健康な皮膚や髪に【ビオチン】
ビオチンはビタミンB群の一種です。さまざまな食品に含まれるだけでなく、腸内細菌によっても合成されるため、極端な偏食をしない限り不足することはない栄養素です。
ビオチンの働き
皮膚を健康的に保つ
皮膚の炎症を予防する成分として研究がはじまったビオチン。近年では、アトピー性皮膚炎の原因であるヒスタミンを体外に排泄する作用があることからアトピー治療に有効と考えられています。
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エネルギー代謝をサポート
ビオチンには、カルボキシラーゼという酵素の補酵素として、糖質・脂質・タンパク質がエネルギーになるまでの代謝をサポートする働きがあります。
ビオチンの目安摂取量
ビオチンの目安量は、男性、女性ともに(18歳以上)は50μg/日です。(※1)
過剰摂取が続いた場合
尿中に速やかに排泄されるので過剰症はありません。
不足が続いた場合
通常の食事で不足することはまずありません。不足した場合は、脱毛・皮膚炎・筋肉痛をおこし、食欲不振により体重減少も起こります。また、最近の動物実験の報告より、妊娠中の欠乏が、妊娠の維持や胎児の発育に影響を及ぼす可能性があることがわかってきました。
ビオチンが多く含まれる食材
ビオチンを多く含む食材は以下の通りです。(※2)
鶏レバー(1人前60g) | 138.0μg |
豚レバー(1人前60g) | 48.0μg |
卵黄(1個分20g) | 13.0μg |
鮭(1人前100g) | 6.3μg |
真いわし(1人前100g) | 15.0μg |
納豆(1人前50g) | 9.0μg |
ゆで大豆(1人前50g) | 4.9μg |
焼き海苔(1枚3g) | 1.4μg |
ピーナッツ・乾燥(10g) | 9.2μg |
※特に記載のないものは、食品100gあたりの含有量を表示しています。
ビオチンの摂取のポイント
ビオチンは熱に強いビタミンなので、調理法に気を遣う必要はありません。さまざまな食品に含まれているので、バランスのとれた食事を摂るように意識しましょう。
ただし、生の卵白を大量に食べ続けると、卵白中のアビジンというタンパク質がビオチンの吸収を妨げるため、半熟たまごのように卵白を加熱するとよいでしょう。
また、抗生物質などの薬を長く使用していたり、腸の調子が悪い人などには腸内細菌によってビオチンが作られにくくなることがあります。(※3)食物繊維や乳酸菌をとって善玉菌を増やすよう心がけましょう。
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【参考・参照】
(※1)厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)〈https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html〉(最終閲覧日:2020/5/14)
(※2)文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)〈https://fooddb.mext.go.jp〉(最終閲覧日2022/4/26)
(※3)国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報 ビオチン〈https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail594lite.html〉(最終閲覧日:2020/05/28)