1日4分の運動法!HIITの効果について知ろう
HIIT(ヒット)をご存じですか?HIITは最近注目されているトレーニング法で、短時間の運動で効果が得られるというものです。時間がない方にとっては魅力的な運動ですね。HIITをすることでどのような効果が得られるのでしょうか?今回はHIITについてと、HIITの効果について解説します。
「HIIT(ヒット)」とは
HIITとは?
HIITは高強度インターバルトレーニング(High Intensity Interval Training)の頭文字を取ったもので、高強度の運動をごく短い時間の休息(または低強度の運動)をはさみながら行う運動法です。
ほんの数分間の運動でさまざまな効果があると言われており、アスリートの競技力向上や体力アップなど、目的に合わせて行われています。
HIITのやり方
HIITのやり方には、決まったものはなく色々なパターンがあります。
中でも有名なものが「タバタトレーニング」です。立命館大学の田畑泉教授が1996年に発表した論文をもとに作られたトレーニング法で、4分間で効果が得られるとされています。(※1)
具体的には、20秒の運動+10秒の休息を1セットとして、8セットで疲れ果ててしまうようなトレーニングです。20秒間の運動には、自転車こぎやダッシュなどが行われます。
HIITの効果
持久力アップ
タバタトレーニングでは、有酸素性エネルギーと無酸素性エネルギーを刺激し、持久力を高めることが狙いとされています。
ダイエットへの効果というよりは、脂肪を燃焼させるためのジョギングなどの有酸素運動を長く続けられるようになる効果が期待できます。運動する土台作りのためのトレーニングと言えますね。
HIITだけで脂肪燃焼?
タバタトレーニングは、体脂肪燃焼についてデータが明らかになっていないといわれており、やせるためのトレーニングというよりは、先述の通り運動するためのトレーニングが目的となっています。
HIIT自体の消費カロリーもわずかと言われているので、HIITを行うだけで痩せると期待するよりは、有酸素運動も組み合わせて行うようにする方が良いでしょう。
血糖値を下げる?
タバタトレーニングは高い強度の運動ですが、強度を下げたインターバル運動でも様々な効果が報告されています。
中でも、速歩きとゆっくり歩きを繰り返す「インターバル速歩」を週5回行った際、インスリン抵抗性が改善し、血糖値の低下がみられたという報告もあります。(※2)
インターバル速歩は、会話ができる程度の速度と、「きつい」と感じる程度の速度でのウォーキングを3分ずつ交互に行います。継続することで効果が期待できますので、続けて行うようにしましょう。
HIITの注意点
食事にも気を配りましょう
HIITを行った後は疲労感が強いかもしれませんが、運動した以上に食べ過ぎてしまうと、カロリーオーバーになってしまい、せっかくの運動効果も期待しにくくなってしまいます。主食・主菜・副菜を揃えたバランスの良いヘルシーな食事を心がけましょう。
前後のストレッチは十分に
HIITは強度の高いトレーニング法のため、ケガをしないように前後にストレッチなどのウォーミングを十分に行いましょう。タバタトレーニングでは行う前に、20分ものウォーミングを行っているようです。特に運動習慣のない方は、急に行わないように注意しましょう。
事前にかかりつけ医へ相談を
運動中に血圧が高くなりやすかったり、関節に大きな負担がかかったりする場合があります。事前に医師に相談してから行うようにしましょう。
HIITは短時間で終わるため、時間がない方にはぴったりの運動です。HIITなどのインターバル運動は、メリハリがあり飽きにくい運動と言われています。運動が苦手な方も、楽しく続けられるのはうれしいですよね。ウォーキングなどの有酸素運動と併用しつつ、楽しくトレーニングしましょう。
【参考・参照】
(※1)平井雄介,田畑泉 高強度の間欠的トレーニングとウエイトトレーニングが最大酸素借と最大酸素摂取量に与える影響 体力科学(1996)45,495~502
(※2)Kristian Karstoft, Kamilla Winding, Sine H. Knudsen, Noemi G. James, Maria M. Scheel, Jesper Olesen, Jens J. Holst, Bente K. Pedersen & Thomas P. J. Solomon,“Mechanisms behind the superior effects of interval vs continuous training on glycaemic control in individuals with type 2 diabetes: a randomised controlled trial.”Diabetologia 57, 2014,2081–2093
立命館大学 タバタトレーニング<http://www.ritsumei.ac.jp/rs/category/tokushu/151106/>(最終閲覧日:2021/02/19)
【執筆者】
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。
管理栄養士
広田 千尋