あなたはいくつ知ってる?意外と知らない野菜の豆知識5つ
8月31日は「や(8)さ(3)い(1)」の語呂合わせから、野菜の日となっています。
野菜といえば「健康によい食材」の代表ともいえるのではないでしょうか。しかし野菜を食べる意味や、あんな野菜やこんな野菜の栄養素など、意外と知らないことも多いものです。
今回は、野菜の豆知識を5つ紹介するため、この機会に野菜への知識を深めてみましょう。
いくつ知ってる?野菜の豆知識5つ
意外と知らない野菜の豆知識を5つ紹介します。いくつ知っているか、ぜひチェックしてみてください。
野菜の摂取目標量はなぜ「1日350g」?
野菜の摂取量の目標である「1日350g」は、厚生労働省による健康日本21(第三次)で示されている目標値で、生活習慣病を予防し、健康を維持するための目標の一つとして掲げられています。カリウム、食物繊維、抗酸化ビタミン(ビタミンA・C・Eなど)を適量摂取するために必要な野菜の量とされています。
しかし、現状の野菜の摂取量は20歳以上で280.5gと、70gほど不足している状況です(※1)。70gは小皿1皿分程度になるため、炒め物や汁物、和え物などをあと1品プラスできるよう工夫してみましょう。
カット野菜は「栄養がない」?
スーパーやコンビニなどで手に入る、サラダ用や炒め物用などのカット野菜は「栄養がない」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、洗浄などにより栄養素が減ってしまうのですが、ゼロになるわけではありません。実際に、キャベツの栄養成分値を比較してみましょう。
カリウム | ビタミンC | 食物繊維 | |
キャベツ(生) | 190mg | 38mg | 1.8g |
キャベツ (カット・次亜塩素酸洗浄) |
140mg | 28mg | 2.0g |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
カットキャベツは水溶性栄養素であるカリウム、ビタミンCが減っていますが、それでも不足しがちな栄養素の補給に役立ってくれるでしょう。なお、食物繊維の量が増えているのは、水分量の変化による、見かけ上のものと考えられます。
カット済みの野菜は、調理が不要または手軽なうえ、生ゴミが出ないのもメリットです。さまざまなメニューに活用してみましょう。
野菜は冷凍すると栄養価が下がる?
冷凍野菜について「栄養価が下がっているのでは」というイメージがあるかもしれません。
しかし野菜の細胞を壊さずに冷凍することや、低温で保管することから、栄養価を大きく損なうことはないといわれています。また、旬の時期に冷凍されるため、むしろ栄養価が高いものもあります。
かぼちゃの場合を比較してみましょう。
カリウム | ビタミンA | ビタミンC | 食物繊維 | |
かぼちゃ(茹で) | 340mg | 210μg | 32mg | 4.1g |
かぼちゃ(冷凍) | 430mg | 310μg | 34mg | 4.2g |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
生のかぼちゃに比べ、冷凍のかぼちゃのほうが栄養価が優れていることがわかります。
家庭で冷凍する場合は、一度加熱処理をして冷凍したり、なるべく温度を低く保存したりすると、栄養成分の変化が少ないとされています。
冷凍野菜は手軽に野菜を増やしたいときに便利なため、上手にとり入れてみましょう。
もやし・きゅうり・なすは「栄養がない」?
もやし、きゅうり、なすなどの水分の多い野菜は「栄養がない」といわれることもあります。しかし、いずれの野菜も食物繊維、ビタミンC、カリウムなどの栄養素を含み、さらに機能性成分であるポリフェノールも含むため、健康づくりにぴったりです。
実際に、どのくらい栄養素が含まれているか見てみましょう。
カリウム | ビタミンC | 食物繊維 | |
もやし | 79mg | 7mg | 1.3g |
きゅうり | 200mg | 14mg | 1.1g |
なす | 220mg | 4mg | 2.2g |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
これらの野菜は、クセがなく比較的安価でもあり、1回にたっぷり食べられることも魅力です。たっぷり食べるとその分栄養素をたくさん摂れるため、不足しがちな栄養素の補給に役立ってくれるでしょう。
またかさましに使うとおかずのカロリーを抑えられて満腹感を得られるため、ダイエットにもぜひ活用してみてください。
「じゃがいも」「さつまいも」「枝豆」「大豆」は野菜の仲間?
じゃがいも、さつまいも、枝豆、大豆は野菜の仲間なのか、考えたことはありませんか?
日本食品標準成分表の分類では、下記の通りとなっています。
・じゃがいも:芋類
・さつまいも:芋類
・枝豆:野菜
・大豆:豆類
枝豆は野菜といえますが、じゃがいもやさつまいもは芋類であり「主食」の仲間、大豆は「豆類」であり「主菜」の仲間といえます。
特に芋類は食物繊維やビタミンを摂れるものの、糖質が多いため食べすぎには注意が必要です。野菜を増やしたいときは、枝豆や葉物、根菜などを増やすようにしましょう。
野菜の豆知識について、いくつ知っていましたか?ぜひこの機会に野菜の知識を深めて、健康づくりに役立ててくださいね。
【参考・参照】
※1:厚生労働省「令和元年「国民健康・栄養調査」」<https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14156.html>(最終閲覧日:2024/8/22)
厚生労働省「健康日本21(第三次)」<https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kenkounippon21_00006.html>(最終閲覧日:2024/8/22)
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
【執筆者】
管理栄養士。病院、保健センター、保育園で幅広い年代の栄養サポートに携わる。現在はフリーランス管理栄養士として、ライターやレシピ制作を中心に活動中。あすけんではコラム執筆などを担当している。HP:https://hirotachihiro.com/
管理栄養士
広田 千尋
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