方がいいのでしょうか?またコーヒーや紅茶などの飲み物に、どのくらいカフェインが含まれているのかも気になりますよね。今回は妊娠中のカフェイン摂取量の目安や、妊娠中でも安心して飲めるものをご紹介します。
妊娠中にカフェインを控えた方がいい理由
妊娠中はカフェインが血液中から消失するスピードが遅くなるため、カフェインを摂りすぎることで赤ちゃんに影響があることが知られています。赤ちゃんの成長遅延や、出生時の低体重、ほかにも早産や死産と関連する可能性があることもわかっています。
ただし、問題となるのは摂りすぎた場合で、コーヒー1~2杯程度の適量であれば問題ないとされています。次からは具体的なカフェインの量について確認しましょう。
妊娠中のカフェインはどのくらい摂って大丈夫?
妊娠中のカフェイン摂取量の目安と、飲み物に含まれるカフェイン量をお伝えします。
カフェイン量の目安は1日200~300mg程度
カフェインの基準について、実は日本では明確な決まりはありません。厚生労働省「ママのための食事BOOK」では、妊娠中のカフェイン摂取について1日1~2杯のコーヒーなら問題ない、とされています。
海外にはさまざまな基準があるため、確認してみましょう。(※1)
機関名 | 1日あたりのカフェイン摂取量 | コーヒーに換算すると |
世界保健機関(WHO) | コーヒー3~4杯
※300mg以上摂取する妊婦に対しては制限が必要 |
- |
欧州食品安全機関(EFSA) | 200mg以下 | 333ml
(コップ1.5杯程度) |
オーストリア保健・食品安全局(AGES) | 200mg以下 | 333ml
(コップ1.5杯程度) |
カナダ保健省 | 300mg未満 | 500ml
(コップ2杯程度) |
機関により基準はさまざまですが、カフェイン量は200~300mg程度、コーヒーに換算すると1~2杯程度が目安となることがわかります。
飲み物に含まれるカフェイン量
カフェインはコーヒーだけでなく、ほかの飲み物にも含まれます。100mlあたりに含まれるカフェインの量は以下の通りです。
食品名 | カフェイン濃度
(100mlあたり) |
玉露 | 160mg |
コーヒー | 60mg |
インスタントコーヒー | 57mg |
紅茶 | 30mg |
煎茶(緑茶) | 20mg |
ほうじ茶 | |
ウーロン茶 | |
玄米茶 | 10mg |
この中では玉露、コーヒーのカフェイン量がとくに多くなっていますが、ほかの飲み物でもたくさん飲むとカフェイン量の目安を超えてしまう場合があります。
たとえば「カフェインを含む飲み物は1日1~2杯まで、ほかの飲み物はノンカフェインにする」などと、ルールを決めると安心して楽しめるでしょう。
妊娠中におすすめの飲み物
カフェインの量を気にせずに飲み物を楽しみたい場合、どのようなものを選ぶとよいのでしょうか。いくつかご紹介します。
デカフェ(カフェインレス)
デカフェ(カフェインレス)とは、通常含まれるカフェインを90%以上除去したものを指します。全くカフェインが含まれないわけではありませんが、コーヒーであればカフェイン量が6mg/100mlを下回る計算になるため、安心して楽しむことができます。
コーヒーだけでなく、紅茶もデカフェのものがあります。コーヒー豆や茶葉の種類、メーカーによって味わいはさまざまです。自分好みの味を探してみましょう。
麦茶
麦茶は大麦を原料としているため、カフェインが含まれていません。商品のパッケージにも「カフェインレス」や「カフェインゼロ」などと表示されているものが多く、安心して手に取ることができます。
普段の水分補給には、麦茶か水を選ぶといいでしょう。
ハーブティーは大丈夫?
ハーブティーの中にはカフェインを含まないもの、少量しか含まないものもあります。ですがハーブの中には子宮刺激作用があるものもあり、妊娠中に適さないものもあります。
ローズヒップやレモンバームを使ったハーブティーは適量(1日2~3杯)であれば安全であると考えられています。心配な場合はお店の方に尋ねたり、産婦人科で医師に確認したりしてみましょう。
カフェインは全くダメというわけではなく、妊娠中も適量なら楽しめます。ただし、就寝前にカフェインを摂ることで寝つきに影響する場合もあります。妊娠中のカラダをしっかり休めるためにも、摂取のタイミングも工夫するといいでしょう。
【参考・参照】
(※1)食品安全委員会 食品中のカフェイン<https://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf>(最終閲覧日:2021/05/24)
厚生労働省 平成29年度子ども・子育て支援推進調査研究事業 ママのための食事BOOK<https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/column/opinion/pdf/180331_ninsanpu_recipe1.pdf>(最終閲覧日:2021/05/24)
文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
【執筆者】
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。
管理栄養士
広田 千尋