効率的なエネルギー源【炭水化物】
「炭水化物=ダイエットでは避けなくてはいけない」と敬遠されがちですが、ダイエットはもちろん健康的なカラダづくりのためには、適量をきちんと摂る必要がある重要な栄養素です。今回は、炭水化物源となる主な食べ物の栄養の特徴や働き、またおすすめの食べ方についてあすけん栄養士がご紹介します。

炭水化物の働き
炭水化物は大きく分けて、体内でエネルギー源となる「糖質」と、腸内環境を整える「食物繊維」の二つで構成されています。
炭水化物は、たんぱく質、脂質と並ぶ「三大栄養素」のひとつであり、私たちが生きていくために最も効率よくエネルギーを作り出してくれる源です。炭水化物に含まれる糖質は、カラダの中で分解されブドウ糖になり、このブドウ糖は脳や神経系の活動の唯一のエネルギー源になります。
炭水化物の摂取目標量
厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」では、炭水化物の摂取目標量は、男性・女性ともに摂取エネルギー全体の50~65%が目安とされています。極端に制限することは、体調不良や集中力低下につながるため推奨されません。また、過剰に摂取することは、肥満や虫歯の原因となることがあります。
炭水化物源となる食べ物の特徴
私たちの普段の食事の中で、炭水化物源となる食べ物は、ご飯やパンなど「主食」にあたるものです。それぞれ異なるおいしさがあり、基本的にはどれを食べても問題ありません。栄養面の特徴を知っておくと選ぶ際にも便利ですので、いくつかご紹介します。
白米(普通盛り)1食180g(281kcal)
・たんぱく質を(2.5g/100g)含み、脂質は少ない。
玄米(普通盛り)1食180g(274kcal)
・ビタミンB6が白米の約10倍(0.21mg/100g)含まれている
・白米よりもマグネシウム・ナイアシンが多く含まれる
食パン 6枚切り60g(149kcal)
・たんぱく質・食物繊維が含まれる
ライ麦パン 6枚切り60g(151kcal)
・たんぱく質・鉄・銅・食物繊維が含まれる
全粒粉パン 6枚切り60g(151kcal)
・葉酸が含まれている(49μg/100g)
オートミール 1食30g(105kcal)
・マグネシウム・鉄・銅・パントテン酸・ビオチン・食物繊維が豊富に含まれる
そば(ゆで) 1食200g(260kcal)
・うどん・パスタと比較すると、ミネラル類が多い
うどん(ゆで) 1食200g(190kcal)
・比較的カロリーが低い
・水分が多く、炭水化物が少ない
パスタ(ゆで) 1食200g(300kcal)
・そば・うどんと比較するとたんぱく質が多い。
・銅が含まれている
※栄養素量や多い・少ないの比較は100gあたりで行っています
炭水化物摂取のポイント
炭水化物といっても、特徴はさまざあります。献立に合わせてお好きな炭水化物を選ぶとよいでしょう。麺類は肉や野菜などを入れ具沢山にしたり、脂質が多い主菜には脂質が少ないごはんやうどんを合わせて、食事バランスを工夫してください。
オートミールは栄養豊富で、優秀ですが、カロリーも高いので食べすぎには注意が必要です。また、炭水化物をエネルギーに変えるにはビタミンB1が必要なので、豚肉・豆類のおかずと一緒に食べたり、玄米・全粒粉などの外皮や胚芽がついた穀物がおすすめです。
ダイエットをする際も、過度の制限はせずたんぱく質・脂質とのバランスを考えて、毎食炭水化物をとり入れてください。気になる方は種類や量を調節してくださいね。
【参考・参照】
厚生労働省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2025年版)<https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316585.pdf>(最終閲覧日:2025/10/27)
※本記事は、2014年12月に公開された記事を再編集しました。(2025年10月27日)


