現役医師が教える!食べ方で不調を防ぐ「3つの食事術」

現役医師の加藤浩晃医師の著書『休養ベスト100』では、“正しい休み方”として、食事や運動などの生活習慣をはじめ、心身を整える幅広いテーマを提案しています。今回は本書から、不調を防ぐための3つの食事法を抜粋してご紹介します。

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朝食は2種類を使いわける

カラダに必要な栄養が不足すると、疲れが抜けず、体調を崩す原因に。加藤医師が「忙しくてもバランスよく栄養がとれて、パフォーマンスを落とさないために重要」と指摘するのが、朝食です。

予定の入りやすい昼食や夕食と違い、朝食は自分でコントロールしやすいことから、2種の朝食パターンを使いわけるのがおすすめ。それが、集中力を高めるための「パフォーマンス食」と、体力の回復を目的とする「補給食」です。実際に加藤医師が実践しているメニューがこちら。

パフォーマンス食メニュー

・卵料理、味噌汁、野菜ジュース、おにぎりのセット

・日によってアボカドやナッツ類を追加

良質なたんぱく源である卵料理、腸が喜ぶ発酵食品の味噌汁を基本に、食物繊維が豊富な野菜ジュース、主食にはおにぎりを。パフォーマンスをさらに上げたいときは、栄養価の高いアボカドやナッツ類を追加しているそう。

おにぎりに玄米や雑穀米を混ぜると、血糖値の上昇を抑える効果も期待できます。主食の炭水化物とともに良質な脂質・たんぱく質をバランスよく摂取すると、脳とカラダにじわじわとエネルギーを供給でき、集中力を持続しやすくなります。

補給食メニュー

・バナナとプロテインドリンク
・ときには消化のよい温かいおかゆや、スムージーをプラス

疲労回復に必要なビタミンB群や抗酸化物質が補給できるので、カラダの回復が期待できます。加藤医師は飲み会の翌日や、目覚めた後に元気が感じられないときなどに取り入れているそう。

朝は一日の中でも特に余裕のない時間帯。この食事を参考に、準備が負担にならないメニューや商品を選びたいものですね。栄養バランスも大切ですが、自分がおいしいと感じられることも重要なポイントになりそうです。

朝食

毎日同じものを食べ続けない

健康に効果的な食品があると、そればかり食べ続けてしまうことも。毎日同じ食品をとり続けることのリスクとして指摘されているのが「遅延型フードアレルギー」です。

「遅延型フードアレルギーは、同じたんぱく質への継続的な暴露により、時間をかけて過敏反応が形成されることによって起きます。最初は体調がよくなったと感じても、時間が経つと逆に体調が悪化してしまうということが起こりうる」と加藤医師。

例えば、腸によいとされるヨーグルトも、同じ商品を食べ続けると限られた菌株しかカラダに取り込めません。乳酸菌はさまざまな種類があり、ヨーグルトの商品によって含まれる菌が異なります。そのため、毎日同じ商品ではなく、ときには違うヨーグルトを選ぶのが良いのだそう。さまざまな発酵食品を取り入れることで、腸内環境のバランスが整いやすくなります。

さらに、栄養素にはマイクロニュートリエントと呼ばれる微量栄養素が含まれており、これらは生命活動を支えるうえで欠かせません。

マイクロニュートリエント

・ビタミン A、B群、C、D、E、Kなど
・ミネラル 鉄、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムなど

これらの栄養素をバランスよくとるためにも、さまざまな食材を取り入れることが大切です。食べ方のコツとしておすすめしているのが、「季節の旬食材を食べること」。春なら筍や蛤、夏はナスやスイカなど、季節ならではの食材を意識することで、同じものを食べ続けることを防ぎ、食材や栄養バランスを整えやすくなります。

季節

ビタミン、ミネラルの不足を補う

先ほどお伝えしたように、ビタミンやミネラルは欠かせない栄養素です。しかし、外食が増えると、緑黄色野菜や海藻を食べる量が減り、どうしても不足しがちに。食事から摂取するのが理想的ですが、難しい場合の補完として加藤医師が活用しているのが「サプリメント」です。

野菜などの自然の食材には複数の栄養素がバランス良く含まれています。マルチビタミンやマルチミネラルなど、一度に複数の栄養素をとれるサプリメントを選びましょう。

さらに、カルシウムやマグネシウムが多く含まれる「硬水」を取り入れると、不足したミネラルを補いやすくなります。

硬水

今回は、カラダの調子を整える食事法をご紹介しました。不調の症状が人それぞれ異なるように、休養の方法もさまざまです。自分に合った方法を見つけるために、100種類の実践法が掲載された本書が役立つはず。不調に悩む方は、ぜひ手に取ってみてください。

執筆/小菅 祥江

休養ベスト100 科学的根拠に基づく戦略的に休むスキル 

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加藤 浩晃(かとう ひろあき)

デジタルハリウッド大学大学院 特任教授
東京科学大学医学部 臨床教授
アイリス株式会社共同創業者・取締役副社長CSO

2007年、浜松医科大学卒業。眼科専門医として1500件以上の手術を執刀し、白内障手術器具や眼科遠隔医療サービスを開発。2016年、厚生労働省医政局研究開発振興課に勤務。2017年、AI医療機器開発企業であるアイリス株式会社を共同創業し、取締役副社長兼CSO(最高戦略責任者)に就任。2021年、一橋ビジネススクールにてMBA取得。医療現場、医療制度、ビジネスという3つの領域を経験し、横断的に理解することで医療領域全般の新規事業開発支援を行う。大企業やベンチャーの顧問・アドバイザー・取締役も務める。著書に『医療4.0』『医療4.0実践編』(いずれも日経BP)、編著に『医療×起業』『デジタルヘルストレンド』(いずれもメディカ出版)など多数。

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