発生数は夏がピーク!細菌性食中毒を防ぐ心得とは

高温多湿な状態が続く6〜9月は、細菌性の食中毒の発生率が高まります。そして、原因となる細菌は、キッチンに潜んでいることも・・。簡単にできる3つの予防法を実践し、食中毒を起こさないように注意しましょう。pixta_22725366_S

夏に多発!細菌性食中毒ってどんなもの?

細菌性食中毒は、カンピロバクター・O-157・サルモネラ菌などの細菌によって引き起こされる食中毒。下痢・腹痛・高熱などの症状が起こります。
これらの原因菌は、高温多湿の環境を好むため、夏場に多く発生するのが特徴。平成27年の患者数は6,029人と多く、飲食店だけでなく家庭でも発生しています。

家庭で食中毒にならないための3つの原則

1.食中毒菌を「つけない」

食中毒は原因となる細菌が食品に付着し、体内に入り込むことによって起こります。細菌を食品につけないためには、正しい手洗いと食品・調理器具を適切に扱うことが重要です
《手洗いのポイント》

    • 汚れたら手洗いをする。(調理前・トイレ後・生ものを触った後・鼻をかんだ後など)
    • 指のすき間など、洗いにくい部分も洗う。
    • 殺菌力のある石けんを使う。
    • 清潔なタオルやペーパータオルで手を拭く。

《食品と調理器具を扱うポイント》

  • 使うたびにまな板を洗う。
  • 生野菜など火を通さないものと、肉・魚に使うまな板と包丁を分ける。
  • バーベキュー・鉄板焼きでは、生の肉・魚を扱う箸と食べるための箸を分ける。
  • 食材は、清潔な密封容器に入れるか、ラップをかけて冷蔵保存する。

2.食中毒菌を「増やさない」

調理前の食材や惣菜は、速やかに冷蔵庫や冷凍庫で保管してください。というのは、細菌の多くは10℃以下で増殖が遅くなり、マイナス15℃以下で増殖が停止するためです。
また、調理した料理は早めに食べることを心がけ、残ったおかずは直ちに冷蔵庫に入れましょう。冷蔵庫を過信せず、早めに食べきることも大切です

3.食中毒菌を「やっつける」

ほとんどの細菌は加熱をすれば死滅させることができます。肉や魚なら、中心部を75℃で1分以上加熱するのが目安です。
使用後のふきんやまな板といった調理器具にも細菌が付着しています。洗剤で洗ってから、煮沸消毒するか熱湯をかけることで殺菌できます。

 

疲労・睡眠・栄養の状態などによって、同じものを食べても食中毒を起こす人と起こさない人がいます。特に、暑い日が続いて体力が落ちているときは要注意。食事と休養をしっかりとり、普段から体調管理を心がけましょう。

 

【参考】
政府広報オンライン 食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント
〈http://www.gov-online.go.jp/featured/201106_02/index.html#anc03〉(最終閲覧日 2020/05/26)

【執筆者】
コントラクトフードサービス大手(株)グリーンハウスに入社、社員食堂のメニュー提案や栄養指導業務を経て、2009年「あすけん」に参加。アドバイス作成やサービス開発に携わる傍ら、年間150件以上の栄養指導やプロアスリート選手の食事サポート、セミナーなどを実施。現在はフリーランスに転向し、幅広く活躍。

衞藤敬子

管理栄養士
衞藤敬子

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