栄養士が厳選!脳の調子を整えてくれる食べ物6選
脳のエネルギーである脳内物質は、普段の食事から摂取された栄養素が原料となっています。偏った食生活で栄養不足の状態が続くと、体調面だけでなく、集中力の低下など脳にも悪影響を及ぼします。脳の不調を「疲れているから」「睡眠不足だから」と、体調のせいにしていませんか?足りない栄養素を補うことで、頭が冴えて仕事の効率アップも期待できるかもしれません。
脳の調子を整えてくれる食べ物6選
1.卵
卵黄に含まれるレシチンは、アセチルコリンという神経伝達物質の原料となります。アセチルコリンは記憶力に関係しているため、レシチンを補うことで、記憶力の改善が期待できます。
また、卵には9種類の必須アミノ酸がすべて含まれ、アミノ酸から神経伝達物質を合成する際に必要なビタミンB群も含まれています。
2.青魚
青魚の脂肪には、オメガ3脂肪酸のDHA・EPAが含まれています。DHA・EPAは脳細胞同士の情報のやりとりをスムーズにし、学習能力を向上させる働きがあります。
また、DHA・EPAは熱や酸化に弱く、焼いたり揚げたりといった調理法ではこれらの成分も減ってしまうため、刺身など生食がおすすめです。酸化されやすい性質もあるため、抗酸化ビタミンを多く含む緑黄色野菜などと一緒に摂ると、体内での酸化防止に役立ちます。
そして、神経伝達物質の合成に関わるビタミンB6も含まれています。ビタミンB6が不足すると、神経の高ぶりを抑えられなくなり、不眠症や神経過敏といった症状を引き起こすことがあります。(※1)
3.バナナ
バナナには、必須アミノ酸の1種であるトリプトファンが含まれています。トリプトファンから合成される神経伝達物質のセロトニンは、気分・感情のコントロールに働き、幸せホルモンといわれています。
また、バナナに含まれる糖質にはブドウ糖・果糖・ショ糖があり、それぞれ消化吸収にかかる時間が違うため、脳へのエネルギー供給が持続します。糖がエネルギーになるために必要なビタミンB群やミネラルも含まれているため、バナナ1本で脳への栄養補給ができるのです。
4.くるみ
くるみに含まれるオメガ3脂肪酸はα-リノレン酸とよばれ、DHA・EPAが合成されます。DHA・EPAは、脳神経の発達や維持に欠かせません。くるみに含まれるオメガ3脂肪酸の量は、ナッツ類の中でもトップクラスです。その脂質を効率よく吸収するには、よく噛んで食べることが大切。シリアルに混ぜたりサラダにトッピングすると、毎日手軽に摂ることができます。
ただ、良質といっても脂質を多く含むため、カロリーは高めです。食べすぎには注意しましょう。1日7~8粒ほどが目安です。
⇒栄養士がおすすめ!記憶力をサポートする3つの脂質
5.納豆
納豆には、神経伝達物質の原料となるトリプトファンだけでなく、その合成をサポートするマグネシウム・ナイアシン・ビタミンB6も豊富に含まれます。また、自律神経の調整を担い神経の興奮を抑える働きのあるカルシウムや、その吸収を高めてくれるビタミンKも含まれます。
6.レバー
レバーに豊富な鉄分は、全身に酸素を運ぶ働きだけではなく、神経伝達物質の分泌にも関わっています。不足すると注意力の低下を招くこともあります。鉄分は吸収されにくい栄養素ですが、味付けに酸味や辛味をプラスすると胃酸の分泌がよくなり、吸収されやすくなります。
また、脳機能の正常な働きや神経伝達物質の合成に欠かせないビタミンB群も含まれています。
⇒女性が特に意識すべき鉄分を効率的に増やすコツ
どの栄養素も、それ単体ではなくチームで働きます。さまざまな食材を組み合わせることで、吸収されやすくなったり、効率良く利用されます。3食バランスよく食べることを意識し、脳の栄養不足を防ぎましょう。
【参考・参照】
(※1)厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)
〈https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html〉(最終閲覧日2020/05/09)