蕎麦・うどん好きのあなたへ!栄養バランスが整うおすすめの食べ方

パパっと食べられておいしい蕎麦やうどん。よく外食ランチで選ぶ方も多いのではないでしょうか。しかし蕎麦やうどんだけだと、栄養バランスが炭水化物に偏りがちです。蕎麦やうどんを食べる機会の多い方は、ぜひ栄養バランスの整え方を知っておきましょう。

今回は蕎麦やうどんの栄養素やカロリー、おすすめのトッピング、避けたい食べ方を紹介します。

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蕎麦、うどんの栄養素やカロリーは?

蕎麦やうどんは炭水化物に偏りがち、といえども、栄養素やカロリーはそれぞれ異なります。

まず蕎麦は、カリウム、ビタミンB群、食物繊維などが含まれており、麺類の中でも含有量が豊富です。

一方でうどんは、同じ重量で比較した際に、蕎麦よりカロリーが控えめです。1食あたりの量は、うどんが250g、蕎麦が200g程度のことが多いのですが、それでもうどんのほうがカロリーが低くなっています。

実際に、1食あたりのカロリーや栄養成分値を確認してみましょう。

カロリー たんぱく質 脂質 炭水化物 食物繊維 カリウム ビタミンB1
蕎麦(ゆで・200g) 260kcal 9.6g 2.0g 52.0g 5.8g 68mg 1.6mg 0.10mg
うどん(ゆで・250g) 238kcal 6.5g 1.0g 54.0g 3.3g 23mg 0.5mg 0.05mg

出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
※どちらも生麺を麺を茹でた場合の栄養成分値。蕎麦の原材料配合割合は、小麦粉65:蕎麦粉35

栄養素をたっぷり摂りたいときは蕎麦、お腹いっぱい食べたいときはうどん…などと、気分やシーンによって選ぶのもよいのではないでしょうか。

栄養バランスが整うおすすめのトッピングとは

炭水化物に偏りがちな麺類は、たんぱく質や食物繊維を摂れるトッピングがおすすめです。具体的にどのようなものがあるのか、詳しく見てみましょう。

温泉卵、生卵などのトッピングは、良質なたんぱく質をプラスできます。肉や魚に比べるとカロリーや脂質が少ないため、ダイエット中の方にもおすすめです。

豚肉・牛肉

肉うどんを選んだり、豚しゃぶなどがトッピングできるメニューを選んだりすると、たんぱく質を強化できます。さらに豚肉は糖質の代謝に必要なビタミンB1を補給でき、牛肉は貧血予防に欠かせない鉄を補給できるため、どちらも元気な毎日をサポートしてくれるでしょう。

きつね

きつね(油揚げ)は大豆から作られているため、卵や肉と同じようにたんぱく質を補給できます。ただし、卵や肉類に比べると、たんぱく質の量は少なめです。夕食では、たんぱく質をしっかり摂れる、肉や魚、卵を使ったメニューをとり入れるようにすると、1日の栄養バランスを整えやすくなります。

わかめ

手軽に食物繊維をプラスしたいときは、わかめのトッピングを選んでみましょう。わかめなどの海藻に含まれる水溶性食物繊維は、糖や脂質の吸収を穏やかにしてくれるため、健康づくりに役立ちます。

大根おろし・ねぎなど

大根おろしねぎのトッピングも、食物繊維をプラスしたいときにおすすめです。

大根おろしは食物繊維はもちろん、消化を助けるジアスターゼという酵素が含まれています。

また、ねぎは「薬味」と思うかもしれませんが、意外にも栄養豊富です。食物繊維以外にも、カリウムやカルシウム、鉄、ビタミンCなど、さまざまな栄養素を含んでいます。ねぎの量を選べる場合は、いつもより少し多めに入れてみてもよいでしょう。

健康に気遣いたいときに避けたいトッピング・食べ方とは

反対に、健康に気遣いたいときは、避けたいトッピングや食べ方があります。蕎麦やうどんを食べる機会の多い方は、ぜひチェックしてみてください。

「肉×天ぷら」などの複数トッピング

肉、天ぷらなどの主菜となるものを複数トッピングするのは避けるようにしましょう。脂質の摂りすぎにつながり、カロリーオーバーしやすくなってしまいます。

選ぶ場合はどちらかひとつだけにして、わかめや大根おろしなどのトッピングもプラスできるとよいでしょう。

ミニどんぶりをプラス

麺に「ミニどんぶり」をプラスしていませんか?脂質や食塩の摂りすぎにつながるおそれがあり、できれば一緒に食べるのは控えたいものです。

もし主食の量を増やしたい場合は、麺の量を少し増やしたり、シンプルな白ご飯(おにぎり)をプラスしたりしてみましょう。「炭水化物を摂りすぎるのでは?」と思うかもしれませんが、活動量の多い方や体格のよい方などは、1玉では主食の量が足りない場合があります。また、どんぶりを選ぶ場合に比べて、脂質や食塩の摂取量を減らせます。

また、食べすぎの傾向のある方は、卵や野菜などでボリューム感を出したり、よく噛んで食べたりすると、食べすぎを防げるでしょう。

汁を飲み干す

蕎麦やうどんの汁を飲み干すのは、控えるようにしましょう。汁には食塩が含まれており、飲み干すと1日分の食塩摂取の目標量(男性7.5g未満、女性6.5g未満)をあっという間にオーバーすることもあります。

食塩の摂りすぎは高血圧や胃がん、骨粗鬆症などに関連することが知られています。将来の健康を守るためにも、麺類の汁は少量楽しむようにしましょう。

 

時々食べる程度であれば好きなメニューを楽しみたいものですが、食べる機会が多い方や、外食が多い方は、食べ方を工夫してみましょう。ちょっとした気遣いで栄養バランスが整いますので、ぜひ次に食べる際は試してみてくださいね。

 

【参考・参照】
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
カロリー計算:食事管理アプリ『あすけん』調べ

【執筆者】
管理栄養士。病院、保健センター、保育園で幅広い年代の栄養サポートに携わる。現在はフリーランス管理栄養士として、ライターやレシピ制作を中心に活動中。あすけんではコラム執筆などを担当している。HP:https://hirotachihiro.com/

広田 千尋

管理栄養士
広田 千尋

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