さくらんぼ|果物

さくらんぼは宝石の「ルビー」にも例えられ、可愛らしい見た目で甘酸っぱい味わいの果物です。一方、輸入さくらんぼは一般的に「アメリカンチェリー」と呼ばれ、果肉まで赤いのが特徴です。
100gあたりのカロリーは、国産が60kcal、輸入(米国産)は66kcalであり、その他の栄養成分値にも大きな差はありません。

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さくらんぼの栄養と効果

カリウム

さくらんぼに豊富に含まれるカリウムには、体内の水分バランスを調整する働きがあり、ナトリウムをカラダの外に出しやすくする作用があるため、塩分の摂り過ぎを調節するのに役立ちます。血圧を下げたり、むくみを予防したりする効果が期待できます。

ビタミンC

ビタミンCは、皮膚や細胞のコラーゲン合成の際に必要で、免疫機能を保ち、さらに植物性食品に含まれる非ヘム鉄の吸収を高める働きがあります。
また、抗酸化作用があり、動脈硬化や老化・免疫機能の低下の原因のひとつとなる活性酸素の働きを抑えてくれます。
ビタミンCは熱で壊れやすいのですが、さくらんぼはそのまま食べられるため、ビタミンC補給にはぴったりです。

ビタミンD

ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けることによって、強い骨を維持する働きがあります。不足すると骨粗鬆症の原因のひとつとなります。ビタミンDはさくらんぼに豊富ですが、カルシウムはさほど含まれていないため、カルシウムの多い牛乳などの食品と一緒に摂ると効果的です。

葉酸

葉酸は、タンパク質や細胞が作られる際に必要なDNAや、赤血球などの合成に関わる栄養素です。成長の盛んな胎児の健常な発育に必要とされ、妊娠中の必要量は約2倍まで高まります。
葉酸は野菜や果物に多く、さくらんぼにも多く含まれます。

ポリフェノール(アントシアニン)

アメリカンチェリーには、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれることがわかっていますが、国産のものにも一定量含まれているという分析報告(※1)もあります。
ポリフェノールは抗酸化物質と言い、活性酸素の発生やその働きを抑制したり、活性酸素そのものを取り除いたりする働きがあります。また、アントシアニンには「視力回復によい」「炎症を抑える」などの効果があると言われていますが、まだ有効性についての研究が行われている段階です。今後の研究に期待ですね。

さくらんぼのおいしい食べ方

おいしいさくらんぼの見分け方として、以下の点を目安にすると良いでしょう。
・つやがあり、色が均一で濃い赤色である
・軸が太く、鮮やかな緑色をしている
・軸の付け根のくぼみが深く、軸が抜けていない

たくさん手に入った場合は、ジャムやコンポート、製菓に使うこともできます。

さくらんぼは旬の季節以外ではほとんど出回らない果物です。他の果物に比べるとやや高価ではありますが、季節感を楽しみながら、旬の栄養が詰まったさくらんぼをぜひ味わってみてくださいね。

 

【参考・参照】
(※1)菅原 哲也ら ‘紅さやか’(サクランボ)ポリフェノールの生理機能と加工利用 山形県工業技術センター報告40号, p.59-62(2009-01)<https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010771832.pdf>(最終閲覧日:2019/11/04)
山形県庁 さくらんぼの話のタネ<https://www.pref.yamagata.jp/ou/norinsuisan/140032/sakuranbohinsyu/publicdocument201603078646590188.html>(最終閲覧日:2019/11/04)
厚生労働省 統合医療に係る情報発信等推進事業 「統合医療」情報発信サイト <https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/index.html>(最終閲覧日:2019/11/04)
厚生労働省 e-ヘルスネット <https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/>(最終閲覧日:2019/11/04)
文部科学省 食品成分データベース <https://fooddb.mext.go.jp/>(最終閲覧日:2019/11/04)

【執筆者】
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。

広田 千尋

管理栄養士
広田 千尋

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