パイナップル|果物 

甘酸っぱくジューシーなパイナップルは、手ごろな価格で年中手に入れることができます。私たちにとって身近な果物のひとつですが、どんな栄養素が含まれるか気になりますよね。今回はパイナップルの持つ栄養とその効果、美味しい食べ方をご紹介します。

fd400923

パイナップルの栄養と効果

生と缶詰の違い

缶詰のパイナップルは、生のパイナップルをシロップ漬けにして作られます。100gあたりの栄養素の違いは以下の通りです。

  エネルギー 炭水化物 カリウム ビタミンC
53kcal 13.7g 150㎎ 35㎎
缶詰 84kcal 20.3g 120㎎ 7㎎

 

缶詰はシロップ漬けにされるため、エネルギーや炭水化物は生のものより多くなり、ビタミンやミネラルは減ってしまうことがわかります。特にビタミンCは5分の1にまで減ってしまっています。

手軽に食べられる缶詰ですが、カロリーを抑えたい方や、ビタミンやミネラル補給をしたい方は、生のものをおすすめします。

ビタミンC

パイナップルのビタミンCは、バナナの2.2倍、りんごの8.8倍と豊富に含まれています。ビタミンCは、コラーゲンを生成したり、植物性食品からのの吸収を高めたり、さらに免疫機能の働きにも関わるなど、さまざまな働きがあります。
8分の1切れ(約140g)にはビタミンCが49㎎含まれ、1日に必要な量の約半分のビタミンCを摂ることができます。

カリウム

パイナップルに豊富に含まれるカリウムには、体内の水分バランスを調整する働きがあり、ナトリウムをカラダの外に出しやすくする作用があります。塩分の摂り過ぎを調節するのに役立ち、血圧を下げたり、むくみを予防したりする効果が期待できます。

ビタミンB1

ビタミンB1は糖質をエネルギーにかえる時に必要な栄養素です。不足すると、倦怠感・食欲不振・手足のしびれが症状の脚気という病気の原因や、疲労感の原因のひとつとなるとされています。糖質を多く摂ると必要量が高まりますが、パイナップルには糖質と一緒にビタミンB1も豊富に含まれるため、効率的に栄養素を摂ることができます。

パイナップルの美味しい食べ方

生パイナップルの切り方

パイナップルの上下を切り落とし、縦に8等分します。それを横に寝かせて芯の部分を切り落とし、皮も切り離します。その後食べやすい大きさに切れば完了です。
大変そうに思えますが、一度切り方を覚えれば意外と簡単なものですよ。切ったものは冷凍してもOKです。

カットパイナップルを利用

生のパイナップルを切るのが面倒、という方は、カットされたものを購入しても良いでしょう。スーパーや、最近ではコンビニでも見かけるようになりました。冷凍パイナップルも売っていますので、そちらを利用してもいいですね。

料理やお菓子作りに

定番の酢豚や、パイナップルの肉巻きなど、肉料理と相性が良いですよ。お菓子もパウンドケーキやマフィンなど、甘酸っぱい味がアクセントになります。
また、パイナップルにはブロメリンというタンパク質分解酵素が含まれており、肉を柔らかくする効果があります。(※1)肉の下ごしらえにパイナップルの切り身を載せたり、果汁をふりかけたりすると、30分ほどで肉を柔らかくすることができますよ。

パイナップルは8分の1を食べても74kcal。ビタミンやミネラルも一緒に摂れるので、ダイエット中の間食に良さそうですね。手軽に手に入るパイナップルで、おいしく栄養素を補給しましょう。

 

【参考・参照】
(※1)農林水産省 消費者相談<https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1612/01.html>(最終閲覧日:2020/03/30)
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版) 水溶性ビタミン<https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586563.pdf>(最終閲覧日:2020/03/30)
文部科学省 食品成分データベース <https://fooddb.mext.go.jp/>(最終閲覧日:2020/03/30)
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報<https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail173.html>(最終閲覧日:2020/3/30)
厚生労働省 「統合医療」情報発信サイトhttps://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/09.html(最終閲覧日:2020/3/30)
厚生労働省 eヘルスネット<https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/>(最終閲覧日:2020/3/30)
農林水産省 脚気の発<http://www.maff.go.jp/j/meiji150/eiyo/01.html>(最終閲覧日:2020/3/30)

【執筆者】
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。

広田 千尋

管理栄養士
広田 千尋

ページトップ