ムール貝|魚介類

ムール貝は、「いがい」といい、殻はしずくのような形をしており、紫黒色でところどころ光沢がある見た目が特徴の二枚貝です。中身はぷりっとした見た目ですが、食感はなめらかで貝の濃厚なうまみをたっぷり味わえます。
主な産地はヨーロッパで、イタリアンやフレンチ、スペイン料理に使われることが多い食材です。100gあたり72kcalと、あさりに比べるとカロリーは高めですが、タンパク質が10.3gと豊富で、脂質は1.6gと少ないため、ダイエット中のタンパク源としておすすめできる食材です。殻付きで1個40g前後ですが、中身は16g程度ですので、1個あたりは11kcalとなります。

Spaghetti seafood pasta with clams and prawns. White wine glass.

ムール貝の栄養成分と効果

鉄は全身に酸素を運ぶヘモグロビンの材料として欠かせない栄養素です。貧血を予防したり、疲労の回復を助けたりする働きがあります。15歳~64歳女性の1日に必要な鉄の量は10.5~11.0mg (月経ありの場合の推奨量)ですが、ムール貝には100gあたり3.5㎎と豊富に含まれているため、鉄が不足しやすい女性にはうれしい食材ですね。
貝類に含まれる鉄は非ヘム鉄といい、ビタミンCと合わせてとることで吸収率が高まります。ビタミンCが含まれるレモンを絞って食べたり、生野菜と一緒のタイミングで食べたりすると良いでしょう。

ビタミンB2

ビタミンB2は皮膚、爪、髪の毛の健康を維持すると言われ、口角炎や口内炎の予防にも効果が期待できます。ダイエット中の方や、美容が気になる方にはうれしい栄養素ですね。

ビタミンB12

ビタミンB12は赤血球の形成を助ける栄養素で、不足すると巨赤芽球性貧血という貧血の原因となることで知られています。動物性食品に多く含まれ、植物性の食品にはほとんど含まれず、野菜や大豆製品など植物性食品ばかりに偏った食生活では不足する可能性があるので、ダイエット中の方は特に注意が必要です。

ムール貝のおいしい食べ方

一般的には自宅で調理することは少ない食材ですが、殻付きのまま冷凍で販売されているものや、国産のものがスーパーや鮮魚店に出回ることもあります。オイル漬けやワイン蒸しにされて缶詰となっているものもあるので、手軽に取り入れることもできます。

殻付きのものは、酒蒸し・パスタ・パエリアなどに使えます。貝の出汁でうまみがたっぷりなため、調味料は控えめでもおいしく食べられますよ。足糸がついているものは、調理前に手で取り除いて下さいね。
缶詰のものは、そのまま食べても良いですが、漬け汁ごとパスタに使ったり、きのこや野菜と一緒に蒸したり炒めたりと、料理にアレンジしても良いでしょう。

貝類はカロリーが控えめなものが多く、ダイエット向けの食材ですが、あさりやしじみだけでなく、たまにはムール貝を食卓に取り入れてみませんか。見た目が華やかになるので、おもてなし料理にもおすすめですよ。

 

【参考・参照】
・文部科学省 食品成分データベース<https://fooddb.mext.go.jp/>
・厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)<https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html>(最終閲覧日:2020/05/09)
・「健康食品」の安全性・有効性情報<https://hfnet.nibiohn.go.jp/>(最終閲覧日:2019/9/11)

【執筆者】
コントラクトフードサービス大手(株)グリーンハウスに入社、社員食堂のメニュー提案や栄養指導業務を経て、2009年「あすけん」に参加。アドバイス作成やサービス開発に携わる傍ら、年間150件以上の栄養指導やプロアスリート選手の食事サポート、セミナーなどを実施。現在はフリーランスに転向し、幅広く活躍。

衞藤敬子

管理栄養士
衞藤敬子

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