オレンジ(バレンシア)|果物
甘酸っぱくジューシーなオレンジは、年中手に入る果物のひとつです。ビタミンやミネラルの供給源として、毎日でも取り入れたいですね。この記事ではオレンジの栄養と期待できる効能、またオレンジの美味しい食べ方もご紹介します。
オレンジ(バレンシア)の栄養と効果
オレンジに含まれる栄養と、期待される効果は以下の通りです。
ビタミンC
オレンジ100gあたり、40mgのビタミンCが含まれます。日本でなじみの深い「みかん」は35mgなので、みかんよりもビタミンCが豊富です。
ビタミンCには抗酸化作用があり、老化や動脈硬化、免疫機能の低下、がんなどの原因となる活性酸素を取りのぞいてくれる働きがあります。
また不足することで、倦怠感、疲労感、気力の低下といった症状が出ることもあります。
ビタミンCは熱に弱く、水に流れ出やすい性質がありますが、オレンジは生のまま食べるのでムダなくビタミンCを摂ることができます。
ビタミンA(β-カロテン)
オレンジ100gには、120μgのβ-カロテンが含まれます。みかんには1000μgもの量が含まれるため、オレンジの含有量はその約8分の1ほどです。
ビタミンA(β-カロテン)もビタミンCと同様、抗酸化作用があり活性酸素を取り除く働きがあります。不足すると皮膚の乾燥や、免疫機能の低下、粘膜の乾燥により感染症にかかりやすくなることが知られています。
葉酸
オレンジ100gあたり、32μgの葉酸が含まれています。
葉酸は細胞が増えるときに関係する栄養素で、不足すると貧血の一因になります。また不足すると、血清ホモシステイン値という動脈硬化の引き金になる値を高くしてしまうことも知られています。
妊娠中にも必要な栄養素であるため、さまざまな年代の方に積極的に補って欲しい栄養素です。
カリウム
オレンジ100gあたり、140mgのカリウムが含まれています。
カリウムは余分なナトリウムを排出する働きがあります。そのため食塩のとり過ぎによるむくみ解消や、高血圧予防に役立ちます。
毎日しっかりと摂りたい栄養素ではありますが、とくに外食やコンビニ食が続くなど、食塩のとり過ぎが心配なときには意識して摂りましょう。
オレンジのおいしい食べ方
オレンジのおいしさをそのまま味わうなら、やはりそのままが一番です。半分にカットしてスプーンですくって食べるか、くし形にカットして皮と身の間に切り込みを入れて食べると食べやすいでしょう。
まとめて切って冷凍用保存袋に入れて凍らせてもOKです。食べるときは室温に少し置いておけば、シャリっとした食感を楽しめます。これなら時間がない朝にでも取り入れられますね。
またパウンドケーキやゼリーなどのお菓子作り、オレンジソースを作って鶏や豚を煮込んで料理にするなどのアレンジもできます。さまざまな使い方でオレンジを楽しんでくださいね。
年中スーパーなどで手に入り、価格も比較的安定しているオレンジ。ぜひ毎日の果物のレパートリーのひとつとして取り入れて、オレンジの栄養をたっぷり補給してくださいね。
【参考・参照】
文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)
【執筆者】
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。
管理栄養士
広田 千尋