塩分をカラダの外に排出してくれる【カリウム】

ナトリウムとカリウムは細胞内液と外液の浸透圧を均等に保つ役割があります。ナトリウムが過剰になると、浸透圧が上がり血圧が上昇しますが、このときにカリウムが充分にあると、余分なナトリウムを排出する働きをしてくれます。
レタス

カリウムの働き

カリウムの主な働きは以下の通りです。

体内の水分のバランスを調整する

細胞内の水分にはカリウムが、細胞外の水分にはナトリウムが含まれ、それぞれがポンプのように働き、常に適正な濃度を保つよう水分バランスを調整しています。また、細胞の浸透圧を調整しています。

ナトリウムによる血圧上昇を抑制する

カリウムは、ナトリウムの尿中への排泄をしやすくし、ナトリウムの摂りすぎによる高血圧の予防に役立ちます。

筋肉の働きをよくする

ナトリウムと相互に作用して、筋肉の動きを正常に保つ働きがあります。

カリウムの摂取目標量

カリウムの摂取目標量は、男性(15歳以上)は3000mg/日以上、女性(15歳以上)は2600mg/日以上です。

高血圧症の方の場合

カリウムはさまざまな食材に含まれているので、普通の食事で欠乏することはあまりありません。
ただ、血圧のリスクを減らすには、カリウム摂取量が通常より多めの1日3500㎎が推奨されています。血圧が気になる方は意識的にとるようにしましょう。

※逆に、糖尿病性腎症の場合は、カリウムの排泄に支障をきたすことがあるため、カリウムの摂取量に制限がかかる場合があります。摂取量は主治医の診断を仰ぐようにしてください。

カリウムが多く含まれる食材・食事

カリウムを多く含む食材はさまざまですが、特に葉野菜や果物に多く含まれています

ほうれん草 690mg
里芋 640mg
焼き芋 540mg
モロヘイヤ 530mg
天然あゆアジ(焼き魚) 470 ~510mg
納豆(50g 1パック) 330mg
昆布(乾燥 5g) 310mg
バナナ(1本 100g) 360mg

※特に記載のないものは、食品100gあたりの含有量を表示しています。

その他にも、野菜(とうもろこしトマト)、果物(アボカドすいかキウイ)、肉類(ささみ・ひれ肉・もも肉)、魚介類(イカ・子持カレイうなぎ)にも含まれています。
⇒栄養士が伝授!野菜350gのとり方

摂取のポイント

ナトリウムとカリウムは一緒に働いていて、<ナトリウム:カリウム=1:2>の比率でとることで、体内の水分濃度を正常に保つ役割をしています。このバランスが崩れると、ナトリウムがうまく排出できなくなります。病気を予防するためにもカリウムを含む食品をとり、やゆず、レモンの絞り汁、胡椒などを上手に使って普段の食事から減塩を心がけましょう。

 

外食中心の食生活や濃い味付けを好む方は、サイドメニューにサラダを、味噌汁に葉物野菜や芋類を、おやつにバナナやキウイなどを積極的にとり入れ、カリウムとナトリウムの摂取バランスに気を付けてみるとよいですね。

【参考・参照】
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)〈https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html〉(最終閲覧日:2020/5/14)
文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)〈https://fooddb.mext.go.jp〉(最終閲覧日2022/6/21)

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