レーズン(干しぶどう)|果物
ぶどうを干して作られるレーズンは、そのまま食べても、料理やお菓子作りに使ってもおいしく食べられます。自然な甘みがあり、手軽な間食にもぴったりです。今回はレーズンに含まれる栄養と効果、おいしい食べ方をご紹介します。
レーズンの栄養と効果
レーズンに含まれる栄養と期待される効果について解説します。
食物繊維
レーズンは皮のついたぶどうを干して作られるため、皮に含まれる食物繊維もそのまま摂ることができます。大さじ1杯(約12g)で0.5gの食物繊維が含まれます。
食物繊維は腸の中で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えてくれるのに役立ちます。腸内環境を整えることで、便通の改善だけでなく、免疫機能を高めることや、がんの予防になることも知られています。ヨーグルトには、腸内で善玉菌として働く乳酸菌が含まれているため、ヨーグルトとレーズンを一緒に食べると、腸内環境を整えるのにぴったりの組み合わせになります。
カリウム
カリウムは余分なナトリウムを身体の外へ排出してくれる働きがあるため、高血圧の予防やむくみの解消に役立ちます。
カリウムは野菜や果物に含まれ、レーズンには大さじ1杯(約12g)では89㎎ほど含まれています。カリウムは多くの年代で不足しがちな栄養素のため(※1,2)、レーズンなどさまざまな食べ物から補給しましょう。
鉄
レーズン大さじ1杯(約12g)あたり、0.3㎎の鉄が含まれます。
鉄は貧血予防に欠かせない栄養素で、とくに生理のある女性や妊娠中の方は不足しやすい栄養素です。鉄が不足することで、貧血のほかにも、集中力の低下、頭痛、食欲不振、疲労感といった症状が起きる原因にもなります。
貧血は鉄不足が重度にならないと症状が現れないため、貧血になる前から鉄をしっかり補っておくことが大切です。
ポリフェノール
ぶどうの皮の部分には、アントシアニンというポリフェノールが含まれます。ポリフェノールには抗酸化作用があり、動脈硬化・がん・老化・免疫機能の低下の原因となる活性酸素を取りのぞいてくれる働きがあります。
レーズンは皮ごとぶどうを食べられるため、ポリフェノールの補給にぴったりです。
レーズンの美味しい食べ方
レーズンは料理やお菓子作りに使えますが、ダイエットや栄養補給に役立てるならシンプルにそのまま食べるのがおすすめです。
自然な甘みがあるので少量でも満足しやすく、ナッツ類と組み合わせると、手軽な間食になります。またヨーグルトと合わせる際、そのまま入れて食べごたえのある食感を楽しむのもよいですが、一晩レーズンをヨーグルトに漬け込んでおくと、朝にはプルンとした食感を楽しめます。
ただし、レーズンは食べすぎるとカロリーオーバーしてしまいやすいので、量には気をつけましょう。大さじ1杯(約12g)で39kcalなので、多くても1日大さじ2杯程度にまでおさめておくとよいでしょう。
レーズンなどのドライフルーツは、日持ちしやすく果物の栄養素を手軽に補えるのが魅力です。ぶどうの自然な甘さと栄養が詰まったレーズンを、ぜひ楽しんでみてくださいね。
【参考・参照】
(※1)令和元年 国民健康・栄養調査結果
(※2)厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)
文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
【執筆者】
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。
管理栄養士
広田 千尋