外食やコンビニでも減塩したい!簡単に実践できるメニュー別お助け法
減塩をしたいのに、外食やコンビニ食を利用することが多くてなかなか実践できない…とお困りの方も多いのではないでしょうか。外食やコンビニ食は便利ですが、「食塩が多いのでは?」と気になってしまいますよね。そんなとき、メニューの選び方やちょっとした工夫をするだけで、食塩の摂取量をグッと減らすことができますよ。今回は外食やコンビニ食の減塩のコツをお伝えします。
外食やコンビニ食は食塩が多い?!
最近では減塩に取り組む飲食店やコンビニが増えてきていますが、メニューによっては食塩摂取量の目安をオーバーしやすいものが多いのが現状です。まずは外食の影響や、食塩の摂りすぎによる影響を確認しましょう。
外食が多いとエネルギー・食塩を摂りすぎる?!
外食と肥満の関連について、「米国健康・栄養調査(NHANES)」に参加した20~64歳の米国成人1万2,528人を対象に、米国がん学会が調査を行いました。(※1)
調査の結果、外食を週に2回とる人は、そうでない人に比べて1食につき平均200kcalほど、食塩相当量は0.8~1.1gほど摂りすぎていることがわかりました。
日本はアメリカに比べると食塩摂取量が多いため(※2)、外食が多い方はやはり食塩を摂りすぎていることが考えられます。
食塩の摂りすぎは、日本人の高血圧の最大の原因です。高血圧により、心臓病や脳血管障害のリスクとなることも知られています。将来の健康を守るためにも、日ごろから減塩の心掛けが大切です。
外食やコンビニ食はどのくらい食塩が多い?
外食やコンビニ食の食塩相当量を見てみると、
・豚の生姜焼き定食(味噌汁付き)…5.7g
・牛丼(味噌汁付き)…5.0g
・醤油ラーメン…7.8g
・幕の内弁当…4.3g
・ハンバーグ弁当…3.4g
となっています。
健康な方の1食当たりの食塩摂取量は2.0~2.5g程度、高血圧などの病気をお持ちの方は1食2g未満が目安です。外食やコンビニ食では、メニューによっては1食で大幅にオーバーしてしまうことがわかります。
これは日本人の食事摂取基準で、食塩相当量の目標値が「1日あたり男性7.5g・女性6.5g未満」となっていること、また高血圧治療ガイドラインにおいて「1日あたり6g未満」が目標とされていることから計算した数値です。(※)
利用頻度がさほどなければ前後の食事の調整でもOKですが、よく利用する方は対策をしていきましょう。
※…主治医から個別の指示がある場合、それに従ってください。
実践!外食・コンビニ食での減塩のコツ
続いて具体的なメニューをもとに、外食やコンビニ食でできる簡単な減塩のコツについてお伝えします。
定食の場合
メインのおかずや野菜のおかずなど、比較的バランスのとりやすい定食メニューは以下のように工夫しましょう。
【定食の場合の減塩のコツ】
・漬物がついている場合、漬物を残す
・汁物は具だけ食べて、汁は半分残す
・ソースやしょうゆはかけずにつける
・付け合わせの野菜はドレッシングをかけずに、おかずと一緒に食べる
メニューにもよりますが、これらの工夫をすべて実行すると、1食でおよそ2~3g弱もの食塩を減らせます。これは外食だけでなく、普段の食事でも活用できる方法なので、ぜひ試してみてくださいね。
ご飯もの・丼の場合
ご飯ものや丼ものは、ご飯全体に味付けしているため、どうしても食塩の量が多くなってしまいがちです。漬物を残したり、汁物を半分にしたりする工夫と一緒に、以下のような工夫をしてみましょう。
【ご飯もの・丼の場合の減塩のコツ】
・プラスでサラダなどの野菜料理を追加する
・丼はつゆだくにしない
ご飯もの・丼メニューは野菜が不足しがちなため、野菜メニューを追加するといいでしょう。野菜に含まれるカリウムという栄養素は、余分なナトリウムを排泄してくれる働きがあるため、食塩のとり過ぎが気になるときには積極的にとりたいものです。
弁当・惣菜の場合
コンビニの弁当・惣菜は、パッケージに食塩相当量が書かれています。チェックするクセをつけておくと、どのようなメニューが食塩が少ないのか、傾向がわかってきますよ。よく食べるメニューなど、一度チェックしてみましょう。
【弁当・惣菜の場合の減塩のコツ】
・食塩相当量を確認し、なるべく食塩が少ないものを選ぶ
・漬物が入っている場合は、漬物を残す
・しょうゆやソースは直接かけずにフタの裏などに出して、つけて食べる
・野菜の入ったメニューを選ぶか、野菜料理をプラスする
野菜メニューの中でも、コンビニで買えるサラダは自分でドレッシングをかけるタイプのものが多いため、食塩の量が調整しやすく減塩に役立ちます。減塩タイプのドレッシングにしてみるか、量をいつもより控えめにしてみましょう。
麺類の場合
ラーメンやうどんなどの麺類は、1食だけで1日の食塩相当量の目標をオーバーしてしまうものもあるので、注意が必要なメニューです。
【麺類の場合の減塩のコツ】
・汁(スープ)ありの麺は、汁を残す
・野菜の入ったメニューを選ぶ(ちゃんぽん・もやしラーメン…など)
・サラダなどの野菜料理をプラスする
ラーメンやうどんなどの汁がある麺は、汁を残すことで半分ほど減塩できます。またコンビニでは、減塩タイプのカップ麺を取り扱っているところもあります。最近では種類が増えてきているので、ぜひ手に取ってみてくださいね。
減塩するなら麺は避けた方がよいメニューではありますが、上手に付き合っていきましょう。
外食やコンビニの利用が多い方でも、うまく工夫すれば食塩の量を減らしていけますよ。減塩メニューも増えてきているので、近くの店舗でそのような取り組みを行っていないか、また商品を取り扱っていないか、チェックしてみてくださいね。
【参考・参照】
(※1)Binh T Nguyen,and Lisa M Powell,“The impact of restaurant consumption among US adults: effects on energy and nutrient intakes”,Public Health Nutrition: 17(11), 2445–2452
(※2)国立健康・栄養研究所 健康日本21 分析評価事業 諸外国の栄養素等摂取量の比較<https://www.nibiohn.go.jp/eiken/kenkounippon21/download_files/foreign/foreign_index.pdf>(最終閲覧日:2021/03/09)
日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン2019
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)
【執筆者】
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。
管理栄養士
広田 千尋
- ダイエットの知識
- 持病の対策(あすけんBLUEサークル)
- 持病の対策コラム
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