生理中のダイエットはゆったり気分で~心とカラダをいたわる食事のポイント~
生理前から生理中は、生理後の痩せやすい時期に比べて食欲が増えたり、イライラしたり、心とカラダが不調になりやすい時期。そんなときは、どのようなものを食べたらよいのでしょうか?心とカラダをいたわりながら、無理なく取り組める生理中のダイエットのポイントをご紹介します。
生理前から生理中のカラダの変化
生理前から生理中は、ホルモンバランスの変化により、食欲が増えたり、イライラしたり、カラダのだるさを感じる時期とされています。これらの症状は、人によってさまざまですが、プロゲステロンというホルモンの分泌が優位になることが原因であると考えられています。逆に、生理後はエストロゲンというホルモンの分泌が高まることで、むくみがとれ、気持ちも安定しダイエットに向いている時期と言えるでしょう。
生理中におすすめしたい食事のポイント
朝食をとって体内リズムを整える
朝食は、1日のカラダの動きを順調にスタートさせるスイッチとなる大切な食事です。食事を摂ることで、体温が上がりエネルギーが消費されます。さらに、よく噛んで食べることでエネルギー消費がされやすくなると言われています。朝食を抜きがちな方は、まずは朝食を摂りエネルギー消費をしやすいカラダをつくりましょう。
カラダを温める食事を心がける
生理痛は、カラダを温めることで症状を和らげると言われています。カラダを温めるとされる食材は豚肉、うなぎ、アーモンド、生姜などがあげられます。また、カラダを温める食事の工夫として、サラダを具だくさんスープにしたり、冷ややっこを湯豆腐にしたり、冷たいメニューを温かいメニューに変えてみましょう。
塩分控えめな食事を意識する
生理中にむくみが気になる方は、むくみの原因のひとつである塩分のとり過ぎに気をつけましょう。加工食品は塩分が多くなりがちなので控えた方がよいですが、どうしてもというときは減塩食品で代用してみましょう。減塩の調味料を普段使いするのもおすすめです。また、余分な塩分を体外へ出す働きがあるカリウムを含む、納豆・ほうれん草・じゃがいも・バナナなどを摂るようにしましょう。
甘さは自然なものをとり入れる
甘いものが食べたくなる時期は、我慢せず自然な甘みを活かしましょう。やさしい甘みのはちみつ、生理中に不足しがちな鉄分を含むプルーン、腸の働きを整える食物繊維を含む焼き芋などダイエットを意識したものを選んでみましょう。
運動と睡眠のポイント
適度にカラダを動かす
適度な運動はリラックス効果があるとされています。生理が気になる方は、上半身だけで行えるストレッチやヨガをとり入れてみましょう。また、マッサージは血流をよくすることがわかっています(※1)。運動の代わりにとり入れてみましょう。
メリハリのある生活で質の良い睡眠を
生理前から生理中にかけてホルモンバランスが大きく変化することから眠りが浅くなったり、日中眠くなったりすると考えられています。厚生労働省の睡眠対策では、「規則正しい食生活は、よい睡眠をもたらす(※2)」としています。朝の起床時間を一定にする、日中に光を浴びる、適度にカラダを動かす、規則正しく食べるなど、生活にメリハリをつけましょう。
生理前から生理中は、カラダの不調を感じやすい時期。まずは、心とカラダをいたわり、これから迎える生理後の痩せやすい時期に向けて、ゆったりとした気持ちで過ごしましょう。
【参考・参照】
(※1) 原田 脩平他 「マッサージに血流効果はあるのか」Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集) P3-585 〈 https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2008/0/2008_0_F3P3585/_pdf/-char/ja〉
(※2) 厚生労働省 睡眠対策〈https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf〉(最終閲覧日:2022/8/27)
厚生労働省 eヘルスネット 食事誘発性熱産生 / DIT〈https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-030.html〉(最終閲覧日:2022/8/27)
厚生労働省 eヘルスネット ストレッチング効果〈https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-04-006.html〉(最終閲覧日:2022/8/27)
厚生労働省 eヘルスネット 女性の睡眠障害〈https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-005.html〉(最終閲覧日:2022/8/27)
厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020年版〈https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html〉(最終閲覧日:2022/8/27)
文部科学省 食品成分データベース〈https://fooddb.mext.go.jp/〉(最終閲覧日:2022/8/27)
【執筆者】
仕事に没頭しすぎたことで体調を崩したことをきっかけに、健康的なカラダが仕事の質を良くするという思いを胸に約6年勤めた会社を退社し、栄養士の資格を取得。その後、JICA青年海外協力隊として2年間、中米グアテマラで現地の栄養教育を経験。現在は、病院で食事・栄養管理に関わる仕事と子育てをしながら、あすけん栄養士としてコラムの執筆やオンライン栄養カウンセリングを担当。
栄養士
保延 弘美