ポイント4 良質の油を適量に
脂質は必要以上に摂りすぎると体重増加の原因になりますが、カラダには必要不可欠な栄養素です。内臓や骨格を保護したり、皮下脂肪・内臓脂肪として蓄積できる効率のよいエネルギー源となります。またビタミンA・D・Eなどの脂溶性ビタミンの吸収を助けます。
■脂質の摂取量の目安/1日 1日の目標摂取エネルギーの20~30%程度が適量(目標が1800kcalならば40g~60g程度)脂質はいわゆる油のことです。カラダに良い植物性のあぶらを「油」、カラダに悪い動物性のあぶらを「脂」と表現します。現代人の食生活はどうしても脂が多くになりがち。できるだけ、カラダに悪い「脂」は避けて、良い油を適量に摂ることがダイエット中のコツです。
素材選びでこんなに違う!?悪い脂をしっかりカット
脂質が多い代表的な食べ物といえば・・・
- 肉類(脂身が多いもの)
- マヨネーズ・バターなどの調味料
- 魚介類(トロや青魚)
- ナッツ類
上記のうち避けたい避けたい「悪い脂」は、肉類(脂身が多いもの)・バター・ラードなど常温で固形の脂です。一般に「悪い脂」と言われる飽和脂肪酸は、摂りすぎると肥満の他にも血中コレステロール値を上昇させ、動脈硬化などの生活習慣病の原因に。
でも安心してください。肉も調味料も選び方・使い方次第で、脂をしっかりカットすることができます。
肉の部位を選んでカットする
肉は部位によって、含まれる脂の量がかわります。
脂の少ないヒレやささみがダイエットには◎。
余分な脂身をカットする
- 豚ロース肉(110g)の外側の脂身(20g)をカットするだけでカロリー51%カット
- 鶏もも肉(250g)の皮をとるだけで脂質約73%(25.8g)カット
※参考文献:調理のためのベーシックデータ(女子栄養大学出版部)
調味料の使い方を変えて油をカットする
意外とあなどれない調味料の油。無意識に使っていた油やマヨネーズなどは、計量すると使いすぎを防ぐことができます。
- マヨネーズ 大さじ1(10.5g)
- バター 大さじ1(11.6g)
- マーガリン 大さじ1(9.8g)
- ピーナッツクリーム 大さじ1(4.2g)
- ドレッシング 大さじ1(6.3g)
※()は脂質の量
調理法をひと工夫!余分な油を落とすワザ
煮込んで脂を溶かしだす
アクと一緒に出てくる浮き脂や、冷めたら表面に白く固まる脂(飽和脂肪酸)を取りのぞきます。
油を使わず低温のフライパンでじっくり焼く
豚バラ肉などは特に脂が多く含まれているため、クッキングペーパー等で取るようにすればカロリーがダウンします。
焼き網を使用して、余分な脂を落とす
熱で溶けた脂が落ち、素材の旨みも引き立ちます。
茹でて脂を落とす
茹でることで余分な脂肪が落とせます。
油の種類を選ぶ
同じ油でも、含まれる成分によって健康効果は違います。せっかくならカラダに良い油を使いましょう。
加熱調理にはオリーブオイルを
オリーブオイルの主成分であるオレイン酸は、悪玉コレステロール(LDL)を減らして善玉コレステロールを増やしてくれる役割があります。通常のサラダ油や菜種油でも問題ないのですが、これらの油の主成分であるリノール酸は、通常の食事をしていれば不足することはありません。
ワンランク上の油、亜麻仁油やシソ油をドレッシングに
亜麻仁油やシソ油は日本人に不足しているn-3系脂肪酸を多く含む油です。n-3系脂肪酸には、DHA・EPAやα-リノレン酸などがあります。これらの成分は中性脂肪を下げる作用があるため、積極的に摂りたい油です。ただ、酸化しやすいため加熱調理には使えません。サラダのドレッシングなど生食で上手に使いましょう。
⇒「ポイント5 心の栄養、嗜好品と上手に付き合う(お菓子編)」に続く
【コラム執筆】あすけん事業統括責任者 管理栄養士 道江美貴子
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