小麦ふすま(ブラン)|穀類

コンビニ等でも目にしたり、テレビなどのメディアでも耳にする機会が増えた「小麦ふすま(ブラン)」。何となくカラダに良いイメージはあるものの、どんな食べ物なのかよく知らないという方も多いのではないでしょうか。ふすまの栄養成分と魅力をご紹介します。

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小麦ふすまとは?

小麦を精製する際に取り除かれてしまう胚芽と表皮のうち、表皮の部分を小麦ふすま(ブラン)と言います。いわゆる小麦の「皮」の部分で、従来は食用として普及していなかったのですが、近年この「皮」の部分に栄養素がたくさん含まれていることで健康食品として注目を浴びるようになりました。小麦ふすま(ブラン)は低糖質なので、糖質カットのパンや菓子に用いられることが多く、ダイエット向け食材と言えます。

小麦ふすまの栄養と効能

食物繊維

小麦ふすまに含まれる食物繊維は100gあたり42.8g。レタス100gあたりの食物繊維が1.1gなので、小麦ふすま(ブラン)に含まれる食物繊維がいかに多いかがわかります。食物繊維には糖や脂質の吸収を穏やかにしてくれる働きや、便のかさを増やしてくれる働きがあるので、ダイエットや便秘予防には欠かせません。

ビタミンB1・B2・B6

それぞれ、糖質、タンパク質、脂質の代謝に欠かせない栄養です。
特に糖質をエネルギーに換える時に必要なビタミンB1は、ダイエット中には欠かせないビタミンです。小麦ふすま(ブラン)は、パンなどの糖質がメインの食品に使われることが多いので、糖質とビタミンB1を一緒にとることができるのはうれしいポイントですね。

は、全身に酸素を運ぶヘモグロビンの材料として不可欠な栄養素です。不足すると集中力の低下や、頭痛、食欲不振、筋力低下や疲労感といった症状が起こります。女性は生理や妊娠があるため男性より推奨量が多く、積極的に摂りたい栄養素です。主食と一緒に不足しがちな鉄分を手軽にとることができるのは魅力的ですね。

カルシウム

カルシウムは骨や歯を形成するミネラルで、骨粗しょう症予防には不可欠です。体内のカルシウムのうち、99%は歯や骨に存在していますが、残りの1%は止血をするために使われたり、筋肉の収縮に関わったりしています。日本人のカルシウム摂取量は不足していますので、骨粗しょう症予防には意識して摂りたい栄養素です。

カリウム

カリウムには体内の水分バランスを調整する働きがあり、摂りすぎたナトリウムを体外へ排出してくれるので、むくみ予防に役立ちます。小麦粉(薄力粉)100gに含まれるカリウムは110㎎に対し、小麦ふすま(ブラン)には1182㎎と10倍以上のカリウムが含まれています。

小麦ふすま(ブラン)の取り入れ方

ブランパン(小麦ふすま入りパン)

糖質カットのパンとして人気で、コンビニなどで手軽に手に入れることができます。コンビニによっては糖質量がかなりカットされており、種類も豊富なので、ダイエット中の方にはぴったりのパンです。食事パンだけではなく、高カロリーになりがちな菓子パン類のカロリーも抑えられているのがうれしいですね。

シリアルや菓子類

小麦ふすま(ブラン)を使ったシリアルは、シンプルなものからフルーツ入りのものまで様々なものがあります。忙しい時や食欲がない朝でもサッと食べられるので、朝食としておすすめです。ただし、砂糖が使われており糖質量は多くなっているため、食べすぎには注意が必要です。
菓子類では、クリームがはさまれたものや、クッキーなどがコンビニやスーパーで販売されています。こちらも砂糖が多く使われていますが、腹持ちがよく、食物繊維が豊富なので、少量をおやつに取り入れてもよさそうですね。

小麦ふすま(ブラン)は少しクセのある風味と食感が特徴なのですが、商品によってさまざまですので、お気に入りのものを見つけてみてくださいね。今は種類も豊富なので、選ぶ楽しさもあるでしょう。
主食の代わりや、間食としてなど、自分に合った取り入れ方を探してみてくださいね。

【参考・参照】
厚生労働省 eヘルスネット <https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/>(最終閲覧日:2019/08/17)

USDA FoodData Central <https://fdc.nal.usda.gov/>(最終閲覧日:2019/08/17)

【執筆者】
コントラクトフードサービス大手(株)グリーンハウスに入社、社員食堂のメニュー提案や栄養指導業務を経て、2009年「あすけん」に参加。アドバイス作成やサービス開発に携わる傍ら、年間150件以上の栄養指導やプロアスリート選手の食事サポート、セミナーなどを実施。現在はフリーランスに転向し、幅広く活躍。

衞藤敬子

管理栄養士
衞藤敬子

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