今から血圧ケアを始めよう!高めの血圧が気になる方が生活習慣にとり入れると良いこと
久しぶりに血圧を測ったら、数値が高めで心配に思ったことはありませんか?血圧は常に変動しており、測った時にたまたま高い場合は心配ないですが、年齢とともに高くなる傾向があります。気が付いたらいつでも血圧が高い状態になっていた、とならないようにしたいですね。血圧が高くなる要因を知って、今から「血圧ケア」のために生活習慣にとり入れるとよいことを解説します。
血圧が高い状態とは?
血圧とは、血液が心臓から送り出される時に血管にかかる圧力のことです。血圧が高くなる理由としては、心臓から送り出される血液(血漿)の量が増えることと、血管のかたさが関係しています。食塩を摂りすぎて血液中の塩分濃度が濃くなると、薄めようとして水分が多くなり、結果として血液の量が増えます。たくさんの血液が血管を流れることになり、血管がかたくなっている場合は圧力が高くなるため、上の血圧が高くなります。
ほかの要因として、ストレス環境下でも血圧が上昇します。血圧測定でも、診察室で測る場合は血圧が高くなることがあります。また、職場や家庭など日常生活の場でも身体的・精神的なストレスを感じると血圧が上昇します。
血圧には収縮期血圧(上)と拡張期血圧(下)があり、家庭で測る場合は、上115mmHg・下75mmHg未満が「正常血圧」となっています。(※1)
血圧ケアのために行うとよいこと
減塩
日本人が摂取する食塩相当量は1日約10gで、ほかの国と比べて多くなっています(※2)。先にお伝えしたように、減塩は血管の健康に関わるため、味付けで使う調味料の量に気を付けたり、外食や市販食品などを食べたりする際に工夫が必要です。日本高血圧学会では、減塩目標量として食塩摂取量は1日6g未満としています。(※3)
適正体重にする
太りすぎを改善すると、血圧の値も改善することが知られています。また、BMI25以上の人が高血圧を発症するリスクは、BMI20の人と比べて1.5~2.5倍と推定される、との報告もあります(※4)
運動をする
散歩やラジオ体操などの軽い運動は、血液の流れをよくしてくれます。また消費カロリーがアップし、肥満防止にもつながります。
禁煙する
喫煙は、血管を収縮させ、血圧を上げる要因となります。血液の流れが悪くなり、動脈硬化にもつながるので禁煙をするとそのリスクを減らすことができます。
十分な睡眠と休養をとる
日々生活をしていく中で、過労や緊張など身体的・精神的にストレスを感じることにより、血圧が高くなることがあります。ストレスを解消し、疲れをとるため、しっかりと休むことも大切です。
血圧ケアによい食事のとり方
野菜、果物をとる
野菜や果物には、カリウムや食物繊維が含まれています。カリウムは、食塩(ナトリウム)の排出を促す働きがあります。「排塩」も血圧ケアには大切なポイントになります。水溶性食物繊維には、コレステロールやナトリウムを吸着してカラダの外に出す働きがあります。毎食小鉢1~2個分の野菜・海藻・きのこの副菜を食べるようにしたり、果物を間食に食べたりするようにしましょう。
飽和脂肪酸・コレステロールが多い食品の摂取を控える
飽和脂肪酸やコレステロールは肉や乳製品に多く含まれる、脂質を構成する要素です。肉を食べた翌日は魚にするなど、飽和脂肪酸の少ない食材をとるようにすると、飽和脂肪酸やコレステロールの多い食品を食べる頻度を減らすことができます。
このほか、高めの血圧対策ができる機能成分にも注目が集まっています。GABA(γ‐アミノ酪酸)は、ストレス対策のほか、高めの血圧対策につながることが期待される成分です。(※5)また、善玉菌として知られる乳酸菌が腸内でつくる物質の働きよって血圧が下がるとの報告もあり(※6)、ストレス対策とおなかの調子を整えることも、血圧ケアにつながります。
高血圧はさまざまな病気の原因になります。食事や運動以外にも、十分な睡眠と休養をとり、今から血圧ケアをはじめていきましょう。
提供:日清ヨーク
<参照・参考>
※1、※3、※4、※5 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」
※2 国立健康・栄養研究所 諸外国の栄養素等摂取量の比較 <https://www.nibiohn.go.jp/eiken/kenkounippon21/download_files/foreign/foreign_index.pdf>(最終閲覧日:2024/3/05)
※6 Nakamura Y, Yamamoto N, Sakai K, Okubo A, Yamazaki S, Takano T. Purification and characterization of angiotensin I-converting enzyme inhibitors from sour milk. J Dairy Sci 1995;78:777-783.
執筆者 多田綾子 / 栄養士
化粧品ブランドに14年間勤務後、からだの内側からも美容や健康をサポートしたいという思いから女子栄養大学短期大学部にて栄養士の資格を取得。現在は広報を担当しながらあすけん栄養士としてコラム執筆やセミナー講師を担当。
栄養士
多田 綾子
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