丈夫な骨や歯に【ビタミンD】
ビタミンDは、カルシウム濃度を調整し、骨や歯を健康に保つ働きをしています。動物性の食品に多く含まれますが、紫外線を浴びることによって肌でも生成される栄養素です。日光に当たる機会の少ない人は不足しないよう食事でしっかりと摂取しましょう。
ビタミンDの働き
ビタミンDの働きには主に以下のようなものがあります。
骨形成・骨の石灰化を促進させる
カルシウムの吸収に必要なタンパク質の合成を活発にさせ、小腸からのカルシウムやリンの吸収をアップさせます。さらに、骨にカルシウムが沈着するのをサポートし丈夫な骨や歯の形成に働きます。
カルシウム濃度を調整
カルシウムは、骨や歯を健康に保つほかに、神経伝達や筋肉収縮に重要な役割のあり、血液や筋肉に一定濃度で存在することでカラダの機能を調整しています。ビタミンDは、甲状腺ホルモンや副甲状腺ホルモンといっしょになって、血液中のカルシウムの濃度を安定させる働きがあります。
ビタミンDの推奨摂取量
ビタミンDの目安量は、男女(18歳以上)ともに8.5μg/日です。(※1)
過剰摂取が続いた場合
吐き気を伴う高カルシウム血症のほか、動脈硬化や腎機能障害の原因になります。通常の食生活で摂りすぎる心配はありません。
不足が続いた場合
カルシウムの吸収が妨げられ、成人では骨量が減り、骨軟化症や骨粗鬆症の原因になります。成長期の子供ではくる病という病気を引き起こす原因になります。
ビタミンDが多く含まれる食材・食事
ビタミンDを多く含む食材は以下の通りです。(※2)
あんこうの肝(一切れ30g) | 33μg |
鮭(1人前80g) | 26μg |
さんま(1人前100g) | 16μg |
シラス(1人前10g) | 6μg |
いわしの丸干し(2尾50g) | 25μg |
うなぎの蒲焼(1人前100g) | 19μg |
カレイ(1人前100g) | 13μg |
イクラ(10g) | 4μg |
乾燥きくらげ(1人前2g) | 2μg |
干ししいたけ(5g) | 1μg |
※特に記載のないものは、食品100gあたりの含有量を表示しています。
ビタミンD摂取のポイント
ビタミンDはカルシウムと一緒に摂取することによって働きが発揮されます。例えば、シチューやグラタンなどカルシウムが豊富な乳製品を使った食材と組み合わせるのがおすすめです。
⇒不足しやすいカルシウムを無理なく増やすコツ
また、ビタミンDを多く含む丸干しの魚や小魚は骨ごと一緒に食べるとカルシウムも同時に摂ることができます。
その他、ビタミンDは油脂に溶けやすいので油でいためたり、ごま、ピーナッツなどの種子類と一緒に食べると吸収が良くなります。
【参考・参照】
(※1)厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)〈https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html〉(最終閲覧日:2020/5/14)
(※2)文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)〈https://fooddb.mext.go.jp〉(最終閲覧日2022/5/10)