レンズ豆|豆

レンズ豆は、直径4〜8mmと小さく、扁平で凸レンズのような形が特徴で、別名では「ひらまめ」とも言います。豆の色は緑色や緑褐色等で、皮を取ったものは黄色~赤橙色等になります。
レンズ豆は、大豆などほかの豆とは違い、水に浸したり下茹でしたりする必要がないため、調理の手間がかかりません。カロリーは、茹でた状態で100gあたり170kcalと大豆とほぼ同じです。大豆と違い、脂質は0.8gとほとんど含まない代わりに、炭水化物が約3.5倍とやや多いのですが、以下の栄養が豊富なので、食べ過ぎないように留意しつつ取り入れると良いでしょう。

Lentils bean on white background

レンズ豆の栄養と効果

鉄は全身に酸素を運ぶヘモグロビンの材料として欠かせない栄養素です。貧血を予防したり、疲労の回復を助けたりする働きがあります。15歳~69歳女性の1日に必要な鉄の量は10.5mg (月経ありの場合の推奨量)ですが、レンズ豆には100gあたり4.3㎎と豊富に含まれます。

亜鉛

亜鉛は皮膚や粘膜の健康維持に必要な栄養素で、味覚を正常に保つ働きもあります。不足すると皮膚炎や味覚障害、免疫力の低下がみられることがあります。1日に必要な量である8~10㎎(18~69歳の男女)のうち、レンズ豆100gで2.5㎎をとることができます。

ビタミンB1

ビタミンB1は糖質をエネルギーにかえるときに必要な栄養素です。糖質を多くとると必要量が高まるため、糖質が比較的多いレンズ豆にビタミンB1も一緒に含まれているのはうれしいポイントです。不足すると疲労感や倦怠感の原因のひとつとなるとされているため、糖質やアルコールをよく摂取する方は意識してとりましょう。

食物繊維

食物繊維は100gあたり9.4gと豊富に含まれ、成人の1日に必要な食物繊維の約半分をとることができます。大豆や小豆に比べても多く含まれており、便秘の解消に役立ってくれるでしょう。腹持ちが良いため、食べ過ぎ予防効果も期待できます。

レンズ豆のおいしい食べ方

レンズ豆には皮付きと皮なしのものがあり、栄養を丸ごととることができる皮付きがおすすめですが、皮なしの場合だと調理が速く済むため、調理法によって使い分けても良いでしょう。
乾燥したものは使いたい分だけ使うことが出来ますが、より手軽に使いたい場合は茹でた状態のものが缶詰やパック詰となって売られています。乾燥のものをまとめて茹でておいて、小分けして冷凍しておくのも良いですね。

サラダのトッピングとしても良いですが、豆の風味が気になる場合は鶏肉とトマトと一緒に煮込んだり、キーマカレーの具材にしたりするなど、濃厚な味付けにすると食べやすいでしょう。

小さくてかわいらしいレンズ豆には魅力的な栄養がたくさん詰まっています。手軽に取り入れられる豆料理として、日々の食生活にぜひ取り入れてみてくださいね。
【参考・参照】
・文部科学省 食品成分データベース <https://fooddb.mext.go.jp/>(最終閲覧日:2019/09/01)
・厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)<https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html>(最終閲覧日:2020/05/09)
・厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』「統合医療」情報発信サイト
<http://www.ejim.ncgg.go.jp/public/index.html>(最終閲覧日:2019/09/01)
・「健康食品」の安全性・有効性情報
<https://hfnet.nibiohn.go.jp/>(最終閲覧日:2019/09/01)

 

【執筆者】
コントラクトフードサービス大手(株)グリーンハウスに入社、社員食堂のメニュー提案や栄養指導業務を経て、2009年「あすけん」に参加。アドバイス作成やサービス開発に携わる傍ら、年間150件以上の栄養指導やプロアスリート選手の食事サポート、セミナーなどを実施。現在はフリーランスに転向し、幅広く活躍。

衞藤敬子

管理栄養士
衞藤敬子

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