知って選ぼう!お茶に秘められたうれしい効果とは
忙しい毎日を過ごす中で、ホッと一息つけるお茶。「お茶でも飲みましょうか」と言うと、日本茶・紅茶・ハーブティー・コーヒーなど嗜好飲料全般指すことが多いですね。日本には多くのお茶が存在し、私たちの生活に潤いを与えてくれます。今回は茶葉から淹れたお茶がもつ栄養や効能をご紹介します。
お茶とは
緑茶・ウーロン茶・紅茶は、実は全て同じ「チャ」というツバキ科の植物から作られています。「チャ」の木の種類や育て方、作り方の違いで、色々な種類のお茶に分かれます。
大きくは、緑茶は「不発酵茶」、紅茶は「発酵茶」、ウーロン茶などの中国茶は「半発酵茶」に分類されます。それらをお湯で浸出したものを「お茶」と呼び、私たちの身近な飲み物として飲んでいます。
お茶の種類と効果
緑茶
茶葉にはカロテン・ビタミンK・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンC・ナイアシン・葉酸・パントテン酸が豊富に含まれています。
これらの成分は、浸出した液にはほとんど出てきませんが、カフェイン・カテキン・テアニンなどの水溶性成分は摂取できます。カフェインは脳の覚醒作用・利尿作用があります。カテキンは渋み成分で、高い抗酸化作用・殺菌作用をもち、高血圧予防・歯周病予防の効果があることで知られています。
●煎茶・・・一般的な緑茶。標準的な蒸し時間で蒸してから乾燥させます。
●深蒸し煎茶・・・普通煎茶よりも2~3倍の時間をかけて蒸したもの。苦味が少なく濃い味わい。
●抹茶・・・茶葉を細かく粉にしたものをお湯で溶いて飲むため、お茶の成分をそのまま摂ることができます。
●玉緑茶・・・葉の形を整える工程を省いた、葉が勾玉型の形をしたお茶。さっぱりした味わい。
●かぶせ茶・・・茶葉を摘む7日前から茶園を覆って栽培。普通煎茶と玉露の中間的なお茶。
●玉露・・・お茶の新芽が伸び始めから20日間ほど、日光を遮り栽培したもの。旨味が強く、苦味・渋みが少ない。カフェインは多く、100g中160mg含むので(※1)集中力を出したい時などに一服するのも良いかもしれません。
ほうじ茶
煎茶や番茶などを強火で焙じて作った茶。香ばしい香りと味が特徴。高温でいることにより、カフェイン含有量は100g中20mg(※1)と少めです。カフェイン少なめのお茶をとりたい時にはおすすめです。
紅茶
銘柄名となっている産地の気候や風土によって、品質や香りが異なり、さまざまな個性を持っています。カフェインは浸出液100g中30mg(※1)とほうじ茶同様少なめです。
ウーロン茶
中国茶の代表として有名です。製造方法の違いにより、カテキン類は減少しますがポリフェノール類の一種であるテアフラビン類などに変化し、抗酸化・抗菌・脂肪吸収抑制などの働きがあります。油を多く使う料理の際には、ウーロン茶を一緒に飲むと良いとされるのは、このポリフェノール類の効果なのです。
その他のお茶
これらの茶葉以外にも、大麦を焙煎して作る麦茶や、クマザサ茶・ドクダミ茶・甘茶などの薬草を使ったものも「茶」と呼ばれています。植物の個性や効能を生活に取り入れた飲み物なので、自身の体調や好みに合わせて選んで楽しめます。
⇒ハーブティーの栄養成分とその効果について
お茶は、古くは中国から日本に伝わり、寺院や武家を中心に発展しました。主に家の中で飲むものでしたが、今ではペットボトルで気軽に広く親しまれています。日本茶にもたくさんの良い効能があるので、普段コーヒーや紅茶を好んでいる方も、選んでみてはいかがですか?
【参考・参照】
(※1) 文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
・NPO法人日本茶インストラクター協会
〈https://www.nihoncha-inst.com/basic/about_tea.html〉(最終閲覧日2018/3/1)
【執筆者】
コントラクトフードサービス大手(株)グリーンハウスに入社、社員食堂のメニュー提案や栄養指導業務を経て、2009年「あすけん」に参加。アドバイス作成やサービス開発に携わる傍ら、年間150件以上の栄養指導やプロアスリート選手の食事サポート、セミナーなどを実施。現在はフリーランスに転向し、幅広く活躍。
管理栄養士
衞藤敬子
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