脳の栄養補給!欠かさず摂りたいビタミン・ミネラル7つ
「最近なかなかやる気が出ない」と感じている方はいませんか?それは脳の栄養不足かもしれません。脳内物質(セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリン)はタンパク質(アミノ酸)から作られますが、そのためにはビタミンやミネラルが必要不可欠です。
セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、心のバランスを整え、ドーパミンは「快感」をつかさどり、意欲・学習などに関係します。ノルアドレナリンは、やる気や集中をつかさどり、不安や緊張とも関与します。そこで、脳の栄養補給に大切なビタミン・ミネラル7つをご紹介します。
脳内物質を作るのに不可欠なビタミン4つ
ナイアシン
ナイアシンは、アミノ酸の一種チロシンからドーパミンを作る際に必要です。また、必須アミノ酸の一種トリプトファンからセロトニンを合成するときに使われます。
さらに、毎日141㎎のナイアシンを摂取することで老若男女問わず記憶力が10~40%も上昇したという報告がされています。(※1)心の病気の回復や、記憶力の改善に欠かせません。
葉酸
葉酸は、チロシンからドーパミン、トリプトファンからセロトニンを合成する際に用いられます。気分を向上させるために効果的な栄養素の1つで、うつ病などの心の病気の人の3分の1が葉酸不足状態といわれています。(※2)
⇒栄養士が伝授!葉酸を効率良く摂るポイント4つ
ビタミンB6
ビタミンB6もチロシンからドーパミン、トリプトファンからセロトニンを作る際に使われます。そのほか、気分の落ち込みを和らげる働きがあります。
ビタミンC
ビタミンCはドーパミンからノルアドレナリンを作る際に使われます。その他、脳内物質を合成したり、ストレスに対抗するためのホルモンの生成に必要です。特にストレスが多い人や喫煙者などはビタミンCの需要が高まるので積極的に摂りましょう。
ビタミンCの不足が原因で、なかなか疲れが取れなくなったり、落ち込みやすくなるなど心の不調へ繋がることも。(※3)
⇒仕事の合間にリフレッシュ!ストレス対策におすすめの間食5つ
脳内物質を作るのに不可欠なミネラル3つ
鉄分
鉄分はチロシンからドーパミン、トリプトファンからセロトニンの合成を助けます。
体内の鉄分が不足することにより、十分な脳内物質が作られず、メンタル面に影響を与えてしまいます。また、鉄は睡眠覚醒と関係があり、不足によって夜中に目が覚めたり、寝起きが悪くなるなどの症状が現れやすくなります。
銅
銅は、ドーパミンからノルアドレナリンを作る際に使われます。また、銅は鉄分の働きをサポートしてくれます。貧血気味の女性は銅の摂取にも気を付けましょう。
マグネシウム
マグネシウムはセロトニンから「睡眠ホルモン」のメラトニンを合成する際に用いられます。原料となるトリプトファンと合わせて摂れば良質な睡眠をサポートしてくれますよ。また、神経や筋肉の細胞を落ち着かせる働きがあるため、不足によって不安やイライラが起こることもあります。
慢性的なストレスによって、脳は大量のセロトニンやノルアドレナリンなどの脳内物質を作って対応します。それらの原料となるビタミン・ミネラルも大量に消費させるため、普段から積極的に摂り、脳の栄養補給も意識していきましょう。
【参考】
(※1)生田哲 食べ物を変えれば脳が変わる PHP新書(2012年P87)
(※2)生田哲 食べ物を変えれば脳が変わる PHP新書(2012年P174)
(※3)生田哲 食べ物を変えれば脳が変わる PHP新書(2012年P225)
姫野友美 「心療内科に行く前に食事を変えなさい」青春出版社(2016年P79、88~90、118)
生田哲 「食べ物を変えれば脳が変わる」PHP新書(2012年P28、91、97、175、195、198、225)