炭水化物・糖質・糖類の違いは?糖類ゼロでも糖質を含む理由も解説
なんとなく同じように使われている炭水化物・糖質・糖類ですが、3つの違いをご存じですか?商品のパッケージを見て「炭水化物と糖質はどう違うの?」「糖類ゼロなのに糖質が入っているのはなぜ?」と思ったことのある方も少なくないはずです。
今回は知っているようで知らない炭水化物・糖質・糖類の違いを知り、糖質への理解を深めましょう!
炭水化物・糖質・糖類の違い
炭水化物・糖質・糖類は同じように使われますが、厳密には異なります。
炭水化物には糖質や糖類が含まれ、糖質には糖類が含まれます。下記のイメージ図を見ると、違いがわかりやすいのではないでしょうか。
こちらのイラストをもとに、それぞれの違いを詳しく見てみましょう。
糖類
糖類は、単糖類(糖が1個のもの)であるブドウ糖や果糖、または砂糖や乳糖などの二糖類(糖が2個くっついたもの)を指します。「糖類=甘いもの」をイメージすると、わかりやすいかもしれません。
糖質
糖類を含め、少糖類(糖が2~10個くっついたもの)、多糖類(糖がたくさんくっついたもの)、糖アルコール類、高甘味度甘味料をまとめて糖質と呼びます。
高甘味度甘味料である、アセスルファムK、スクラロース、アスパルテームなどはいわゆる人工甘味料といわれ、砂糖の数百倍の甘さです。使用量が少なく済むため結果的に「カロリー・糖質ゼロ」となります。
炭水化物
炭水化物は、糖質(糖類含む)に食物繊維をあわせたものを指します。
糖質(糖類を含む)はヒトが消化吸収できるためエネルギーとなりますが、食物繊維は一部を除き消化吸収されないため、0kcalとなります。
「糖類ゼロ」なのに糖質が含まれるのはどうして?
「糖類ゼロ」と表示された飲み物や菓子類は、ブドウ糖、果糖、砂糖などを含まないことを指します。
「糖類ゼロなのに糖質が含まれる」のはマルチトールやエリスリトールが使われている場合が考えられます。
マルチトールやエリスリトールは、糖アルコールであり、糖質に分類されます。高甘味度甘味料とは違い、使用量が多くなるため、糖質の量がカウントされるのです。
ちなみに、マルチトールは1gあたり2kcalですが、エリスリトールは1gあたり0.0024kcalであるため、カロリーゼロと表示できます。
⇒「ゼロカロリー」なのにカロリーあり?!食品表示の事実
糖質の量がわからないときは<炭水化物-食物繊維>で計算できる
栄養成分表示に糖質の量が書かれていないときは、炭水化物から食物繊維の量を引き算すると、おおよその量を計算できます。
例えばサンドイッチの炭水化物が12.8g、食物繊維が1.5gだった場合<12.8g-1.5g=11.3g>となり、糖質は11.3gという計算です。
糖質の量を知りたいときは、計算してみましょう。
※最近では<炭水化物-食物繊維>ではない、正確な糖質の量の測定が進んでいます。今までの炭水化物の算出方法では、誤差が大きいとされていたことが理由です。「<炭水化物-食物繊維>は便宜上の計算方法である」と覚えておくとよいでしょう。
健康づくりやダイエットをするときに注意したいのは「糖質(糖類含む)」であるといえますね。ぜひ覚えて活用してみてくださいね。
【参考・参照】
独立行政法人 農畜産業振興機構 糖質制限よりもスローカロリーの実践<https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_001553.html>(最終閲覧日:2023/4/27)
独立行政法人 農畜産業振興機構 砂糖以外の甘味料について<https://sugar.alic.go.jp/japan/fromalic/fa_0707c.htm>(最終閲覧日:2023/4/27)
【執筆者】
管理栄養士。病院、保健センター、保育園で幅広い年代の栄養サポートに携わる。現在はフリーランス管理栄養士として、ライターやレシピ制作を中心に活動中。あすけんではコラム執筆などを担当している。HP:https://hirotachihiro.com/
管理栄養士
広田 千尋
- ダイエットの知識
- 持病の対策(あすけんBLUEサークル)
- 持病の対策コラム
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