チンゲン菜|野菜
鮮やかな緑色が料理の彩りになるチンゲン菜。中国野菜ですが、中華料理以外の和食・洋食にも合う万能野菜です。栄養素も豊富で、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の機関誌「Preventing Chronic Disease(慢性疾患を予防する)2014年6月5日号」に発表された「17種類の必須栄養素が豊富な野菜と果物41品目」では、クレソンに続いて第2位に選ばれました。(※1)チンゲン菜の栄養成分と効果、おいしい食べ方についてご紹介します。
栄養成分と効果
β-カロテン(ビタミンA)
チンゲン菜を含む緑黄色野菜の色素成分β-カロテンは、小腸で吸収されるときに体内で必要とする量だけビタミンAに変換されます。変換されなかった分は脂肪組織に蓄えられるか、排泄されます。(※2)
視覚を正常に保ったり、皮膚や消化管などの粘膜などを丈夫にし、感染症予防や免疫力を高めたりすることにも役立っています。また、β-カロテンには抗酸化力があり、細胞の老化を抑制する働きもあります。
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ビタミンC
ビタミンCは、コラーゲンの合成に不可欠なビタミンで、皮膚や骨の健康維持・傷の回復などにも効果を発揮します。
抗ストレス作用を持つ副腎皮質ホルモンの合成促進や腸管での鉄分の吸収率アップに効果があります。また、抗酸化力が強く、生活習慣病予防やストレス耐性を上げる効果も期待できます。
ビタミンK
ビタミンKは、出血したときに血を止める働きをもつフィブリンを作るのに不可欠です。
カルシウムが骨に沈着するときに必要なタンパク質を活性化させる働きもあり、丈夫な骨作りのために重要な栄養素です。
カルシウム
カルシウムは、体重の1~2%を占め、カラダの中で最も多く存在するミネラル。
骨や歯を作る重要な栄養素で、筋肉を動かす、ホルモンの分泌を促す、神経がカラダの各器官へ信号の伝達するのを助けるなどの働きもあります。
鉄分
赤血球のヘモグロビンの成分になりカラダ中に酸素を運ぶ大切な栄養素で、貧血を予防する効果があります。
鉄分には、動物性食品に多いヘム鉄と、植物性食品に多い非ヘム鉄があり、ヘム鉄の方が体内への吸収率が高いという特徴があります。植物性食品であるチンゲン菜に多い非ヘム鉄は、ビタミンCやタンパク質と一緒に摂ると吸収率がアップします。
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アリルイソチオシアネート
ワサビなどにも含まれる辛味成分で、抗酸化作用・脳の血流改善効果があることが知られています。(※3)また、動脈硬化などの生活習慣病を予防する効果が期待されています。(※4)(※5)
おすすめの食べ方
アクやクセがほとんどないので、下茹でせずにそのまま炒めたり煮たりしてもOKです。軸が肉厚で茹でてもカサが減りにくいため、ダイエット時のカサ増し料理にもおすすめ。
β-カロテンやビタミンKは脂溶性なので、油と一緒に食べると吸収率がアップします。油で炒めたり、ドレッシングをかけたりしてみてくださいね。カルシウムは、マグネシウムやビタミンDと組み合わせると吸収率が高まります。ナッツ類やごまで和えたり、きのこ類と炒めたりするのもひとつの方法です。
おすすめレシピ
■カジキマグロとチンゲン菜の酢豚風
カジキマグロにはビタミンDが豊富なので、チンゲン菜に含まれるカルシウムの吸収率がアップします。また、酢には疲労回復効果があります。
■チンゲン菜の高菜あんかけ
にんにくと生姜を使ったあんかけは、寒い季節の副菜にピッタリ。冷え性対策にも効果的です。
色鮮やかで食べやすく、栄養豊富なチンゲン菜。料理のアクセントや主役として活用してみてください。
▼カロリー計算▼
⇒チンゲン菜のカロリー・栄養素はこちら
【参考】
(※1)The Washington Post
Watercress tops list of ‘powerhouse fruits and vegetables.’ Who knew?
〈https://www.washingtonpost.com/news/to-your-health/wp/2014/06/05/finally-a-list-of-powerhouse-fruits-and-vegetables-ranked-by-how-much-nutrition-they-contain/〉(最終閲覧2016/10/18)
(※2) 国立健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報
〈http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail171.html〉(最終閲覧2016/10/18)
(※3)日本食品分析センター 植物の辛み成分について
〈http://www.jfrl.or.jp/jfrlnews/files/news_vol3_no21.pdf〉(最終閲覧日2016/10/18)
(※4)女子栄養大学 KNUダイエット 食材百科事典
〈http://co-4gun.eiyo.ac.jp/food%20database/3gun/foods-dic-3-chingensai.html〉(最終閲覧2016/10/18)
(※5)文部科学省
5.成果 第1章 機能性成分等新たな健康の維持増進に関わる成分の分析に対するニーズ調査
〈http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/shiryo/attach/1287304.htm〉(最終閲覧2016/10/18)