エリンギ|きのこ
クセがなく食べやすいエリンギはヨーロッパ原産のきのこで、日本では人工栽培されており、年中手に入れることができます。弾力があり、コリコリとしている食感がアワビに似ているため「白あわびたけ」と呼ばれることもあるそうです。今回はエリンギの栄養とその効果、おいしい食べ方についてあすけん栄養士がご紹介します。
エリンギの栄養成分と効果
食物繊維
エリンギには食物繊維が100gあたり3.4g含まれています。
食物繊維は、便の量を増やしたり、腸内環境を整えたりする働きがあります。また、脂質や糖・ナトリウムなどを吸着して身体の外に排出する働きがあるため、生活習慣病の予防・改善にも効果が期待できます。
ビタミンD
エリンギ100gあたりに、ビタミンDが1.2㎍含まれます。食事摂取基準では、ビタミンDの目安量は8.5㎍/日と決められています。日本人の平均摂取量は7.2㎍(※1)と目安量よりも少ないため積極的に摂りたい栄養素です。
ビタミンDは腸管でのカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助けてくれる栄養素です。
ビタミンB2
ビタミンB2は、多くの栄養素の代謝にかかわっています。欠乏すると、口内炎や眼球炎、脂漏性皮膚炎、成長障害などが起こります。
葉酸
葉酸は、赤血球を作り出す働きがあり貧血を防ぎます。また、お腹にいる赤ちゃんの発育に関わる栄養素で、神経管閉鎖障害の発症リスクを下げるため、妊娠前や妊娠中に積極的に摂るのがおすすめです。最近では動脈硬化の危険因子とされている血清ホモシステインの増加を抑える働きが注目されています。
パントテン酸
パントテン酸はさまざまな食品に含まれている水溶性ビタミンの一種で、たんぱく質、脂質、炭水化物のすべての代謝をサポートしています。通常の食事をしていれば不足することはほとんどありませんが、不足した場合は皮膚炎や副腎障害など様々な障害が起こることが知られています。
エリンギのおいしい食べ方
エリンギの炊き込みごはん
エリンギは、味にクセが少なく、和洋中、様々な食材と合うキノコです。炊き込みご飯にすると、かさ増しにもなり、歯ごたえも楽しみながら食べられる食べ方なのでおすすめです。
炊き込みご飯は炊飯器1つでできるため、面倒な手間もほとんどありません。炊飯器に米とだしや醤油などの調味料を入れてから、目盛り通りに水をいれます。その上にエリンギやにんじんなどの野菜、鶏肉や油揚げなどお好きな具材で炊きましょう。
エリンギのスープ
調理で失われる栄養をなるべく少なくするために、スープもおすすめです。スープのほうにも栄養が行くため、無駄なく摂れることができます。エリンギや好きな野菜を軽く油で炒めてから、油ごとスープにすることで、栄養の吸収率も上がります。和風やコンソメなど、どんなスープでもおいしくいただけます。
比較的安価で手に入れることができ、クセが少ないためどの料理にも使いやすいきのこです。きのこ類は低カロリーで食物繊維が豊富なため、ダイエットにもおすすめです。ぜひ、食卓に取り入れてみてください。
▼カロリー計算▼
⇒エリンギのカロリー・栄養価はこちら
<参考・参照>
食品成分データベース
※1 厚生労働省 日本人の食事摂取基準 〈https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html〉(2023/09/25)
農林水産省 おいしいきのこ図鑑〈https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2110/spe1_02.html#eringi〉(最終閲覧日 2023/09/25)
令和元年国民健康・栄養調査 〈https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kenkou_eiyou_chousa.html〉(最終閲覧日 2023/09/25)
【執筆者】
大学で栄養学を学び栄養士の資格を取得。在学中は、経産婦の体型意識を調査し、健康的な体型と理想的な体型の差を研究した。3人の子どもを産み、自身の体型や食事が子どもに与える影響から、食事の重要性を再確認し、食を通じて多くの人の健康やダイエットのサポートしたいと考え、現在はあすけんコラム執筆の他、栄養価計算やメニューデータの整備などを行う。
栄養士
井﨑 夏紀