味噌|調味料・その他

日本の代表的な調味料のひとつである味噌。味噌汁や煮物、炒め物などさまざまな料理に活躍してくれます。今回は味噌に含まれる栄養素と、期待できる効果について解説します。

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味噌の種類

味噌は地域によって作られる種類が異なり、原料によって3種類に分けられます。

味噌の種類や特徴は以下の通りです。

種類 原料 特徴
米味噌 米麹・大豆・塩 日本で生産される味噌の約8割を占める
麦味噌 麦麹・大豆・塩 九州で生産量が多い
豆味噌 麹・大豆・塩 愛知県、三重県、岐阜県で主に生産される

また味により「辛口」「甘口」「甘」、色によって「赤」「白」「淡色」と分けられ、地域によってさまざまな味噌が作られています。

このコラムでは、主流である米味噌(淡色辛味噌)の栄養成分値を紹介します。

味噌の栄養と期待される効果

米味噌(淡色辛味噌)に含まれる栄養素と、期待される効果を紹介します。

味噌は大さじ1杯(18g)あたり、が0.7mg含まれます。

鉄は鉄欠乏性貧血の予防に欠かせません。鉄欠乏性貧血では、集中力の低下や、頭痛、疲労感といった症状が起きることがあります。

毎日1杯の味噌汁を取り入れると鉄補給に役立ちます。とくに女性は不足しやすい栄養素なので、意識して摂りましょう。

食物繊維

味噌は大さじ1杯(18g)あたり、食物繊維が0.9g含まれます。

食物繊維には整腸作用があり、腸内環境を整えるのに欠かせません。また食後の血糖値の急激な上昇を抑えたり、血中コレステロール値を低下させたりと、生活習慣病予防にも役立ちます。

粒が残るタイプの味噌は、味噌汁を作るときに味噌こしを使わない方が食物繊維をムダなく摂れます。食感が気にならない方は、味噌こしを使わずに味噌の栄養を丸ごといただきましょう。

乳酸菌

味噌は発酵食品であり、乳酸菌が含まれます。乳酸菌は腸内で善玉菌として働き、悪玉菌の繁殖を抑えて腸内環境を整えます。

味噌を加熱すると乳酸菌が死んでしまい効果がないのでは?と思うかもしれませんが、乳酸菌は死滅したものでも整腸作用効果が期待できるとされています。

乳酸菌を摂るために味噌を生で食べる必要はないので、味噌汁や煮物、炒め物など、さまざまな料理に活用しましょう。

味噌の取り入れ方

味噌はさまざまな栄養素が摂れますが、食塩を含むため摂りすぎには注意が必要です。

味噌には大さじ1杯(18g)あたり、2.2gの食塩が含まれます。食塩摂取量は1日当たり男性7.5g未満、女性6.5g未満が目標とされているので、大さじ1杯で1日の約3分の1を摂ってしまう計算です。

味噌汁を食べるときは野菜をたっぷり入れて、汁を飲む量を控えると食塩摂取量を減らせます。ほかの料理に使うときも、ごまにんにくしょうがなどの香りのあるものと一緒に味付けすることで薄味でもおいしく食べられ、味噌の使いすぎを防げますよ。

昔から食べられている味噌は、さまざまな栄養素が摂れる優秀な調味料です。食塩の摂りすぎには気をつけ、減塩の工夫をしながら取り入れましょう。

 

【参考・参照】
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)
文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)

【執筆者】
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。

広田 千尋

管理栄養士
広田 千尋

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